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イギリス、EU離脱へ

2016-06-24 21:56:16 | 政治経済
いやぁ、まさかのまさかで、離脱派が勝利。

元々離脱残留が拮抗しているとは言われてましたが、
それでも大方の予想というか希望は残留派が勝つこと。

離脱決定とはいえ、これから離脱に向けてのプロセスが始まるわけで
明日とか明後日とか、あるいは年内とかにEUから外れるわけではないが、
私的にはこれを「EUからの離脱」だけでなく「イギリスの崩壊の始まり」と読む。

これがEUや西側諸国や日本にとってどういう影響を及ぼすのかは置いといて
イギリス本国について考えてみたい。

まず、真っ先に気になったのが、一昨年のスコットランド独立を問う国民投票。
これは独立派敗北で分裂は避けられたのだが、今回の国民投票で当初から
EU残留希望が多いと言われ、実際にそうだったのがスコットランド。
全域にわたって残留派が離脱派を圧倒した。

早くもスコットランド独立に向けて再度国民投票を行うべきとの声が。

そもそもイギリスは「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」で
本島はイングランド、ウェールズ、スコットランドの「3か国」からなる。

イングランドがウェールズを飲み込み、18世紀にスコットランドと合併し、
グレートブリテンになった。

アイルランドはもともとイングランド支配下にあったが、
19世紀初頭にグレートブリテンに正式に併合され、
「グレートブリテン及びアイルランド連合王国」となったものの、
その後、20世紀に入って独立運動というか独立戦争が起こり、
イギリスに残るとした北アイルランドとアイルランドに分裂。

北アイルランドがイギリスに残ったため、現在の正式国名が
「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」となった。

今回EU離脱を契機にスコットランドがイギリスから分離独立する動きが出れば、
北アイルランドをイギリスから切り離し、アイルランドに併合しようという動きも
復活する可能性がある。

そも、アイルランドはEU加盟国であり、北アイルランドがイギリスよりEUを
選ぶとすれば、というか北アイルラドのEU残留派が動きを強める可能性がある。

実際の離脱までには、2年かかると言われており、
その間に分離独立の動きが出てもおかしくない。

以前ここでも半分冗談で書いたスコットランドの抜けたイギリス国旗の可能性を
笑い飛ばすわけにはいかなくなった。
それどころか、下手すればイギリス国旗はイングランド国旗になりかねない。

EU離脱派は、移民や労働者の流入、EU賦課金などはなくなるが、
イギリスとEUの経済的な結びつきは変わらず、関税優遇措置などは
離脱前とさほど変わらないと思っているようだが、まったくもって甘い。

更なる離脱、EUの分裂を防ぐためには加盟国の結束を強める必要があり、
EU加盟国同士の優遇措置をそのままEU外の国に適用するはずがない、

つまり、EU加盟国と非加盟国を同列に扱うはずがないというか、扱えないはず。

とりわけ離脱国に対しては制裁的とも思えるような制限を盛り込めなければ、
EU自身が自壊の道を歩むことになりかねない。

それに対してアメリカ、日本などEU残留を強く希望していた国々が
イギリスに有利になるようEUに働きかけられるわけはなく、
良くて静観するしかない。

どう考えても今後の交渉はイギリス不利で、国際社会の舞台でもイギリスの
存在感、発言力は減少する。

良いことがあるとすれば、ポンド下落でイギリス製品が安く買えるとか、
イギリスへの旅行が安くなることくらいかも。

いずれにせよ、今後の動きに注目。
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