『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

映画 『ロック・オブ・エイジズ』

2012-10-11 | Movie(映画):映画ってさ

『ロック・オブ・エイジズ』
"Rock of Ages"
監督:アダム・シャンクマン
脚本:ジャスティン・セロー、クリス・ダリエンツォ、アラン・ローブ
2012年・米


【内容に触れる場合があります】


世の中には、わざわざ映画館に足を運んで見なければいけない映画がある。

だってお家でDVDだったら、この映画を見るという事実がTSUTAYAの店員にしかバレないから、恥ずかしくないでしょ!

それじゃあダメ。


映画館で辺りを見渡し、赤の他人と席を並べ、お互い伏し目がちに、しかし、じっくりと客層を観察する。


うわー、あんたも80年代に、それもニルヴァーナ以前のL.A.メタル全盛時代に青春を送ったんだねぇ・・・。

照明の落ちたシネマ内を飛び交う無言のメッセージ・・・。


ああ、輝かしき、そして暗黒のL.A.メタル全盛期。

あの頃、我々は・・・、

ボーカルの顔がジョン・ボン・ジョビ(最近、年のせいか間違えてボン・ジョン・ボビと言ってしまう)に似ているという事だけで、キャッツ・イン・ブーツという米国人×2人+日本人×2人組の得体の知れぬバンドまでフォローした・・・。

(いや、実際はさすがにそこまではしてない)


ほんで本作。

一応、筋書きとしては、


1、スターを夢見る女の子、シェリー(ジュリアン・ハフ)が長距離バスで大都会ロス・アンジェルスにやってきて、同じくロック・スターを夢見る好青年ドリュー(ディエゴ・ボネータ)に出会う、いわゆるガール・ミーツ・ボーイ的ストーリー。


2、サンセット大通りの人気ライブ・ハウス"バーボン・ルーム"が、市長夫人(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)の圧力で潰されそうになって、オーナーのデニス(アレック・ボールドウィン。大いに太りました)が困っちゃう話。


3、カリスマ・ロックスターのステイシー・ジャックス(トム・クルーズ。マジすか)が実はとっても愛に餓えていて、アル中の常時「酩酊」状態から再生を目指す話。


の3本が同時平行で進んでいく流れなのだが、この際、ストーリーなぞどうでもよろしい。


本作の舞台となる1987年と言えば、ガンズのメジャー・デビュー、エアロスミスのドラッグ中毒からの復帰、そしてデフ・レパードの世界的ヒット・・・要するにあの辺のバンドの全盛期。

(個人的にデフ・レパードはどうでもいい)


劇中で歌われるヒット・チューンの数々が・・・数々がッ。


俺はウォレントの『Heaven』と、ポイズンの『Every Rose Has Its Thorn』が歌われると知った時点で劇場に向かってました。
(一応シティ・ボーイで通してますんで、この事は絶対に内緒でヨロ)


ところが、この2曲は本来バラードなんだけど、ロック・ミュージカルだけあって劇中ではどちらの曲もノリノリにアレンジ。

うう~。


しかも、『Heaven』に至っては、あの頃、世界中が聞き飽きた名曲、エクストリームの『More Than Words』とがっちゃんこ!
(上手にミックスしてあるんだけど・・・ね)


ああ、ウォレントのヴァージョンのまま、っていうかなんならホンマのヴォーカル、ジェイニー・レイン(真ん中の人)の声で聞きたかったなぁ。

ちなみに、ジェイニー・レインはヴォーカルなのに「パフォーマンスが悪い」という理由でウォレントを解雇され、昨年(2011年)、ホテルで遺体となって発見されています。 合掌。



一方、ポイズンの『Every Rose Has Its Thorn』は、C.C.デヴィル(ポイズンのギタリスト。なんつー名前じゃ)の、あの印象的なギターソロを、自宅のプールサイドでトム・クルーズが爪弾くシーンが・・・昔を思い出して【涙】!


しかし、当時のバンド写真を2枚貼っただけで、なんかもう限界を超えるモサさですね。

この後、ニルヴァーナの登場で世の趨勢がグランジへ向かっていったのは、全世界にとって幸運だったのかも新米(しんまい)。



本作の当たり役は、やはり市長夫人パトリシアを演じたキャサリン・ゼタ=ジョーンズか。

10年前、『シカゴ』"Chicago"(米・
2002年)で、俺にブロードウェイ・ミュージカルの魅力を余すところなく教えてくれたゼタが・・・、

 
いつか、山崎蒸留所のウイスキー樽みたいになって帰ってくるであろうことは、初めっから判っていた。  



しかし、最大の見所はやはりトム・クルーズ演じるロックスター、ステイシー・ジャックスの再生を賭けた物語だろう。

過度の成功を得て、イエスマンに囲まれ、自分を見失っているステイシー。

今、ステイシーが「捨石」と変換されたが。

そんなステイシーがローリングストーン誌の女性記者コンスタンス(マリン・アッカーマン)との出会いによって、果たして自身を変えられるのか、変えられないのか・・・。


ん?

あれ?

この女もしかして・・・?


コンスタンス。


C.C.デヴィル(ポイズンのギタリスト)。


なんだ、C.C.、本人出演してたんじゃんッ!!!


おしまい。


(重要な注意事項)

今の僕はお洒落なシティ・ボーイであります。

Prefuse73とシガー・ロスと大川栄策しか聴きません。 

L.A.メタル仲間は一切、募集してません。


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