てれびっこ

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阿部四郎

2017-04-25 20:19:04 | 日記
プロレスを見ていて驚くことは多々あったが、
阿部四郎というレフェリーの登場は、
もうこれ以上のことはないなと思った。

レフェリーはルールの判定をする人間だ。

ルールはプレイヤーのすべてがそれを受け入れ、
その元でプレーをする。

決して揺らいではならないものがルールだ。

柔道を見よ。
こんなにルール変えて大丈夫なのか、
それぐらいルールが変わる。
けっこう重心グラグラやん。
足払いでこけるで。
「観客にどう見られるか」を混ぜると
ルールは変わっていくという見本。
どう変えたところで一本だ技ありだの
判定がそもそもあいまいにならざるを得ないから
ずーーっとマイナーチェンジを強いられる。


プロレスにルールなんかあるんか。
ルールがなければ成立しないから、
あるにはあるんだ。

♪ルール無用の悪党に 正義のパンチをぶちかませ
(タイガーマスクさんの歌)

パンチも反則だが、5カウントまでの反則は
許されるというのがルールだから、
多少の正義を振るってもかまわないのだ。

反則を犯すのはあくまでプレイヤーというのが
誰もが当然としていた、むしろルール以前のことだった。

それを!
ルールの生きた奴、レフェリーが片一方に味方するなんて!
極悪さんの方を贔屓しちゃうという、
今はやりの(さっさと廃ればいいのにと思う)言い方を
すれば、世界観のすごさったら!!

いや、これはもう世界観の問題であったのですよ。
ちょっとしたテーマとか視点とかを大仰に「世界観」て。
成長を「進化」と言い換えるマスコミの大層なほど人目をひくと
舐め腐った表現には辟易する。

阿部四郎はルールという正義を疑えと煽ったのだ。
世界はルールが支配してるが、それでいいのかと。
これは世界観の問題としか言えないではないですか。

クラッシュギャルズ(これもなかなか悪役っぽいネーミング
ではあるなあ・・)のおねえさんたちは、ぶちきれて
極悪贔屓の阿部四郎を引き倒す。
が、相手はルールの生きた奴であるから、
見かけ中立公正、神にも等しい立場であるから、
あんまりやっちゃうとレフェリーに対する反則行為とみなされる。

ベビーフェイス(正確には長与の方だけ)の側はルールの、
つまり正義の境目のずれに立ちすくむ。
客も同じく、絶対に動かないものが動くさまに、
(正義は必ず勝つはずなのに)そもそも正義って何?という
審判の前に世界の崩壊を見ることになる。
判官びいきとかホームタウンディシジョンとかいう程度の
小賢しいやつじゃない。
根本からひっくり返していたのだ、あのおっさんは。

プロレスでしか表現のしようがないことを
阿部四郎はやってたのだ。
さぞかしおもしろかっただろうなあ。
どこで気づいたんだろうなあ。
ルールごと悪役の側に寄せる。
現世ではすでに行われてることではあるけどね。
正義は常に勝ってる側のいいように線引きされてる。

「東北で良かった」
これで生きていける政治家こそ
極悪ではないか。(今、辞任したとニュースが入りました)
天罰と言った奴もいたな。

阿部四郎はルールはほらこの通りと、
ずらして揺らして投げ捨ててみせた。

面白く見せるためならなんでもやる。
たまに、ごくたまに踏んじゃいけないものを
踏んだりする。何を踏んだかはお客様のそれぞれの
判断によるけど。

ヤフーのコメントにはここまで阿部四郎をたたえたものは
ないだろうけど、私はとんでもないことをした偉人だと
常々思っておりました。




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