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「すでに起こったことは、明らかに可能なことがらである」
在台日本語教師の東アジア時事論評あるいはカサンドラの眼差し

STAP細胞問題の暗黒4:「専門家」「専門用語」というメディアの手品(まやかし)

2014年06月18日 | 20110311東北関東大震災と政治
(写真:三倍体トリソミーの有性生殖の可能性もありえる
1.問題はそう単純ではない
 前回、水戸黄門モデルで今回のSTAP細胞事件の成り立ちを考えてみた。
 STAP細胞問題の暗黒3:メディア「買収」の金主はやはり・・・
 今までの個人攻撃、Nature論文に加えて、「悪代官1」の仲間は以下のような形で、5月下旬から6月にかけてメディアと結託して「STAP細胞」は存在しないことを立証しようとした。しかし、STAP細胞が存在するかしないかを論じる以前の大きな問題が記事には存在する。

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STAP細胞:論文ではあり得ない染色体 研究員ら解析
毎日新聞 2014年06月11日 19時43分(最終更新 06月11日 23時49分)
晴子・研究ユニットリーダーらが公開しているSTAP細胞の複数の遺伝子データに、STAP論文に書かれた作製法ではあり得ない染色体異常があることが、理研統合生命医科学研究センターの遠藤高帆(たかほ)上級研究員らの解析で分かった。見つかった特徴は、既存の万能細胞「胚性幹細胞(ES細胞)」に多く見られるため、専門家の間では「STAP細胞は存在せず、ES細胞だった可能性も出てきた」との声が上がっている。
 論文では生後1週間のマウスから取り出したリンパ球を使い、STAP細胞を作製したと説明している。だが解析では、8番染色体が通常(2本1組)より1本多く3本ある「トリソミー」と呼ばれる状態だった。8番染色体がトリソミーのマウスは胎児の段階で死んでしまい、生まれてこないため、生きたマウスを使ったとする論文の記述と矛盾する。
 一方、長期培養するES細胞では、8番染色体のトリソミーが生じやすい。菅野純夫・東京大教授(ゲノム医科学)は「解析結果を信じるならば、生きたマウスから作ったとは考えにくく、ES細胞をSTAP細胞として使った可能性もある」と話す。
 これまでに、STAP細胞から作ったSTAP幹細胞の分析で、元のマウスと異なる不自然な特徴が指摘されているが、小保方氏側は「詳細はSTAP幹細胞を樹立した若山照彦氏(現・山梨大教授)に聞いてほしい」と反論していた。一方、STAP細胞は基本的に小保方氏が1人で作製していたとされる。小保方氏の代理人、三木秀夫弁護士は取材に「主治医より『静養に努めること』と指示を受けている」として回答しなかった。【須田桃子】
解説:STAP細胞に致命的データ 理研は詳細な解析を
毎日新聞 2014年06月12日 東京朝刊
 「STAP細胞」が、受精卵から作る万能細胞「胚性幹細胞(ES細胞)」だったのではないか、という指摘は以前から出ていた。STAP細胞として公開されている遺伝子データに、ES細胞によく見られる8番染色体の「トリソミー(通常2本の染色体が3本ある状態)」が見つかったという解析結果は、その指摘の裏付けになる。理化学研究所は、論文全体の内容や残された試料の調査に消極的だが、不正の全容解明が一層求められる結果といえる。
 東京大の研究チームも同じ結果を出しており、解析の信頼性は高い。論文で記述されているSTAP細胞だった可能性を否定するデータとも言え、STAP細胞の存在を疑問視する専門家は「致命的なデータ」と批判を強める。
 解析した理化学研究所の上級研究員らは、他のSTAP細胞の公開データの解析も実施しており、そこではSTAP細胞の特徴である万能性を示す遺伝子の働きをほとんど確認できなかったという。また、STAP細胞から樹立したとされる「FI幹細胞」のデータの解析では、ES細胞と、胎盤の細胞に変化する「TS細胞」とが9対1の割合で混ざっていた可能性があるとの結果が出た。膨大な容量の遺伝子データを複数誤って登録することは現実的ではなく、計画的な捏造(ねつぞう)行為があった可能性もある。
 理研はこれまで、論文の再調査や研究の生データなどの解析を先送りしてきた。今回の解析は、STAP細胞の真偽を見極めるうえでも、詳細な解析が必要であることを示す結果だ。理研は現在、STAP細胞を作り直す検証実験を優先させ、上級研究員が5月下旬に解析の概要を報告していたにもかかわらず、報道されるまで認めてこなかった。
 ある国立大教授は「仮にSTAP細胞がES細胞であるなら、検証実験をやる意味もない」と指摘する。外部識者による理研の改革委員会は12日に提言書をまとめ、公表する。改革委は再三、理研に論文の再調査を求め、提言書にも盛り込む見通しだ。理研には改めて「幕引きを急ぐな」とのメッセージが突き付けられている。【須田桃子
