Dir en grey 歌詞と解釈(改訂)

Dir en greyについて歌詞とともに紐解く

悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱(更新3)

2007-08-18 18:11:33 | Weblog
-紺碧の海に 浮かんだ君に-
生きてる事から 目蓋を閉じる
ゆっくりと吐いた 命は白い
凍てつく心に 誰も触れない

-紺碧の海に 願った君に-
弱いままの君 君は君でいい
響くかな?君へ 錆びてる声が
言葉に出来ない 今を触れていたい

明日が
もう見えない深海よりもより深くそう深く深く深く眠る明日

deep blue
忘れられない事が きっと辛すぎたから
deep blue
どんな声でどんな言葉で俺に何を伝えるだろう

-紺碧の海に 涙は混ざる-
誰も気付かない 泣いた意味さえ
救えるはずもない 命を感じ
今だけでもいい 生きてください

もう見えない深海よりもより深くそう深く深く深く眠る君

deep blue
いつの間にか傷付くことに慣れすぎた日々
deep blue
冬が眠るあの季節には花束を添えにゆくから



これは「Withering to death」の13曲目
この曲は専ら彼ら自身の境地からのものだと思う。
一般的に考えて、この詞を読んでもまず理解することは難しいのではないだろうか。

「生きてる事から 目蓋を閉じる ゆっくりと吐いた 命は白い 凍てつく心に 誰も触れない」
「弱いままの君 君は君でいい 響くかな?君へ 錆びてる声が 言葉に出来ない 今を触れていたい」
「誰も気付かない 泣いた意味さえ 救えるはずもない 命を感じ 今だけでもいい 生きてください」

「-紺碧の海に…-」から始まるこれらの節を取り上げようと思う。これらの部分が彼が抱いている思い、考え方の表れだろうと考えるからである。

「『生きている』ということから目をつぶろうと思う。
息をゆっくりと吐くと、まるで命まで抜け出てたように感覚する(気が抜けてしまったということではないだろうか。「気」と表現してしまうと一般的な事柄を想起させてしまうため、「命」という表現をしているのではないだろうか。まるで命が抜け出るようなほどまでの空虚感であるということではないだろうか。)。癒えずに凍てついていく心に、誰も触れようとしない。」(この記述は実は最近のものだが〔10 29 18:29〕以前記述していたものが、硬い文章であり、好ましくないと判断したため、残さないこととした)
「世間的、社会的しがらみから自由になれない弱いままの君は、君のままでいい。私のこの凍てつく心からのこの錆びた声は君まで響いているだろうか。言葉にできないような空虚、そんな今を触れていたい」
「『人間の弱さ、あさはかさ、エゴが引き起こす現象』よって泣いた意味さえも誰も気付かない。救えるはずもない命を感じる。今だけでもいい、生きていてください。」

「もう見えない深海よりもより深くに眠っている明日。…もう見えない深海よりもより深くに君は眠っている。」

過ぎ去った後の音楽である。感傷的である。彼ら自身がやってきたことが、虚しきものとして片付けられてしまう。いや、片付けてしまっているのだ。そもそも過ぎ去ってからこの曲を作ったわけではない。当時、アルバム「Withering to death」は人の心を深く捉えたのだ。このような曲を用意しなくても少なくとも可能性を感じていてもいいのではなかっただろうか。彼らの精神は現実ではなく、アルバムの中のストーリーの中で生きているように思えてしまう。それはもちろん彼ら自身が作ったストーリーである。そして「TOUR05 It Withers and Withers」ではそこに「CLEVER SLEAZOID」という章が加わるが、やはりこの曲が歌われることにより、何らかの幕が閉じられていくのである。
‥‥。
いや、自分達で片付けたのではなく、予見していたのだろうか。これまでも、変革的というか制圧するような音楽を創作してきたが、社会現象には至らなかったからだ。
また、彼らが望んでいたのはそこなのだ、と思う。
「死せるすべての世代の伝統が、夢魔のように生ける者の頭脳をおさえつけている。また、それだから人間が一見、懸命になって自己を変革し、現状をくつがえし、いまだかつてあらざりしものを作りだそうとしているかに見えるとき、まさにそういった革命の最高潮の時期に、人間はおのれの用をさせようとして、こわごわ」SEX PISTOLS(おそらく)という「過去の亡霊どもから名前とスローガンと衣装をかり、この由緒ある扮装と借物のセリフで、世界史の新しい場面を演じようとするのである。」(「」内はマルクス『ブリュメール十八日』)
しかし、個人的にDirでは、その時の衣装が(2005年の前半だと思いますが)5人とも一番好きである。英雄を思わせる衣装であった。SEX PISTOLSだけでは説明がつかないのではないかと思う。そこから、さらに個性的にしたものではないだろうか。いや、というよりも、制度に対する自分達として、SEX PISTOLSのアナーキズム的スタンスを重ね合わせたというか、関連付けたということなのではないだろうか。
SEX PISTOLSだという見解は、浅はかに思えてしまうだろうか。
私がそう考える理由はまずは「Hydra」という曲の歌詞にシド・ヴィシャスのことが出てくること。そしてこれをご覧いただきたい。





