台湾台中おせっかい日記

2001年に台湾の台中へやってきた日本人女性が、好奇心丸出しで探した台湾グルメ、文化、風景をつづります。

嘉義公園で見かけた八家将

2013年02月22日 | 台湾の生活

先日、嘉義公園を訪れた際、忠烈祠門のところで八家将の撮影をしていました。

「八家将」とは、もともと中国の福建省や広東省あたりの民間信仰(城隍廟系統)の刑罰を担当する将軍たちです。
今でいう、警察、検察、裁判所、刑務官ってところでしょうか。
神様がお出かけの時の護衛と、その道中の悪霊の駆除、ほかには、城下の罪人の拿捕が主な役割です。

八家将ということで、8名の将軍がいますが、彼らは神格が低いので、廟の中などで祀られることはありません。
では、どういったところで見かけるかと言えば、廟が主催する神事や、神様の遊行の時です。

この八家将は、嘉義、台南、高雄のエリアが最も多く、廟に所属しているグループ、様々な廟からの依頼を受けて出張していくグループに分かれます。最近では、伝統芸能として、催事の際にショーのように出てくるグループもいます。

この日は、その中の4位(四大帝君)のみの撮影でした。


春大神:青い服。何将軍。臉譜は龍面(蓮花面),生前罪を犯して捕まった魂の罪を自覚させる。アイテムは「花籃」。

夏大神:紅い服。張将軍。臉譜は龜面(梅),生前罪を犯して捕まった魂に罪名を烙印する。アイテムは「火盆」。

秋大神:白い服,徐将軍。臉譜は鳥面(竹),生前罪を犯して捕まった魂を敲いたり拷問する。アイテムは「金瓜鎚」。

冬大神:(濃い緑の場合もあり)い服,曹将軍。臉譜は虎面(菊),生前罪を犯して捕まった魂を脅したり拷問する。アイテムは「蛇杖」。

★アイテム=刑具(法器)

   

   

ほかの4位(四大将軍)は、

  

甘爺:甘將軍。罪を犯した魂の刑罰を決める。昼担当。

柳爺:柳將軍、罪を犯した魂の刑罰を決める。夜担当。

この2位が八家将のリーダー。この世で生きる人間たちを日夜監督し、罪をおかしているかどうかをチェック。罪を犯していた人間が死んで魂となったとき、部下の七爺&八爺を派遣し、捕縛するように命じます。

 

  

謝爺:謝將軍、七爺とも呼ばれ、背が高い。罪を犯して死んだ魂を捕縛する。「一見大吉」と書かれた冠。

范爺:范將軍、八爺とも呼ばれ、背が低い。罪を犯して死んだ魂を捕縛する。「善悪分明」と書かれた冠。

この七爺(チーイエ)、八爺(パーイエ)は2位セットで、神様の遊行(パレード)の際に、先頭を歩きます。
被り物で出てくることも多々あります。

以前は、八家将のイメージが悪かった(学校を中退したり、不登校の青少年が多く参加。飲酒喫煙などが横行したり、小遣い稼ぎのための演技とも言われていました)のですが、現在は、伝統芸能として、所作や様式をきちんと訓練する専門の集団としての位置づけになり、台湾を代表する文化になりました。

もしどこかで見かけることがありましたら、一人一人の役どころが違うところを見てみると、それなりに面白いですよ。


2013年 台中ランタンフェスティバル ~文心公園~

2013年02月19日 | お知らせ

昨夜、2/18から、台中のランタンフェスティバル(元宵節)が始まりました。
今年の目玉は、何と言っても、『霊蛇護珠』というタイトルのメインランタン。



珠寶を守るようにぐるっと回って上に登っていきます。ジェットコースターにつかうようなレールの上をゆっくり上って、しばらく停止。その後、暗くしてから、そっと下りていき、次にスタンバイ。1時間に1回、ゆっくりと登っていく姿が見られます。


夜7時に開会。数日前から、何度も試運転していた霊蛇、今夜はうまく登っていきました。
実は、昨夜の最終試運転の時、途中で止まってしまって、それをテレビのニュースで報道されてしまったんです。他人事ながら心配して見守っていましたが、本番は大丈夫でした。