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 以上の報道には三つの非常に基本的な点で大きな信頼性、客観性に関わる問題があると考えられる。第一は、赤字の部分のような、遺伝子分析の専門家である遠藤高帆研究員らの検証結果はおそらく真実だとは思われるが、そうした報告の公表のされ方である。現段階では、検証した本人が「検証しました」と言っているだけで、正式に報告書等が公表されているわけではない。いったい検証研究結果はどこに公開されているのであろうか?学術研究の最も基本的な”モラル”(3月に『毎日』等が大騷ぎしていたのでは?)では検証結果は文書にすべきであり、それで初めて公開の記録になる。これではただの口上、宣伝の類で、正式の検証とはいいがたい。新聞に載れば事実とでも言うなら、何でも事実になってしまう。検証結果を再検証できる資料が公開されて初めて「客観性」が成り立つのである。再検証できる客観的記録がない以上、現段階では遠藤高帆研究員らの検証結果が真実という検証はできず、STAP細胞と同じように、ただの可能性にしかすぎない。つまり、いったい何をどう検証したのか、研究者なら「悪徳商人」もどきのマスコミなどに、いい加減にしゃべくり散らかすのではなく、きちんと結果を論文で公開するのが筋だろう。(追記)日経サイエンスになぜか解析結果が出ている。これもリーク資料かもしれない。
 それに何より、これではモラルで小保方氏を集中攻撃していた新聞は、自分の記事ではモラルを無視していいと宣っていることになる。自分の非を隠して人を攻撃するのは人間として最も恥ずかしい行為であり、勿論メディアとしての信頼性などそこには成り立つ余地もない。記事を書いている須田桃子氏もそんな矛盾に気が付かない程度の教養と知能でよく”ジャーナリスト”などと宣えるものである。これが高給取りの記者の「水準」なのだろうか。
 第二は、仮に解析結果が正しかったとしても、青字のような判断が妥当かどうかは別の問題である。遠藤高帆研究員が検証したという事実は、「STAP細胞の遺伝子情報として公開されたデータでは、そのハツカネズミの第8染色体がトリソミー(三重になっている)だ」というところまである。以降の部分「8番染色体がトリソミーのマウスは胎児の段階で死んでしまい、生まれてこないため、生きたマウスを使ったとする論文の記述と矛盾する。」は、推測に過ぎない。推測である以上、その推測には正当な根拠や立証が当然必要で、専門家の意見だからというようなまやかしはマスコミの先輩伝授の老人臭がする「祕技(権威者の言を借りて事実に見せかける)」に過ぎず、今回の問題に関してはまったく無意味である。推測の根拠は必ず証明する必要がある。それが科学者、研究者の公的ルールである。
 なぜかこの部分だけが異常に詳しい説明を訝しく思って調べてみると、ハツカネズミの場合、青字のような推測は間違っている可能性が高いと思われる。以下の資料をご覧いただきたい。高度の放射性汚染物質で汚染されたチェルノブイリでのネズミの遺伝子変異を調べた論文で、生物にとっては最悪の環境下でも生命はたくましく、「全観察期間(12~18世代)を通じて、比較対照値の3~5倍の染色体異常が認められている。」つまり、染色体異常があってもネズミは子孫を残している可能性が極めて高いということである。
 放射能汚染地域に生息する野ネズミの経世代的細胞遺伝学的損傷
 つまり、8番染色体のトリソミーが必ず(100%)致死性になる、特にハツカネズミの場合にという客観的な証明データがない限り、この主張はまったく成り立たない。1%から10%の確率でもトリソミーの染色体で子孫を残せるなら、今回のSTAP細胞サンプルはたまたまそれに該当したケースもありえる。
 Wikipedia等の説明を見て、「トリソミーだから」と思った人はよく説明を読んで欲しい。Wikipediaの以下の説明は人の場合しか言っていない。もしこの説明を使いたいならば、あなたはネズミ=人間という立証をしなくてはならない。「新聞に書いてあるから」という白痴的判断がいかに危険かお分かりいただけるだろうか?あなたは日本の大企業『毎日新聞』の記者須田桃子氏のせいで、「ネズミの遺伝は人間の遺伝と同じだ」という説を事実と言わなくてはならなくなってしまったのだ。このニュースに出ている程度の内容で、「STAP細胞」はあり得ないというのは、「ネズミの染色体の働き方は人間の染色体の働き方と同じだ」というありえない説を立証したというのと同じことになってしまう。
 染色体異常 - Wikipedia:説明は人の場合のみ。
 最後は、検証したデータと方法が妥当かどうか、そしてそれを実施した研究者の能力の問題である。以上のような、ただの談話しかわからないニュースでは何をどう検証したのかは雲を掴むようなところがあるが、まず元のNature論文で公開されているデータで、該当しそうな部分を探してみよう。しかし、論文自体にはそうした部分はないようである。
 Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency
 「STAP細胞として公開されている遺伝子データに、ES細胞によく見られる8番染色体の「トリソミー(通常2本の染色体が3本ある状態)」が見つかった」とあるが、いったいどこに「STAP細胞として公開されている遺伝子データ」が公開されているのだろうか?探していくと、このSTAP細胞の存在は否定されたと主張しているメディア記事で検証したとされるデータは以下で批判されているサイト「kahoの日記」が使ったものらしいことが分かった。(注:ただし、以下のサイトの内容自体は小保方氏を攻撃する側の非科学性を検証している小保方氏擁護のサイトである。)