‥‥。
実は豹柄を取り入れているということのみをここで説明しようと画像の掲載を試みたのですが、両者の右腕を見てみると偶然にもシドのリストバンドと京のブレスレットの配色が同じなのが今ここで判明したのだった。これではっきりしたのではないだろうか。

ああ深き碧、傷付られたことを、そこから生まれた感情を、忘れられないのがきっと辛すぎたから
ああ深き碧、紺碧の海はどんな声でどんな言葉で俺に何を伝えるだろう
ああ深き碧、いつの間にか傷付くことに慣れすぎてしまったのか、その傷が、そしてそこから生まれた感情が曖昧になっていく日々
ああ深き碧、冬が眠るあの季節には花束を添えにゆくから

そしてここでも繰り返すが、あくまで私なりの解釈である。

制圧しようとした先にあったものは一体何だったのか。そこでは、このような哀愁が流れていたということだろうか。


‥‥。
ネットで検索していたらこの曲は、自殺したファンに対する曲であるということだった。「ああ深き碧」などと浮かれている場合ではなくなってきた。いや、そんなに浮かれてたわけじゃなかったけど。真面目に書いていたから間抜けなのである。そういった意味を含むものであったとは知らなかった。

-紺碧の海に 浮かんだ君に-
-紺碧の海に 願った君に-

これはどういうことだろうか。この「君」というのは自殺をされたファンの方のことなのだろうが、このフレーズから始まる節はその方に訴えてるものなのだろうか。だとすると、解釈の仕方としては前述した通りでもズレてはいないだろう。
もう一度解釈をし直してみる。

「私はもう、『生きている』ということから目をつぶろうと思うよ。ゆっくりと息を吐くと、まるで命まで抜け出てたように感覚してしまう。癒えずに凍てついていく心に、誰も、触れようとはしない。」
「弱いままだった君、君は君でいい。私はどうにかしよう(影響を与えよう)とすることは、もう止めにしようと思うよ。君のところまで響くだろうか。まるで無力であるような、私の錆びた声が。言葉にできないような、そんな今を触れていたい。」

-紺碧の海に 涙は混ざる-

これから始まる節もも訴えているものであると考えられるだろう。
「誰も、気付かないんだ。これまで、泣いてきた意味を。もう君のように他のみんなも救えないんだよ。そんなみんなの命を感じている。今だけでもいい、生きて欲しいと、思う。」

なんか、すごい内容になってしまった。本当に合っているだろうか。なんか読む者に悪影響を与えそうである。

一応、今回のところはこれまでとする。


と、いうところで終わりましたが、再度解釈を試みたい。

誰も気付かない 泣いた意味さえ
救えるはずもない 命を感じ
今だけでもいい 生きてください

のところですね。
「誰も気付かないんだ、泣いた意味さえも。救えるはずもなかった、君の命を感じていた。今だけでもいい、生きてくださいと、祈った。」
ちょっと、これは無理があるだろう。この部分は自殺されたファンの方とは関係のないものなのだろうか。
もう一度試みる。
「誰も気付かない、泣いた意味さえも。君のように息絶えてしまうかもしれない者達の命を感じ。今だけでもいい、生きてくださいと、祈った。」

今の私としては、こんなところではないだろうか。


2 コメント

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今更ですが (通りすがり)
2009-01-27 02:28:56
「悲劇は目蓋を下ろした優しき欝」は自殺したファンへ捧げられた歌詞。
救うことができなかった命への後悔が込められた歌詞。
ただそれだけ。
でも、それが全て。

歌詞を読解しようなんて間違っている。
音楽は心で感じるもの。
その感じ方は人それぞれ。

自殺を何度か試みたことのある自分にはDIR EN GREYの楽曲はとても心に刺さります。
Unknown (↑知らんがな)
2019-02-14 12:34:38
知らんがな