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保育しの給与には官民格差が大きい、公務員保育しは公務員給与があり、賞与も160万程度保証

2016年12月11日 15時57分01秒 | thinklive

保育士の給料は官民格差が大きい。公務員保育士は勤続年数に応じた昇給のほか、水準としても平均的な公務員と同程度の収入が確約される。そのため、公立保育所の保育士採用試験には応募が殺到し、自治体によって倍率は数倍から10倍を超えることも珍しくないようだ。

逆に、なぜ私立保育所の保育士の賃金は低いのか。

園児1人を受け入れるのにかかる1カ月あたりの費用を「保育単価」とし、年齢階層ごとの「保育単価」×「園児数」の積み上げが、保育所の収入となる。在籍する保育士の平均勤続年によって最大12%の加算があるが、基本的には在籍する園児数によって予算額が決まってしまい、経営努力をしても保育所に入ってくる収益を増やせない。これが私立の認可保育所で職員を昇給させることが難しい根本的な理由だ。

 「保育士の給料」はいったいどれだけ安いのか,月給6000円増だけでは働く魅力を増さない,

労働基準法では、所定労働時間に限らず、実質的に事業主の指揮命令を受けていた時間は、全て賃金の発生する労働時間としてカウントされるべきものとしているので、これらの時間の一部も労働時間とカウントできるかもしれない。賃金引き上げだけに限らず、保育士に対する残業代が労働基準法上のルールに基づいて、正しく支払われるようになれば、保育士の年収がおのずと上がる可能性もある。

2014年度に東京都福祉保健局が公表した「東京都保育士実態調査報告書」にも注目したい。報告書内に示されている統計データの1つで、都内で就業中の保育士8214名から有効回答を得たアンケートであるが、複数回答可で職場への改善希望点を尋ねたところ、59.0%の方が給与・賞与等の改善を求めたのに続き、職員数の増員を40.4%、事務・雑務の軽減を34.9%、未消化(有給等)休暇の改善を31.5%の方が求めていることが分かった。

そうすると、国の支援策としては、当人の給与を引き上げるだけでなく、保育所が職員の負荷分散のため、雇用者する保育士の数を増やす余力を持てるようにすることも必要であろう。保育士が有給休暇を取得することも踏まえて、代替要員を無理なく確保できるような前提条件を充分に検討してもいいだろう。

最後に補足だが、非常勤保育士の待遇改善も課題である。待遇が良いとされる公立保育所においても、非常勤職員として採用された場合は、時給ベースでの賃金となり、フルタイムに近い形態で勤務したとしても年収は200万~300万円程度にしかならない。「同一労働同一賃金」の推進が政府の大きな方針にある以上、同じ保育士という仕事をしていても、正社員であるか非常勤であるかという、採用の入口が違っただけで大きな差が生じてしまう待遇格差についても議論が必要になってくるだろう。

 



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