人と仕事を考える

HRM総研代表・八木裕之のブログ

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社長の仕事

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 役員定年を控え、これで引退しようと思っていたのに思わず社長の後継指名を受けたという方から、社長として自分は何をなすべきか、今後ブレーンとなって教えてくれないかというお話をいただいた。
 私でお役に立つことがあればと、お応えはしたが、経営は社長が専門家であって、長く実業の世界に身をおいておられる方は、自分なりのスタイルを既にお持ちの方が多い。改めて社長の仕事とは何かを考えてみた。

 別の経営者の方にこの質問をぶつけてみたところ、それは2点あると即答された。一つは、「人が働きやすい環境を作ること」、今ひとつは「あの人のいうことだったら聞かないといけないな、という信頼関係を築くこと」だという。

 伊丹敬之『よき経営者の姿』(日本経済新聞出版社)にも、同じようなことが書かれていた。伊丹先生は一橋大学の経営学の教授。90年代に入る頃から時代が要請するだけの量と質のトップリーダーシップを、そのときの現役経営者層が総体として供給していないとして、経営者の危機を感じ始めていたという。いわく社長らしい仕事をしていない「社長ごっこ」をしているだけだと。

 経営者は「リーダー」(人についていこうと思わせ、そして彼らをまとめる属人的影響力=リーダーシップの発揮)「代表者」(外部への働きかけと外部から組織を守る防波堤となる)「設計者」(企業戦略と組織内部の人々の役割と連携の構造設計)という3つの役割を果たさなければならないが(pp.41-44)、肝心なのは「経営とは他人を通してことをなす」ということである。現場の人が納得して動いて初めて企業の業績は上がる。そこで、3つの役割の背後に経営理念の策定・伝道者としての役割があるとする(p.59)。
 
 中小企業の社長さんはご自身が営業部長、工場長あるいは経理部長的な仕事を中心にされているようにお見受けする方も多い。人を使ってことをなすのが、経営の本質ならば、人を管理する・育てる機能こそが社長の仕事といえる。
 「人材マネジメントについて考えませんか」という提案に、「うちなんかまだ早い」とすげなく答える社長さんがいるとすれば、再考してもらえるように説得力のある企画を作りたいと思う。

 メンターネットワーク(士業等の専門家ネットワーク)で「人事部長研究会」が立ち上がった。2ヶ月に1度ほど東京に集まり、企業の「社外人事部長」としてブレーンとなるためのかかわり方を研究する。技法や手段だけでなく、本質的な信頼が得られるパートナーとなるにはどうすればいいのか、じっくり考えていきたいと思う。
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1 コメント

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経営者の役割 (縁結び侍)
2007-05-17 19:42:49
私も経営者の端くれなので、マネジメントの難しさと楽しさを感じます。ビジネスモデルを考えること、その達成のために経営資源をそろえること、そしてそろえた経営資源がより円滑に自立回転できるように環境を整えること、非常に面白い仕事です。
「人事部長研究会」では、こんな専門家がほしいな徒の視点で皆さんに問題提起をしていきたいと思います。

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