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「暑い」をめぐる誤解

2017-09-12 11:37:38 | 社会・政治
夏という季節に我々はついつい「暑い」と言って団扇で扇いだりタオルやハンカチで汗を拭うのであるが、我々にとっての「暑い」とはなんだろうか。

我々が感じる「暑い」というのは往々にして「蒸し暑い」という状況を指している場合が多い。
夏場に使われる言葉で「不快指数」というのがあるが、これは本来「温度が高い時に汗をかいて気化熱で体を冷やす仕組みが、湿度の高さ故にその機能が阻害される」ことで人が不快に感じる度合いを表す数字である。逆に温度は高いが湿度は充分に低いという状況下では人は「蒸し暑さ」を感じず、従って汗もかかず、快適に過ごすことができる。筆者も気温が34度なのに湿度が充分低い為に全く汗をかかず快適だった経験がある。この時に気温が34度なのに筆者は「暑い」という感覚にはならなかったし長袖のシャツで普通にいられたのだ。つまり、人間の「快・不快」にとって大切な数字は温度ではなく湿度であることを示しているのである。

少し前に環境省がクールビズに関連して「エアコン冷房使用時の推奨設定温度は28度」という基準を発表した。これなどは本当に馬鹿なことで、室内温度が28度であっても日本の夏は湿度が高く、しかも室内で多くの人間が働いていればますます湿度は上昇する。そうした高湿度の環境下での28度という温度設定は人間には相当きついものとなる。クールビズどころか「湿気耐久ビズ」になってしまう。
しかも後になってこの28度設定自体が環境省の役人によって「なんとなく」設定された数字であることも判明した。何の知識もない低能な役人が勝手な思い込みで28度に決めたのだ。役人がいかに無責任で無神経で阿呆な連中かを示す証拠である。
実際、これが発表された当時は「環境省が言ってるのだから」ということで各企業でエアコンを28度設定で使っていたそうだが、オフィスで仕事していた人々にとっては地獄の不快さであっただろう。

テレビの天気予報・気象情報でも解説する気象予報士が暑さを「気温との関係」で説明することが多いがこれも多くの場合は適切とは言えず、実は「湿度との関係」で「暑さ」を語るべきなのはもうお判りであろう。

結局人間にとっての「暑い」は、「蒸し暑いことによる不快」・・・ということなのであり、そのキーポイントは「温度」ではなくて「湿度」である。
人は暑さ(蒸し暑さ)を感じる時にそれを除去しようとエアコンを作動させるのだが、それは「温度を下げる」事よりもむしろ「湿度を下げる」ことを目的としているのであり、そこが重要なのである。






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