...を見てきました。
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監督が監督ですから...
堤幸彦監督は「SPEC」「TRICK」の人なので、普通の作品になるはずがない。それだけは妙に確信できていて、安心して劇場に出かけた。
・・・確信に誤りなしである。
ストーリーについては一切書かないことにする。ちょっとでも書こうものなら、これから見る人に迷惑をかけるから。メインの3人ついて感想をまとめよう。
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猿飛佐助:中村勘九郎さん
佐助は真田幸村を天下一の武将に仕立て上げることを企む、十勇士の中心的存在。「嘘も突き通せば本当になる」よう、大きな嘘(軍略)を作り上げていく。
勘九郎さんは、体つき、顔つき、芝居。。。意図的だとは思うけど、「The 歌舞伎役者」という感じ。佐助を演じている勘九郎さんは、見ていて楽しい。やはり生まれながらの歌舞伎役者である。
「のぼうの城」を見た時に感じたことだが、成田長親役・野村萬斎さんだけが居住まいが異なり、それがキャラクターを際立たせていた。歌舞伎役者であることを前提に見ているからかもしれないが、本作の勘九郎さんもそうである。
霧隠才蔵:松坂桃李さん
クールな才蔵。怒りを覚えた時の顔は怖い。ただ、それらは才蔵の一面である。佐助との掛け合いで出てくる、やんちゃ坊主のような顔も才蔵。多面的なキャラクターなのだ。
本作は2014年に舞台上演された作品の映画化である。この時も、佐助と才蔵を二人が演じている。
火垂(ほたる):大島優子さん
佐助と才蔵の幼なじみのくのいちで、才蔵に思いを寄せている。
・・・これ以上書くと、ネタバレになるのでSTOPする。
大島さんはAKB卒業前から堤監督とはご縁がある。「SPEC」のスペシャルドラマ・劇場版、TVドラマ「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」がそうだ。いわゆるアイドルっぽいキャラクターではなく、ちょっと癖のある役柄に仕立ててもらっている。本作では、かなりアクションシーンが多かった。アクションも含めて、彼女はお芝居向きかもしれない。
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NHK大河ドラマ「真田丸」での関ヶ原の描き方が、「あっさり」「わずか数分」だったことが話題になっていたが、本作の大坂冬の陣、夏の陣の描き方はかなりのものだ。合戦のシーンで、所々に入るスローモーションが入る。ああ、堤監督の作品だなと感じた。
映画のCMでも取り上げられているが、すべてが「ラストのどんでん返し」への導入部分である。夏の陣・大坂城落城に至るものがたりを、どのようにまとめるか興味を持っていた。こう来るかと思った。
全体として、遊び心満載、コメディーの様相もふんだんにある、それでいて泣かせるところもある娯楽時代劇だ。
・・・おすすめである。