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イスラエル・ハイテクベンチャーCEO兼CSの脱&非日本仲間日記さん:
アンチ・小保方STAP細胞の匿名ブログ『kahoの日記:STAP細胞の非実在について』のエセ科学性
本稿では、「STAP細胞の存在」又は「ASTAP細胞の非存在」を云々する事ではなく、あるブログの中身のエセ科学性を論ずる事にある。
小保方氏のSTAP細胞に異議があるならは、その者は、証拠を持って反論の論文を書き、学会の公の討論の場で発表すべきであることは、研究者の常道である。
にも拘らず、ブログ上で匿名の"kaho"を名乗り、自分の素性を一切明らかにせず、「塩基配列を解析したところ、STAP細胞は存在しない」と称して、自分の「説」を証明する根拠の明確な提示をせず、即ち、「解析に使った」と称する塩基配列データーの真正性の証明も無く、しかも解析手法を一切明らかにする事無く、解析ではなくUCSCの"Genome Browser"というブラウザー(米国カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)が開発・管理しているゲノムブラウザで、アノテーションが付加された遺伝子のゲノム上の位置やその周辺を表示するツール)の画面を、表示に使ったデーターの説明も無く、何らの解析手順の説明も無く、自分のブログに匿名で単に貼り付けただけのやり方で、「STAP細胞の非実在について」というタイトルで、「STAP細胞」の否定を唱えている。
(1) kahoの日記: STAP細胞の非実在について
http://slashdot.jp/journal/578529/STAP%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%AE%E9%9D%9E%E5%AE%9F%E5%9C%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
(2) kahoの日記: STAP細胞の非実在について#2
http://slashdot.jp/journal/578550/STAP%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%AE%E9%9D%9E%E5%AE%9F%E5%9C%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%83%EF%BC%92
(3) kahoの日記: STAP細胞の非実在について#3
http://slashdot.jp/journal/578591/STAP%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%AE%E9%9D%9E%E5%AE%9F%E5%9C%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%83%EF%BC%93
(4) kahoの日記: STAP細胞の非実在について#4(kahoは、不正な内容を認め#4を取り消す)
http://slashdot.jp/journal/578623/STAP%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%AE%E9%9D%9E%E5%AE%9F%E5%9C%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%83%EF%BC%94
(5) kahoの日記: STAP細胞の非実在について#5
http://slashdot.jp/journal/578726/STAP%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%AE%E9%9D%9E%E5%AE%9F%E5%9C%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%83%EF%BC%95
自分は「理研内部」の人間であると唱え、上記のやり口で、小保方氏を背中から斬りつけるという、おおよそ研究者にとって、あるまじき卑劣な行為を行った。NCBIに登録されたデーターを使い、塩基配列レベルの「遺伝子解析」により「STAP細胞の非実在」証明したと自称するこの男は、「科学」の名を借りたいかさまのエセ科学人間である。
以下は、サイトで。DNA解析なるもののいい加減さや方法でどのようにでもなる点を明確に分析している。
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 以上に出ている、「kahoの日記」が今回の記事の震源地である。
 このkahoがイニシャルだとすれば、おそらくニュースに出ている理研統合生命医科学研究センターの遠藤高帆(たかほtakaho)上級研究員が「kahoの日記: STAP細胞の非実在について」を書いている本人だろう。確かに、研究者サイトでは多数の業績があって、優秀な方のようである。
 Takaho A Endo
 ただ、大半の業績はグループでのもので独立性は低いように見える。現在の上司は、小原收統合生命医科学研究センター統合ゲノミクス研究グループグループディレクターである。
 Osamu Ohara
 基本的には遺伝子操作学派の主要グループであり、以下で述べたような3月の調査委員会のメンバーの専門と非常に近い位置にいると言えよう。
 STAP細胞問題の暗黒2:擬似「検閲」が横行する暴走する日本社会
 責任者が論文として出した解析結果なら確かに信頼はおけるが、遠藤高帆研究員は、旧帝大系で言えば基本的には教授の下の研究助理のような立場の人で、サブグループ長(助教授)かどうかもわからない。日本の組織的伝統から考えると、言っていることがすべて本人の意思や判断とは言い難い点がある。
 そして、訝しく思われるのは、6月になって「STAP細胞として公開されている遺伝子データに、ES細胞によく見られる8番染色体の「トリソミー(通常2本の染色体が3本ある状態)」が見つかった」検証をおこなったのは、3月にイスラエル・ハイテクベンチャーCEO兼CSの脱&非日本仲間日記さんがすでに研究手続きや論証手順上の不正を指摘したkahoこと、理研統合生命医科学研究センターの遠藤高帆(たかほ)上級研究員であり、指摘はすでに自分が出していた批判の焼き直し(3月の時は塩基配列等、5月から6月はトリソミー)にすぎないし、その方法はやはり常識ある専門研究者からみれば、「モラル」を疑われる点が多々見られる可能性があるということである。再検証の方法や結果も示されていない。こうした人物の言葉を果たして「専門家」の言として何の疑いも持たずに信頼してよいのだろうか?こんなレベルの人物の検証で、Nature誌が掲載を認めた論文を否定できるのか?
 専門用語が鏤めてあるのでもっともらしく見えるが、結局またメディアは、2月の攻撃当初と同じく、ブログまがいの「検証」でこのニュースを「捏造」した可能性が高い。理研統合生命医科学研究センターの遠藤高帆(たかほtakaho)上級研究員は、専門分野の研究者からはモラルを疑われる行為を3月にした人物、結局はそういうことであり、その研究に絶対の信頼性をおける客観的根拠はない。「リーガルハイ」の裁判で言えば、重要証人の証言の信用が反証で完全に崩れたということになる。
 すでに「STAP細胞は否定された」話しにメディアは今回の事件全体を「捏造」しようとしているが、『毎日』等が巨額の資金を投じて書いているらしい、この記事の内容には、客観性の根拠として出している理研統合生命医科学研究センターの遠藤高帆(たかほtakaho)上級研究員の信用や研究能力に疑義を提起せざるをえない以上、まったく客観性の片鱗はなく、全体は振り出しに戻ったというしかないだろう。

