「死の海」と化した渤海

2006年07月28日 | 支那朝鮮関連
西海(黄海)の向こうに広がる渤海が死んだ海と化している。

 渤海は遼東半島と山東半島に囲まれた中国唯一の内海だ。一時は「魚の宝庫」、「海洋公園」とも呼ばれていた。しかし、天津を中心とする渤海湾地域の経済が急速に発展したことで、渤海は魚さえ住めない巨大な汚染池と化している、と北京青年報が19日報じた。

 中国の国家海洋局が2005年に渤海の汚染状況を調査した結果、渤海の海洋生態系はほぼ壊滅状態に達していた。

 以前はクルマエビ、ハマグリ、ヒラメ、イシモチ、スズキ、イカなどが多く獲れていたものの、今ではこれらの魚種も一切姿を消してしまった。



 天津市塘沽区の水産局漁政課の関係者は「魚の宝庫として有名だった渤海湾海域が、今では魚1匹見られない死の海と化してしまった」と話している。

 汚染海域が2003年以来、引き続き拡大し、悪化の一途をたどっている。海水の水質汚染基準をオーバーしている面積が渤海全体の56%に達している。

 渤海汚染の3大原因は生活用水、工業廃水、農薬・化学肥料だ。天津市海洋局が最近渤海に流れ込む15の汚水を調査した結果、15すべてが汚染基準を超えている。

 このような状況は何も天津市に限ったことではない。遼寧、河北、山東省を含む計105の汚水区を通じて毎年28億トンの汚水と約70万トンの汚染物質が渤海に流れ込んでいる。

 中国政府は2001年から「渤海碧海行動計画」という汚染防止プロジェクトに着手している。にもかかわらず状況が悪化しているのは関連する政府機関の間で権力争いがあるためだ、と環境専門家たちは指摘している。

北京=チョ・ジュンシク特派員

朝鮮日報 Chosunilbo (Japanese Edition)
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/07/20/20060720000044.html


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