丸山健二著『生きることは闘うことだ』、久しぶりに丸山健二と出会った
昨日、県立図書館の新刊書コーナーを覗いたら、丸山健二著『生きることは闘うことだ』(朝日新聞出版刊)を見つけた。
丸山健二、久しぶりに見た名前だ。20年くらい前に、氏の小説をよく読んでいた。我が書棚で見つけたのが、純文学書き下ろし特別作品『虹よ 冒瀆の虹よ』(新潮社刊)。とても分厚く原稿用紙1500枚で〈上〉〈下〉二巻。谷も数冊ある。氏の著作は長いものが多い。今では、とても読まれないだろう。
さて、この本にはある意味激しいと思える言葉が、ずらりと並べられている。著者は、こう書いている。「ここでつぶやかれた言葉を単に溜飲を下げるためにだけの目的で読んできた者は、その矛先がどうやら自分にも向けられているらしいということに気づくや、安全な牙城と信じきっているおのれの心が踏みにじられたような不快さを覚え、鬱陶しいと感じ、責任の一端を背負わされることを嫌って、そっと立ち去る」。
そんな一冊、あなたも読んでみては如何。
「人間として人間らしくありたいと本気で願うのならば、生涯にわたって持ちつづける必要条件、それは抵抗と反逆の精神にほかならず、ほかの何かでは断じてなく、その崇高な戦いの継続こそが、真っ当な人生を真っ当に生きた証となり、そこにこそ生きる意味と意識と目的がしっかりと秘められている」(「おわりに」より)
にしても、個人全集100冊はスゴイですね。ま、3000枚くらいの長編だと5~6冊にもなるのではと思うので増えますね。
最近は、ジャン文学は読まれないので、個人全集など出されませんよね。売れているのは村上春樹くらいで、大江健三郎もあまり読まれないですが、小穴読者がいるので…。私も杣一人で、全ての全作品など、購入しています。