期間は、3/3まで。土日の夜はステージで様々なショーがあります。周囲のエリアでも、毎日、何らからのイベントがあり、小吃屋台もたくさん出ていて、にぎやかです。




会場には、様々な企業や大学、国から出品された作品も多くあります。
中国の4つの省からのランタン。中国文化の色合い濃い作品が多かったです。


四川省の作品。像が大きな壺を載せて行進する様子は、平安吉祥をイメージするものだそうです。象なので、タイかと思ったら、意外でした。

ランタン回廊にもたくさんの作品があります。


白蛇オブジェは文心路からも見える場所にあり、けっこう目立ちます。


国立台中技術大学の作品。この時、まだ未完成らしく、大勢の学生が仕上げに取り掛かっていました。


玄武の親子。やたらと首が長いのですが、玄武は亀と蛇のハーフだからでしょうか。


「愛情女神女媧」 幸福の女神が愛情のエネルギーをアーチにしている様子だそうです。


メイン入口から劇場へ続く恒例のランタントンネル。今年はもちろん蛇模様。


2/24の元宵節の夜のオープニングイベントは、日本の鳥取の太鼓ショーです。
綺麗な満月が見られるといいですね。


これは、今年から台中市内を走る予定のBRT(Bus Rapid Transit)。
新交通システム(地下鉄やモノレール)の1/25のコストで運営できるそうで、市内のどうろに専用の道、標識を作り、3~6分に1本という形で走らせる予定。外見もバスとは違う斬新な感じになるそうです。これも楽しみですね。

台中はまだお天気の良い日が続きます。土日は会場が大変混雑しますが、平日の夜なら、ゆっくり作品を見て回ることができます。ぜひ、『霊蛇護珠』見に来てくださいね。

 



 

 

 


嘉義公園  ③  日射塔 

2013年02月16日 | 台湾のおでかけ&観光地 ホテル

戦後、旧嘉義神社後には、忠烈祠が建てられ、1990年代にその忠烈祠が損壊。その後、新しく嘉義のシンボルとして、日射塔が建てられました。阿里山の神木をイメージして、天高くそびえる塔。原住民の射日伝説や嘉義市付近に北回帰線が通ることから、太陽の軌跡をイメージさせるようです。


高さ62m、1階部分は忠烈祠で、外階段を上がると日射塔の入口があります。
内部は空洞で、最上部へはエレベーターで上がります。(50元)。私が行ったとき、エレベーターの調子が悪いので、この日はパス。最上部からは。嘉義市が一望できるそうです。


エントランスホールには、オブジェがあり、この日は作品展が開催されていました。

気になるのは、この足元に忠烈祠があることです。
英霊の上に土足で上がっていいのかどうかと、、、。

日射塔を出て、今度は参道ではなく、緩い斜面を下るように北側にある歩道をすすみます。


ここには昔、何か建物があって、損壊後はそのままになったのでしょう。無理矢理壊されたというよりは、焼失したか、何かで台座部分だけ残っているようです。虚空の台座が何か語りかけてくるようでもあります。

市民が散歩したり、スポーツを楽しむ公園部分もかなりの広さです。


中国風の門や回廊があったり、、


森林浴できそうな林間歩道があったり、、、、


子供達の遊具広場があったり、、、、

真中には、突如大きな中国風の建物があり、これが嘉義の孔子廟です。


一般的に孔子廟は大門や牆壁にぐるりと周囲を囲まれているところがほとんどですが、ここは公園の中に、風景の一部として存在します。
もともとの日本時代の公園設計にはなかったので、これだけ大きな建物を建てる場所もなかったのでしょうか。

全体的に嘉義公園は、日本時代に作られたものを、時代に合わせて、変化させて利用しているものが多く、まったく新しい整備された公園というよりは、田舎の家に帰ったときのような、なんとも懐かしい、温かみのある雰囲気に包まれた気分になります。

この公園内には、きっと無数の過去に繋がるタイムトンネルが存在するに違いありません。目には見えないけれど、どこからともなく、100年前の人々の熱気を帯びた話し声や闊歩する音が聞こえてくるのです。1人ぽつんと立っていると、ふと過去に引き込まれていくような、でもけっして怖い感じはしないのです。あなたもきっと同じ体験ができると思います。

嘉義公園 ③終わり。

 

 