 『毎日』等のメディアは、「悪徳商人」ぶりを発揮して、「菓子折の下の小判」や「人形娘」作戦で、STAP細胞潰しをしてくれる大学の研究者をあたったのであろうが、結局出てきたのはこうしたブロガーレベルの「用心棒」でしかなかった。実名(ニュースソース)を出したところを見ると、メディア側もかなり手詰まりの様子が見える。まともな研究者なら、検証しない限りわからないものを完全に最初から「黒」と言っている人物(「悪徳商人」やその手代など)に近づくことすら普通はしないだろう。研究の一番の基本を否定する研究者としての自殺行為だからだ。

 5月下旬から6月にテレビニュースや新聞を「白痴のように」信じて、こうした記事を「客観性」があると思い込んだ日本市民は、本当に人間として恥ずかしい行為をしていることに早く目を覚ますべきだろう。日本市民は古色蒼然とした共産主義の白痴リアリズムに洗脳されて、「客観性=現実そのものの認識」とでも思い込んでいるのであろうが、それは完全に間違っている。いったい大学で何を学んだのだろうか?現代社会での「客観性」は検証可能性を意味していて、証拠が検討できその信頼性があれば「客観性がある」としている。つまり、「客観的認識」とは現実そのものの認識などではまったくなく、ただ或る範囲についての、ある手続きで得た検証できる調査結果ということである。今、日本のメディアが出している「STAP細胞として公開されている遺伝子データに、ES細胞によく見られる8番染色体の「トリソミー(通常2本の染色体が3本ある状態)」が見つかった」検証には、根拠となる部分に信頼性がない(検証できない、証言者もあてにならない)。従って、客観性がないということであり、もしSTAP細胞の信頼性が疑わしいならば、この記事の信頼性も疑わしい(検証可能性と信頼性はゼロ)ということである。
 結局はただの泥試合に終わっているだけである。

 そして、このように実名を出して協力者を晒したのは実はメディアの敗北である。3月の「コピペ」総攻撃の大失敗で壊滅したメディアには残された攻撃路がもうあまりなく、こうした苦渋の選択をしたのだろうが、まともな研究者の人はメディアの「悪徳商人」性に警戒心を持ち始めている証拠なのかもしれない。

2.動機から言ってSTAP細胞は存在している
 多くの日本人はメディアに多くの事実や善悪の判断を委ねる怠惰な生活を戦後の50年以上続けてきた。その結果、第三者がメディアを利用すれば、存在している物も存在しないことにされてしまうような、前近代的な知的水準の社会に退化してしまった。STAP細胞謀略事件は、そんな日本社会の病巣を象徴する事件である。
 善悪を言っているのではなく、そうした状態にあることに気づいて欲しい、本ブログで述べたいのはその点だけである。
 先に述べたように、もっともらしく見せかけた理研統合生命医科学研究センターの遠藤高帆(ブログ名:kaho)上級研究員の「談話」でメディアはSTAP細胞はなかったことにしようとしているが、実際にはまったく存在しない証明にはなっていない。
  
 実際には裁判にして争った方が問題はこじれないのかもしれないが、現段階では完全に「薮の中」状態で、メディアの報道を妄信した市民が小保方氏を攻撃しているバイアスを除けば、本当のことはなにも分からないままである。
 小保方氏は、『毎日』等の報道に対して否定しており、メディア暴力のバイアスを除いて、冷静に内容を検討すれば何も分からない、判断する材料はなにもない、誰の証言も本当かどうか分からない、そんな状態であり、真偽について述べることができる客観的状況にはなっていない。分からないものは分からないと言う、それが研究者の一番基本的なモラルである。
 従って、今回の発見をした小保方氏の発言を本ブログでは尊重する。

