詩人壺阪輝代さんの詩が、「新・日本現代詩文庫」の一冊に収められた
人ひとり
生きる場所をさぐったとき
他人の器にまどわされ
果てがみえはじめたとき
そして
職を辞したとき
そのあいだも
離さずにいたこの箸
これからも
明日をさぐりつづけるための箸
-探り箸
探り箸(壺阪輝代)
岡山在住の詩人壺阪輝代さんの詩が、土曜美術社出版販売の「新・日本現代詩文庫」の一冊(第82卷)に収められた。「現代詩文庫」は思潮社により発刊され、その「現代詩文庫第二期近代詩人編」には、永瀬清子さんが納められている。
ともあれこの「新・日本現代詩文庫」の第1巻は中原道夫で、第2巻が坂本明子さんである。壺阪さんはその年譜によると、20歳の時に坂本明子さんと出会い、坂本さんが主宰する詩誌「裸足」に加入され、詩を発表され、「裸足」101号からは編集にも携わられている。
そして、坂本さんが亡くなられた後は、詩誌「ネビューラ」を発刊され続けている(詩誌「裸足」は、坂本明子追悼号の309号をもって終刊となっている)。その壺阪さんの詩が、坂本さんと同じ「新・日本現代詩文庫」に収められたことを嬉しく思う。
今後いっそう健康に留意されて、素晴らしい詩を発表していただくことを期待している。