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九郎判官義経

2016-09-15 13:23:13 | 日記
平安時代といえば、『源氏物語』に見られるような“通い婚”の文化だったのだが、平安末期になると「源氏」や「平家」が台頭して、「家」が主体となる。「家」というのは父親の家族が主体となるので、母親は他家から嫁いで来て、父親側の「家」に入ることになる。義経の母親、常盤御前は、源氏の棟梁、義朝や、平家の棟梁、清盛の愛人となるのだが、源氏の義朝や平家の清盛が、「家」ではなく、通い婚的な生活を持っていたことは特筆に値する。その後、常盤は一条長成と結婚するのだが、この場合は「一条家」という「家」に嫁ぐ、という形になっている。常盤御前は、源氏の棟梁、義朝の妻となって今若、乙若、牛若という三人の子供をもうけるのだが、平治の乱で義朝が敗死すると、三人の息子を連れて京から逃れる。この三人兄弟は、頼朝や範頼、義門らの同父異母兄弟ということになる。常盤御前は、大和の国へ逃れるが、母親を清盛に人質に取られて、やむなく京へ戻って来る。そして三人の息子の命を助けるために清盛の愛人となって廊御方(ろうのおんかた)を産み、その後、常盤御前との愛人関係を清算したい清盛と、常盤御前を妻に迎えたいという一条長成のニーズが合致して、常盤御前は一条家に入る。この一条長成というのは、摂関家の一条とは関係がなく、実姓は藤原だった。長成は最高官位で正四位下であるから、武士の源三位頼政よりも位が低く、公卿にはなれなかった。ただ、位は低かったが、大蔵卿や建礼門院の皇后宮亮(ぐうすけ)になれたのは、清盛の助力があったからだと考えられる。しかし、平家が力を失うと、長成も職を失うことになったのだろう。「一条大蔵」のような長成が源氏を再興させるために常盤御前と結婚した、という物語はフィクションだということになる。常盤御前の息子、牛若というのは、ご存じ義経なのだが、彼は十一歳の時に鞍馬寺に稚子として預けられたという。長成の息子、能成が1163年の生まれなのだから、長成と常盤御前が結婚したのは、それよりも前だったことになる。ということは、少なくとも義経と能成は兄弟として七年は、長成の息子として一緒に生活していたことになる。義経の兄、今若は伏見の醍醐寺へ、乙若は大津の園城寺(三井寺)に預けられたのだが、兄の今若の方が弟の乙若よりも近い伏見の醍醐寺に預けられたのは、最初に今若だけが醍醐寺に預けられて、その後しばらくしてから乙若が園城寺に預けられたのだと考えられる。牛若は、この後、鞍馬寺から出奔して、奥州平泉から挙兵した異母兄、頼朝の元へと馳せ参じるのだが、今若と乙若は、京から頼朝の元へと馳せ参じ、三人の兄弟が再会することになる。今若と乙若が京から脱出したのは、以仁王のクーデターの後だったというが、以仁王は当初、乙若の預けられていた園城寺で兵を挙げた。このクーデターに荷担して源頼政が敗死したのだが、今若と乙若の逐電は、この頼政という庇護の手を失ったからだったと考えられる。今若は、三人の中で一番、最初に頼朝の元へと馳せ参じたのだが、当初、名乗っていたのは全成で、後に阿野という姓を名乗るようになる。乙若は、源義円を名乗り、同じく以仁王の呼び掛けに応じて尾張で兵を挙げた源行家の援軍として派遣されるが、墨俣川の戦いで戦死する。義経が木曽義仲の追討のために京へ凱旋すると、七年の少年時代を共にした常盤御前の息子、一条能成は、義経の側近となった。そして義経が失脚するまで行動を共にしたが、その後、京へ戻った。義経が京から脱走すると、頼朝の手によって常盤御前と娘が捕らえられたというが、この娘は一条長成の娘ではなく、廊御方であったかもしれない。それを長成が自分の娘として常盤御前と一緒に育てていた可能性もある。そもそも、能成自身、長成の実の子ではなかった可能性もある。常盤御前が清盛の男子を身籠ったので、さっさと長成に嫁がせた可能性もある。だとすれば、能成の生まれた1163年が長成と常盤御前の結婚した年となる。平治の乱から、能成が生まれた四年の間に、廊御方が実在するとしたら、常盤御前は三人の子供を産んでいるということになる。しかし、だとしたら常盤御前が義経の父親を殺した仇の子を義経の元へ向かわせたはずがなかっただろう。三人兄弟の中で最後まで生き残ったのは阿野全成だった。彼は頼朝の死後は、北条氏と手を結んだが、北条と敵対する二代将軍の頼家によって誅殺された。
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