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フィリピンのSMインベスト、中国のモール建設推進、17年までに3ケ所

2015年11月30日 17時01分23秒 | thinklive

マニラ】中国経済の失速で一部の外国投資家は逃げ出したが、フィリピンで最も裕福な実業家ヘンリー・シー(施至成)氏は違う。自分の生まれ故郷の中国にさらにショッピングモールを建築する計画を進めている。

 今年90歳のシー氏は約80年前に中国を後にし、フィリピンで小売業から金融業まで多角的に事業を展開する企業グループ、SMインベストメンツを築き上げた。同氏は中国の消費者に的を絞り投資を拡大している。

 SMインベストメンツは中国に既に巨大モールを6カ所建設しているが、17年までに3カ所を新設する予定だ。SMによると天津市の新たなプロジェクトの1つは来年オープンすれば世界最大の独立モールとなる見通し。

 フィリピン国内のライバルである同国最大級のデベロッパー、アヤラや ビールメーカー、サンミゲルなどが東南アジアに注力するなかで、SMは中国に照準を合わせている。シー氏一族の経営するSMは、中国で台頭する中流層を取り込むノウハウがあり、それを生かせると考えている。SMが小売りで圧倒的な存在感をみせるフィリピンよりも中国で高いリターンを追求する狙いだ。

 SMは、中国の競合の一部と比べれば規模では取るに足りない。SMグループの14年売上高は77億ドル(9452億円)で、中国の複合企業、大連万達集団(ワンダ・グループ)の391億ドルに比べると少ない。王健林会長率いるワンダは消費意欲の落ち込みを背景に店舗を閉鎖するなか、SMは中国の地方都市に新たにモールを建設するため年間4億5000万ドルを投じる予定だ。


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