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「研究室以外に入手ない」=小保方氏、STAP疑義に反論
時事通信 6月18日(水)10時42分配信
 STAP細胞の論文問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーは18日、共著者の若山照彦山梨大教授が提供したマウスから作ったとされるSTAP細胞が、別のマウスからできていたことについて、「マウスに関しても細胞に関しても、(若山氏の)研究室以外からの入手はない」と反論するコメントを発表し、外部からの持ち込みを否定した。
 小保方氏は「再現・検証実験に参加し、人為的な間違いが絶対に起きない環境でSTAP細胞の存在を証明することで、筆頭著者としての説明責任を果たすことを切望している」とコメントした。
 STAP細胞について、若山氏は研究室に残っていた幹細胞の解析結果を公表し、「存在を示す証拠はなかった」との見解を表明。小保方氏の研究室から別の万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)を示すとみられる「ES」と書かれたラベルが貼られた容器が見つかったことも判明し、STAP細胞の一部はES細胞との見方が浮上している。
 小保方氏のコメントを発表した代理人の三木秀夫弁護士は「小保方氏はES細胞が混入しないように管理していた」と話した。 
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 これだけ世間の攻撃を受けても小保方氏が第三者との実験をさせて欲しいと言っている以上、「細胞のリセット技術」が捏造ということはありえない。「細胞のリセット技術」が捏造ならそんな実験をしたいと誰が言うであろうか。ただ、それが何であるか、「細胞のリセット技術」から生まれた細胞の性質がどのような特徴を持っているかは、分からない。今のところはそうした状況だと思われる。
 小保方氏のNature論文は今までも述べてきたように三段階の実験を組み合わせたもので、それぞれの段階の責任者が全く別々だった可能性がある。小保方氏は第一段階だけを受け持っていたこともありえる。
 メディア「暴力」を考える2:メディアが作る「風評被害」(前)
 証言を翻した人物のほうがむしろ怪しいと見るのがこうした陰謀事件の場合は妥当だろう。その点でまず疑わしいのは、若山照彦・山梨大教授である。

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「感動で全身が震えた」 新型万能細胞「STAP」 若山照彦・山梨大教授に聞く
2014.2.17 08:07 (1/2ページ)[先端技術]
 「あり得ないことが起き、感動で全身が震えた」。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30)と共同で、新たな万能細胞「STAP(スタップ)細胞」を作製した山梨大の若山照彦教授(46)が実験成功の瞬間を語った。(伊藤壽一郎)

 --STAP細胞は世界的なニュースとなった
 「世紀の大発見だと思っていたが、これほどの反響とは思っていなかったので驚いた。大きく扱われたことで多くの人の目に触れ、科学を身近に感じてもらえたのでは」
 --共同研究の経緯は
 「小保方さんは米ハーバード大に留学中の平成20年にSTAP細胞の研究に着手した。22年7月、作った細胞の万能性を判定してほしいと、当時は理研発生・再生科学総合研究センターにいた私を訪ねてきた」
 --ハーバード大では判定できなかったのか
 「万能細胞の作製には、体の細胞を、あらゆる細胞になれる受精卵のような状態に戻す初期化が必要。人工多能性幹細胞(iPS細胞)は遺伝子操作で初期化を行うが、小保方さんは外的な刺激で実現しようとしていた。これは当時の常識に反しており、誰も信用せず引き受けなかった。わらをもつかむ思いで私に直談判してきた」
--引き受けた理由は
 「できるはずがないと思ったが、無理だと思うことを実現して常識を超えたい気持ちがなければ、新しい偉大な成果は絶対に生まれない。成功すればハーバード大に勝つことにもなると思った」
 --研究の役割分担は
 「小保方さんは、毒素を与えたり栄養を不足させたり、さまざまな刺激でSTAP細胞を作った。私はそれをマウスの受精卵に注入して胎児を育てた。細胞は紫外線を当てると緑色に光るよう加工してあり、万能性があれば全身の細胞に分化して体中が光るはずだった」
 --うまくいったのか
 「数え切れないほど失敗を繰り返した。もう駄目かと思ったときは何度もあったが、小保方さんは絶対に諦めなかった。人一倍の知識と勉強量を武器に失敗の原因と次の作戦を考え、条件を変えて夜通し実験を繰り返し、新たな細胞を作り続けていた。必ず成功させたいという気持ちが伝わってきた」
 --弱酸性溶液に細胞を浸すことが決め手になった
 「23年11月、今日も失敗だろうと思いながらマウスの胎児に紫外線を当てると、全身が緑色に光った。あり得ないことが目の前で起き、口も利けないほど2人で驚いた。感動で全身に震えがきた。小保方さんも泣きながら喜んでいた。並外れて粘り強い小保方さんでなければ、成し遂げられなかっただろう」
 --今後の期待は
 「世界中の研究者がSTAP細胞の研究を進めてくる。彼女に掛かる重圧も大きいと思う。実験のしすぎで体を壊さないようにしてほしいが、世界を相手にした競争でトップを走り続けてほしい」
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 攻撃される前に言っていた内容と攻撃後に言っている内容はまったく違っている。私は攻撃前の談話が本当だと思う。特に緑の部分が嘘なら、いったいなんでこんな嘘を攻撃前に言う必要があったのか理解できない。

