佐川急便を傘下に持つSGHDが株式上場を検討していることが20日わかった。東京証券取引所に上場申請する準備を進めているとみられ、早ければ年内にも上場する。上場で得た資金はIT(情報技術)投資やM&A(合併・買収)に充て、国内外で成長を目指す。
主幹事証券会社には三菱UFJモルガン・スタンレー証券と大和証券を選んだもようだ。上場時の時価総額は3000億円規模に達するとの見方もある。
同社は19年3月期の連結売上高を16年3月期比6%増の1兆円、営業利益を同15%増の620億円にする目標を掲げる。国内の物流事業は人手不足で経営環境が厳しくなっており、上場による資金調達で省力化のIT投資を拡大する。海外事業を強化するためにアジア企業のM&Aにも取り組む考えだ。
SGHDは昨年、日立物流株の29%を取得。日立物流には佐川急便株の20%を売却して資本業務提携した。2~3年後の経営統合も視野に入れている。上場によってさらなる再編が進む可能性もある。