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自動車部品メーカー,18/3期は海外での生産増順調に推移、企業間シナジーの展開も始まっている!

2017年12月17日 15時21分20秒 | thinklive

 自動車部品・車体メーカーの2018年3月期は、北米や中国での販売が好調で、引き続き連結営業利益が増益基調となる見通しだ。日刊工業新聞社が株式を上場している主要100社の18年3月期業績見通しを集計したところ、売上高予想は前期比0・5%減の31兆7017億円となったものの、営業利益予想は同0・4%増の1兆9454億円となった。為替が円高基調にあるために売り上げを押し下げるものの、北米や中国市場の堅調さが、利益を支える。

 集計は、各社の決算短信の売上高と各利益段階の数値を日本基準、国際会計基準(IFRS)にかかわらず、単純合算した。18年3月期の100社合計の売上高営業利益率は6・1%。前期比0・06ポイント増とわずかに上昇する。

                  


 各社とも北米や中国での受注増を見込む。トヨタ自動車系では、デンソーは売上高が過去最高を更新すると予想。その他収支を除く営業利益も増益を見込んでいる。北米やアジアでの販売量増加が奏功する。アイシン精機も増収増益予想。自動変速機(AT)の販売が前期比12・8%増の980万台に増えるとした。中国や欧米系からの受注が増えているためだ。

 今期からIFRSを適用する豊田自動織機も、カーエアコン用コンプレッサーが北米と中国で新規受注を獲得して増益予想。大西朗社長は、米新政権に関して懸念を示すも「現地生産が進んでおり、成長市場として期待感を持つ」とした。

 ホンダ系シートメーカーのテイ・エステックは、米州での受注台数増で営業利益が同18・2%増の146億円。中国も工場移転に伴う補償金が入り、営業利益が同3・0%増の169億円とみる。

 独立系部品メーカーのリケンの坂場秀博経営企画部長は、増収増益を見込む18年3月期について「米国市場の販売台数が減速傾向にあるものの、まだプラス基調であることには変わりない。海外拠点での売り上げ増や非日系メーカーへの拡販が進む」と見通す。

曙ブレーキ工業は米国工場で発生していた生産混乱の立て直しが進み、北米での17年度中の黒字化にめどが付いた。全社的な営業利益は同89・4%増の80億円を見込む。

中国で能力増強目立つ

                    

自動車部品メーカーの2018年3月期の設備投資は、新車販売が好調な中国やアジアでの新工場建設や能力増強が目立つ。日本では設備の更新投資が中心となるが、一部製品は海外で生産していたものを日本生産に切り替える動きもある。

中国国内への投資や中国市場での受注増加を背景とする投資が活発だ。トヨタ自動車系のアイシン精機は中国を中心に自動変速機の受注が増加している。伊原保守社長は「生産能力を増やしていく投資のピッチに対して、需要があまりにも大きい」と高水準の投資を継続する。中国を含めた総設備投資額は前期比9・5%増の2600億円。豊田自動織機も新モデルへの切り替えのタイミングにより、同54・4%増の1200億円とした。

 ホンダ系の八千代工業は同90・5%増の120億円を投資に充てる。中国でホンダ向けに供給する「サンルーフの生産能力が限界に達した」(山口次郎社長)として能力を増強する。日産自動車系ではパイオラックスが増産投資を予定。独立系では、日本ピストンリングが中国でバルブシートを生産する生産子会社に新ラインを導入する。17年度末における生産能力を15年度比約2・75倍に引き上げ、主要顧客の需要増に対応する。

 中国以外のアジアで生産増強する動きもある。ホンダ系のケーヒンはインドで小型2輪車用電子制御式燃料噴射(FI)システムを19年から生産するのに当たり、ラインを構築。スタンレー電気はタイで発光ダイオード(LED)ヘッドランプの生産ラインを更新する。KYBもインドネシアでショックアブソーバーを自動で生産するラインを18年度中に構築する

 一方、海外から日本へ生産移管するのはNOK。中国・無錫市の工場で生産していた大型防振ゴムなどの生産を鳥取事業場(鳥取県南部町)に移す。同ゴムはほとんどの量が日本市場向けで、輸送費の削減や品質管理の徹底を目指す。7月の鳥取での生産を予定する。

 投資一巡として前期より抑える企業もある。テイ・エステックの井上満夫社長は「今後は、投資の刈り取り期だ」と話す。ユタカ技研の岡本稔社長は「全体の投資は減っても、高機能トルクコンバーターなど新製品の投資は続ける」と方針を示す。

5月には、自動車用プレス部品メーカーの東プレと丸順が資本提携を決め、生産や金型調達などで相互に補完する。豊田合成とダイセルも製品の共同開発を見据え、資本提携に合意した。

 電動化や自動運転など車の新しいステージを迎え、各社はこれまでの延長線上にない協力関係にも目を向けている。×資料、記事は日刊工業新聞、


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