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STAP問題 若山教授「最悪の結果」「小保方ノート確認してれば…」
産経新聞 6月16日(月)21時51分配信
STAP問題 若山教授「最悪の結果」「小保方ノート確認してれば…」
第三者機関によるSTAP細胞解析結果を報告する山梨大学の若山照彦教授=16日午後、山梨大学(蔵賢斗撮影)(写真:産経新聞)
 製作を依頼して渡したマウスとは別の細胞だった-。新型万能細胞とされる「STAP(スタップ)細胞」を培養して作製した幹細胞について、第三者機関による解析結果を16日発表した若山照彦山梨大教授の会見の主な一問一答は次の通り。
 ■あるという証拠を全て否定する結果
 --STAP幹細胞はどんな細胞だったのか
 「僕の研究室にいるマウス(由来)ではないということが分かっただけ」
 --解析結果の感想は
 「予想していた中でも最悪の結果。どうしてこういうことが起きたのか分からない」
 --細胞の有無は
 「あるという証拠を全て否定する結果となった。しかし、絶対に存在しないと言い切ることはできない」
 --3月には細胞の存在を信じたいと言っていたが
 「STAP細胞があれば夢の細胞だ。あってほしいと思うが、全ての解析結果がそれを否定している。だが、ないという証明はできない」
 ■まだ結論は出せない
 --当時と比べ心境の変化は
 「解析結果を見る限り、自分が使ったのは何だったのか、もっと分からないものになってしまった。この4カ月は理化学研究所の調査委員会に協力する仕事がずっと続いている。つらい毎日だ」
 --理研の小保方晴子氏は今回の解析結果と合致するマウスを入手できたか
 「そのようなマウスが理研の発生・再生科学総合研究センターにあるかどうかは調査中だが、ポケットに入れて持ち込むことは不可能ではない」
 --STAP細胞が胚性幹細胞(ES細胞)である可能性は
 「すべての結果をうまく説明できるのは、ES細胞が入っていることだが、まだ結論は出せない」
 --小保方氏に対して言いたいことは
 「僕はこの問題を解決するため、できる限りのことをした。解決に向け行動してもらいたい」
 ■裏切られたとは考えていない
 --今後もSTAP細胞の研究をするのか
 「僕自身は再現実験を繰り返しても成功していない。できると言っているのは小保方さんだけで、誰もができるような作製方法を公開してもらえなければ研究をやろうとは思わない」
 --理研の改革委員会は若山氏にも責任があると提言した
 「小保方さんの実験ノートを確認すべきだったことについてはその通りだ。反省している。だが、優秀だと思っていた研究者に確認はできなかった」
 --自身の責任について
 「3月に論文撤回を申し出た際、山梨大学長に相談に行った。山梨大では処分しないと言われたが、僕から何らかの処分を大学に申し出る」
 --小保方氏に裏切られたと思うか
 「考えていません」

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 最後の発言から考えて、何らかの大きな圧力で若山教授は、こう言わざるをえなくなったと見るのが自然だろう。裏切られたとも騙されたとも一言も言っていない。ただ、以前に自分で見た物をもう見たと言えなくなったこと、つまりそうした変化を自分に強いている存在があることが、こうした曖昧な談話を産んでいると言える。

 理研の構造改革調査委員会の報告も矛盾している。
 研究不正再発防止のための提言書

(1)委員の専門
 提言書を見て、不思議な点はまず委員の人選である。いくら読んでもなんでこんな人間ばかりが集まっているのか、全然理解できない。適当に研究者データベースからサイコロでも振って集めたのかもしれない。そのほうがまだ公平だったかもしれないが、見ていくと不自然なバイアスが感じられる。
1)委員長:岸輝雄:東大工学部教授で高信頼性材料
2)委員長代理:間島進吾医療システム会社の役員
3)委員:市川家國 信州大学医学部特任教授:専門は小児科医、メディアに頼まれて小保方氏を3月に非難している。
4)委員:塩見美喜子 東京大学大学院理学系研究科 教授:細胞のリボ核酸の専門家
5)竹岡八重子 光和総合法律事務所 弁護士:知的所有権(特許)の専門家
6)中村征樹 大阪大学全学教育推進機構 准教授:研究倫理の研究者だが、2005年に博士号をとって2007年に就職したばかりで、まだ教授ではない。しかも専門は工学部(東大)で、業績表には台湾の基準で行くと業績に入れてはいけないものが異常に多い(商業雑誌の解説記事等を研究業績として出すと台湾では業績詐称で懲戒解雇に値する場合がある)。

 1)、2)、3)はすでに老人で調査実務ができるとは思えない。4)だけがかろうじて小保方氏の専門に近いが、やはり細胞の全体を扱う研究者ではなく、細胞の内容物の機能を調べている人で、小保方氏が人体全体を扱っているレベルだとすれば、4)は臓器の一部だけを扱っている人である。扱うレベルの違いは、ロングショットとズームアップぐらいものの様子を変えてしまう。今回の問題を扱える適任者ではない。5)は、理研の出しているSTAP特許関係で入った人物で研究とは関係がない。6)は1)または3)の子分と思われるが、やはり工学部で全然今回の問題の研究分野とは関係がない。しかも、未熟な研究者である。
 日本にはこんなレベルの研究者しかいないのだろうか?悪寒がしてきた。時代劇で、戦争を命じられた部将が精鋭部隊の大軍のいるはずの所に行くと、老人と子どもがちらほらいるだけだったというようなシーンが浮かぶ。こんなメンバーの出した構造改革報告書にいったいなんの意味があるのか?

