タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

  <タイトルは「庭仕事」ですが、残日録には他の分野も含まれています>

亡き友の思い出とともに書架に残る岩波『漱石全集』全16巻

2017年01月24日 | 行住坐臥

 今年は松の内を過ぎてもに親友のN君から年賀状が届かなかった。そうこうして寒に入り、奥方から寒中見舞いで「昨年夏に他界」を知らされた。

 数年前に胃癌の手術を受けたと便りがあり、術後の経過を気にかけていたが、私も病院通いで、遠くまで見舞いに出かけることは叶わなかった。酒もタバコもやらず、読書と音楽鑑賞が趣味で、温厚篤実、真面目そのもののN君が、何事につけ杜撰な私より先に逝くなんて、神も仏も在るものか。

 昭和 40 12 月9日、第1巻初版発行の『漱石全集』全 16 巻は、当時訳あって手元不如意だった私のために、彼が二人分の予約を申し込み、購入してくれた思い出の全集である。定価は1巻千貳百圓、全 16 巻で壱萬九千貳百圓。初任給壱萬貳千圓の時代の価格である。

 いま、第1巻を手にし、在りし日の面影を偲び、安らかな眠りを願うことしかできない私を許し給え。やがて共にあらん。

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 稀勢の里が千秋楽結びの一番... | トップ | 暴風雪一過、朝日を浴びて餌... »

行住坐臥」カテゴリの最新記事