嘉義公園②  嘉義市史跡資料館等

2013年02月15日 | 台湾のおでかけ&観光地 ホテル

忠烈祠の大門をくぐって中へ進むと、ここも道の両脇に樹が並び、左側には、手水舎があり、まさに日本の神社の参道。


狛犬も対になっています。(片方のは撮り損なってボツ)。



祭器庫。たぶん、中は何もないのでしょう。でも建物として保存してあることがすごいです。

このあたり、旧神社の付属施設として大雑把にしか説明してありません。

右側には、古い日本風の門と塀があり、そこが「嘉義市史跡資料館」です。
ここは、旧嘉義神社の齋館と社務所。
齋館の入り口が、そのまま資料館の入り口になります。


月曜日はお休みです。内部へは靴を脱いであがります。スリッパはそんなに多くないので、気になる方は、簡易スリッパか替えの靴下を持参されるといいでしょう。導覧は中国語のみです。




旧社務所玄関前。この日は、撮影している人たちもいました。台湾の伝統文化を受け継ぐ彼らの背景にふさわしい建物という意味合いで選ばれたのでしょうか。


中にあり嘉義市の史跡資料も内容も見ものですが、ここは、建物自体、ここまで保存状態が良いことが見所です。瓦も、ほぼ当時もものだそうです。内部は、阿里山の檜をふんだんに使っています。


内部の部屋などは、まさに日本。






台湾の鉄道の歴史などを説明したパネル。


嘉義市の歴史。


市民から提供された古い写真など。
日本時代のものも多くあります。

ほかにも多くの資料が展示されているので、見どころも多いです。
阿里山鉄道の資料もあります。

前庭は、ごちゃごちゃともののない、すっきりしたスペースで、老樹が静かに木陰を作っています。
ここも、そういう意味では、100年前の空気に包まれているような感じがします。

 

台湾の固有種の落葉樹と説明板に書いてあります。
私が訪れたのは、10月末だったせいか、はらはらと色づいた葉が舞い落ちて、秋の午後のやわらかな日差しが、一層ノスタルジーに感じさせました。

嘉義公園③へ続く



 

 

 


嘉義公園①

2013年02月13日 | 台湾のおでかけ&観光地 ホテル

嘉義公園には、市立野球場、、植物園、孔子廟、史蹟資料館、射日塔などがあり、面積は、268000㎡(東京ドーム6個弱)の広さがあります。
嘉義市民の憩いの場であり、イベントや各種スポーツの退会が行われる場です。

この公園、少し小高い丘の中腹に沿って広がっています。日射塔に向かって緩い坂が続きます。
入口にあたる啓明路と中山路の交わるところの入口、中山路方面をセピア色で撮ってみました。


少しここの位置が高くなっているのがわかりますか?ここをまっすぐ西に進むと、嘉義駅があります。右にあるビルなどを消せば、100年前にタイムスリップしたような錯覚を起こします。

ここには、20世紀初頭の日本時代、嘉義神社を中心とした公園でした。中山路はいわば表参道ですね。台北も中山北路は、台北神社(現:台北圓山大飯店)への表参道でした。

では、公園の中へ入ってみましょう。

中山路はこの公園の入口で終わります。引き続きまっすぐ公園内の道を進みます。
ここをまっすぐ行った先に、昔は嘉義神社がありました。現在は、日射塔が嘉義市のシンボルとして建っています。

入口には、いつのころからか、アイス屋のおじちゃんが店を出しています。

毎朝自宅で作ってくる、あっさりとしたジェラートのようなアイス。


1個20元。これはイチゴ味。この日はほかに芋頭(タロイモ)味がありました。
「今日の商売どう?」と尋ねたら、「今日はお天気もいいし、まあまあだね。」と。


公園の南側には、市立野球場。以前、嘉義を本拠地としたプロ野球チームがあって、日本からもプロ野球の選手がコーチ兼選手で来ていたこともありました。
2013年度の今、台湾の職業野球チームは4つになり、嘉義に本拠地のあるチームはありません。(台中にもなくなりました)


東北エリアには公園と森が広がります。呉鳳様の像が飾られている場所もあります。


更に日射塔に向かって進むと道も参道らしくなり、石段と石燈籠が見えてきます。


狛犬や燈籠が並ぶ道。奥に見える門は、かつて大鳥居があった場所でしょう。

大正13年(1922年)に現在の雲林県の虎尾の人が奉納したと彫ってあります。


ほとんど壊されたり、何か細工をされた形跡のない見事な燈籠です。いろいろな時代の中、このような形で残されてきたことに、嘉義の人々の思いを感じます。
このような石灯籠が数基、何対も道沿いに並んでいます。