(2)調査内容のいい加減さ
 前回述べたように今回の提言は「案」の段階で、マスコミにリークされていた。モラル云々と提言しておきながら、自分達のほうは事前に個人情報(小保方氏等の入社経緯)を得体の知れない不特定の第三者(マスコミ)に漏洩していたことになる。これは犯罪行為にあたる可能性も否定できないのではないだろうか?
 STAP細胞問題の暗黒3:メディア「買収」の金主はやはり・・・
 個人情報保護法
 今まで書いてきたように、今の日本の学歴エリートは、メディアもこうした大学人も特権ボケして完全にモラルハザード(自分は犯罪行為、犯罪の疑いの濃い行為をしても正しいが、他者の非は徹底的に糾弾する品性と道徳性の欠如)を起こしている。こんな人間の書いた提言に意味があるとは思えない。それに委員本人が調べたのか、執筆したのか、いったい監査はどんな形で実施されたのかまったくわからない。
 提言している内容も、ゲシュタポや特高警察の検閲のような研究者としてあるまじき内容が多々含まれている。

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 (2)論文の信頼性を保証する仕組みの構築
理研から発表される論文について、信頼できる研究成果であることを保証するような仕組みを構築すること。
① 論文の作成にあたっては、論文の共著者間で、生データの検証と評価を含んだ検討を十分に行うことを、ルールとして明記する。
② 論文の投稿にあたっては、共著者それぞれの貢献の内容と責任の範囲について論文中に記載するなど、なんらかのかたちで明確にするものとする。これにより、共著者の責任を明確にし、研究の正しさを確保する行動の実行を促す。共著者の貢献と責任については、すでに多くのジャーナルで投稿時に明記することが求められるようになっているが、理研から発表される論文の信頼性を高めるため、ジャーナルの規定にかかわらず理研としての姿勢を示すことが重要である。
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 研究者のモラルと常識では、「信頼できる研究成果」かどうかは、読者が決める。役に立てばいいし、たたなければそれでおしまいで、誰も読まなくなる。おもしろい論文を書く人ならば作家にファンがつくように、この人なら読もうという形で読者が増え、おもしろくない論文は自然に淘汰されていく。今はこれらの委員のような、先行研究をまとめて論文らしく見せた手続きだけで論文を書いている、研究者ではなくただの役所の文書掛かりのような大学人が増えたので、まともに研究をしている人なら絶対に言わない「信頼できる研究成果であることを保証するような仕組みを構築する」などという、研究活動と根本的に矛盾した提言を平然としてしまう。コロンブスの探検が成功するかどうか、そんなものが最初にわかっていたら(信頼できる成果がすでにあるなら)、もう探検にはならない。科学上の発見は大半は偶然の産物で、見つけた本人にすらそれが何かはわからないことのほうが多い。それは決して「信頼できる研究成果」ではないし、むしろ「怪しげでいかがわしい研究成果」である。「信頼」は後から読者が加えていくのである。
 いくらでも例をあげることができるが、「光合成」を取り上げてみよう。「発見」とは基本的に、同時代人には全然意味が分からない現象のことである。

