先日、嘉義公園を訪れた際、忠烈祠門のところで八家将の撮影をしていました。
「八家将」とは、もともと中国の福建省や広東省あたりの民間信仰(城隍廟系統)の刑罰を担当する将軍たちです。
今でいう、警察、検察、裁判所、刑務官ってところでしょうか。
神様がお出かけの時の護衛と、その道中の悪霊の駆除、ほかには、城下の罪人の拿捕が主な役割です。
八家将ということで、8名の将軍がいますが、彼らは神格が低いので、廟の中などで祀られることはありません。
では、どういったところで見かけるかと言えば、廟が主催する神事や、神様の遊行の時です。
この八家将は、嘉義、台南、高雄のエリアが最も多く、廟に所属しているグループ、様々な廟からの依頼を受けて出張していくグループに分かれます。最近では、伝統芸能として、催事の際にショーのように出てくるグループもいます。
この日は、その中の4位(四大帝君)のみの撮影でした。
春大神:青い服。何将軍。臉譜は龍面(蓮花面),生前罪を犯して捕まった魂の罪を自覚させる。アイテムは「花籃」。
夏大神:紅い服。張将軍。臉譜は龜面(梅),生前罪を犯して捕まった魂に罪名を烙印する。アイテムは「火盆」。
秋大神:白い服,徐将軍。臉譜は鳥面(竹),生前罪を犯して捕まった魂を敲いたり拷問する。アイテムは「金瓜鎚」。
冬大神:(濃い緑の場合もあり)い服,曹将軍。臉譜は虎面(菊),生前罪を犯して捕まった魂を脅したり拷問する。アイテムは「蛇杖」。
★アイテム=刑具(法器)
ほかの4位(四大将軍)は、
甘爺:甘將軍。罪を犯した魂の刑罰を決める。昼担当。
柳爺:柳將軍、罪を犯した魂の刑罰を決める。夜担当。
この2位が八家将のリーダー。この世で生きる人間たちを日夜監督し、罪をおかしているかどうかをチェック。罪を犯していた人間が死んで魂となったとき、部下の七爺&八爺を派遣し、捕縛するように命じます。
謝爺:謝將軍、七爺とも呼ばれ、背が高い。罪を犯して死んだ魂を捕縛する。「一見大吉」と書かれた冠。
范爺:范將軍、八爺とも呼ばれ、背が低い。罪を犯して死んだ魂を捕縛する。「善悪分明」と書かれた冠。
この七爺(チーイエ)、八爺(パーイエ)は2位セットで、神様の遊行(パレード)の際に、先頭を歩きます。
被り物で出てくることも多々あります。
以前は、八家将のイメージが悪かった(学校を中退したり、不登校の青少年が多く参加。飲酒喫煙などが横行したり、小遣い稼ぎのための演技とも言われていました)のですが、現在は、伝統芸能として、所作や様式をきちんと訓練する専門の集団としての位置づけになり、台湾を代表する文化になりました。
もしどこかで見かけることがありましたら、一人一人の役どころが違うところを見てみると、それなりに面白いですよ。