このあたりから、公園のざわめきもいつの間にか聞こえなくなり、神聖な雰囲気に包まれていく感じがします。ここに来るとそう感じる人が多いようですね。台北ナビの嘉義公園のレポートにも同様のことが書いてあり、思わず「あなたも感じたの?」とつぶやいてしまいました。
これは、来てみた人じゃないと感じられない独特の空間。もしかしたら、このあたりに異次元トンネルがあって、そこから100年前の嘉義に暮らした人々の声が聞こえてくるのかもしれません。


この石段の上にある門は、嘉義神社を忠烈祠に建て替えたときに大鳥居をこのような中国式の門にしたものです。1994年に建物が壊れたので、日射塔に建て替えられたので、門だけ残りました。現在、忠烈祠は日射塔の1階部分に再建されています。

嘉義公園②へ続く

 

 


豆花伯~台中 鐘文能伯伯~

2013年02月09日 | 台湾のスィーツ

いつだったか、夜9時ごろ、自宅マンションの前でお隣りさんが屋台の豆花を買っていて、通りがかった私に「食べますか?」と聞いてきました。

屋台の中の豆花の入った桶を覗き込むと、真っ白で滑らかそうな豆腐が、ぷるんと光っていました。豆花好きの私は、即座に、「一個ください。」と注文。

お隣のご主人が、「我要請您吃」と言って一緒に支払ってくれました。ありがたくいただくことに。台湾にいて、食べ物屋さんあたりで知り合いに合うと、「一緒に食べますか?」とよく聞かれます。「今お腹がいっぱいなんでいいですよ。」と断ることもありますが、興味があると、その人のおすすめをいただいてみることもあります。
そのときも、こんな感じで、ご相伴にあずかりました。



柔らかく茹でられた花生(ピーナッツ)がたっぷりのった黒蜜味。しょうが汁もいれてもらいます。


1碗35元。メニューは、この花生豆花のみ。冷たいのと温かい2種類。しょうが汁は希望するといれてくれます。つるんと滑らかな豆腐、甘味を抑えた黒蜜スープ。そこにショウガ汁のピリッとした辛さと、ピーナッツのコクがたまりません。

早めの夕食とった日や、テレビのグルメ番組を見たりすると、無性に何か食べたくなることがあります。かと言って、買いに行くのも面倒だし、コンビニやファストフード、ピザが食べたいわけじゃなくて、なにかあっさりしていて、のど越しのいいもの。そしてスィーツなら更に良し。
ということで、豆花は宵吃(夜食)としても人気があります。

でも家の近所には豆花屋がないので、バイクで買いにいくしかない、、、。コンビニのものは、昼間ならいいけど、夜食べるには、何か物足りないという私の豆花のこだわり。
お気に入りは忠孝夜市の蔡家豆花だけど、バイクで片道20分。気合い入れないといけない場所。

そんな時は、この豆花伯の携帯に電話。

私:「今どこにいますか?」
豆花伯:「五権西路と大墩路交差点付近だよ」
私:「向上路と大墩路まで来れますか?」
豆花伯:「10分後に行くよ。」
私:「待ってます。」

ということで、10分後、マンションを出て交差点を見ると、押し寄せる車やバイクの流の横に、豆花伯の自転車屋台がゆっくりとやってくるのが見えます。思わず手を振ると、ゆっくり手を振りかえしてくれます。

到着。さっそく3個注文。

そこに、この交差点にあるHTCのお店の店長が店じまいして帰宅するところを通りかかったので、「食べる?」と聞くと、彼も興味津々。すぐHTCのスマホで写真を撮り、奥さんに電話。奥さんも食べるといったようで、2個注文。もちろん私は、「我要請您~」と言います。


そのうち、周りに人が集まってきて、みな豆花の入った桶を覗き込み注文。ここで10個くらい注文がありました。
案外いい商売だなあ、、と、その夜、主人と「夜泣きラーメンの移動屋台でもやるか、、」と話し合っていました。

こうやって、ブログやFBで紹介されてお客さんが増えてきたんだそうです。
移動範囲は、南北には南屯路あたりから大業路あたり、東西には精明路から文心路あたりでしょうか。

たま~に食べたくなるとき、電話がつながって近くにいてくれると、とっても幸せな気分。
これからもがんばって続けてほしいです。

さすがに今夜は春節前の除夕なんで、お休みでしょうけど。

豆花伯(鍾文能先生)  0956-156186