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光合成の発見
1648年にフランドルの医師であるヤン・ファン・ヘルモントは、鉢植えのヤナギに水だけを与えて成長させる実験を行った[5]。生育前と後では鉢植えの土の重量がほとんど変わらなかったため彼は「木の重量増加は水に由来する」と考えた。質量保存の法則が確立する1世紀も前のことであった。
1771年、イギリスの化学者および聖職者であるジョセフ・プリーストリーは、「植物はきれいな空気を出して空気を浄化している」と考えた。彼は、密閉したガラス瓶の中でロウソクを燃やして「汚れた空気」をつくり、そこにハッカとネズミを入れたものとネズミだけを入れたものを用意した。するとハッカを入れた方のネズミは生き続けたが、入れない方のネズミは数秒で気絶、その後死亡した。この実験結果を元に彼は「呼吸で汚れた空気を浄化する何かがある」と考えたのである。彼はその後1774年に酸素を発見し[3]、「脱フロギストン空気」と名付けた[2]。しかし、酸素の燃焼と呼吸での役割を解明したのはアントワーヌ・ラヴォアジエである。さらに、ラヴォアジエは酸素(oxygen)と二酸化炭素(carbon dioxide)の名付け親でもある。
1779年、ジョセフ・プリーストリーの発見に影響を受けたオランダの医師ヤン・インゲンホウスは、水草による実験を行った。当時、水草から発生する気体は「ふつうの空気」であると考えられていた。しかし、彼はこの気体を集めて火を入れてみたところ勢いよく燃える事を発見した。次に、日光の当たる場所と暗闇に置いた場合の水草を比べてみたところ、前者からは気体が発生したが、後者からは気体は発生しなかった。このような実験の結果から、彼は「植物の空気浄化能は葉の緑色部分であり、光の影響を受ける」ことを発見した。また彼は、火を燃やすことができる「きれいな空気」と植物を入れた容器を暗闇に置くと、その容器内の空気が燃焼が起きない「汚れた空気」に変わることも発見している。今で言う「呼吸」が起こっていたのである。
1782年、スイスの司祭ジャン・セネビエは、当時「固定空気」(common air)と呼ばれていた二酸化炭素が光合成で取り込まれることを示し[2]、二酸化炭素は根から取り込むと考えた[3]。
1804年、同じくスイスのニコラス・テオドール・ド・ソシュールは、ジャン・セネビエの二酸化炭素は土から取り込まれるという考えに疑問を持ち、ソラマメを土ではなく小石の上で育てる実験を行った。するとソラマメは普通に育ったため、植物は空気から二酸化炭素を得ていることが分かった。また、植物の枝(使われたのはLonicera caprifolium、Prunus demestica、Ligustrum vulgare、Amygdalus persica の4種)を二酸化炭素を吸収する石灰と同封して育てたところ葉がすべて落ちてしまったことから、植物は二酸化炭素が無いと生きていけないことを発見した。さらに、有機物と酸素の総重量が植物が取り込んだ二酸化炭素の重量よりも大きいことも発見、光合成には水が必要であるとし、以下の式を導いた。(当時はまだ化学式が使われていなかったため言葉の式となっている)
二酸化炭素 + 水 → 植物の成長 + 酸素
1842年には、ドイツの物理学者ユリウス・ロベルト・フォン・マイヤーによって、光合成は「光エネルギーを化学エネルギーに変換している」ことがつきとめられた。
1862年、ドイツの植物生理学者ユリウス・フォン・ザックスは、葉緑体を顕微鏡で見たときに現れる白い粒は取り込まれた二酸化炭素に関係があるのではないかと考えた。彼は当時既に知られていたヨウ素デンプン反応を参考に、日光に十分当てた葉にヨウ素液をつけた。すると葉は紫色に変色した。この結果から彼は「植物は日光が当たると二酸化炭素を取り込んで葉緑体の中でデンプンを作り、それを使って生きている」ことを発見したのである。
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 1648年にフランドルの医師であるヤン・ファン・ヘルモントが見つけた「鉢植えのヤナギに水だけを与えて成長させる」基本的現象が最初の植物の生命作用の発見者であったが、その現象が、1862年ドイツの植物生理学者ユリウス・フォン・ザックスによって現在、私たちの教科書に載っている「植物は日光が当たると二酸化炭素を取り込んで葉緑体の中でデンプンを作り、それを使って生きている」と理解できるまで、200年以上かかっている。現象の意味がわかるまでには相当な時間がかかるのである。
 光合成自体もわかっていないことの方が多い。

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光合成の分類
光合成とは狭義には『緑色植物の行なう酸素発生型光合成』を指すが、広義には『光合成細菌の行なう酸素非発生型光合成』を含める。さらに広い定義では高度好塩古細菌の行うレチナールを使った光エネルギー変換(ロドプシン型光合成)を含めることもある。光合成を行なう生物群およびその光合成の種類について以下に記す。
酸素発生型光合成(特記したもの以外は真核生物)
緑色植物
紅色植物
灰色植物
クリプト植物
ハプト植物
不等毛植物
渦鞭毛植物
ユーグレナ植物
クロララクニオン植物
藍色植物(真正細菌)
酸素非発生型光合成(全て真正細菌)
緑色硫黄細菌
紅色硫黄細菌
紅色非硫黄細菌
緑色非硫黄細菌
好気性光合成細菌
ヘリオバクテリア
ロドプシン型(特記したもの以外は古細菌)
高度好塩菌
Marine group II
SAR11(真正細菌)
酸素発生型光合成は全ての生物にわたって反応中心、電子伝達系などの相同性が高い。唯一集光色素のみがかなり異なっておりカロテノイドではβ-カロテン、クロロフィルではクロロフィルaのみが共通に存在している。酸素非発生型光合成は系統樹上極めて古く、光化学系を一つしか有していない。緑色硫黄細菌の光化学系は光化学系Iと相同性が高く、紅色細菌の光化学系は光化学系IIと相同性が高い。
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 光合成は現在では細菌類まで広がっている現象で、現象の境界も曖昧になっている。研究とはこうしたものである。
 (追記)OPENブログさんは、STAP細胞はないとしながら、意味がわからない現象が今回の実験で生じていて、それを既知の事実に合わせようとしたために錯誤が生じたと述べている。
 細胞事件の真犯人http://openblog.meblogbiz/article/22813112.html#moreSTAP
 全部のことが確実でわかっているのなら、大学や研究などもう必要ない。人間の文明、いやもう人間の存在する意味もない。我が同胞たちよ、正気(せいき)を取り戻してほしい!!


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