粋雅堂藏書目録 ―Biblia-Catalogus―

劇団粋雅堂・主宰、神田川雙陽の雑記積み置き場Blogです。

…、あの懐かしい劇場から、こんなにも遠くへ来たよ。」

2011-05-05 02:53:26 | 公演情報
<雑談:東風は降り積もる履歴の隅を縫って>

半年振りの更新です。ぅゎぁ…すいません。
最近は完全にTwitterがネットとの接点になってしまっていて、
基本、告知等があってもそちらに書いてしまうので、
blogなど一顧だにしない日々になってしまっています…。

熱心に時々ここを訪れて下さっている皆様、本当に申し訳ありません。
よろしければTwitterもご覧頂ければ幸いです。

そういえば、前回の記事にすっかり書き忘れてしまったのですが、
私、神田川雙陽、昨年の6月発売のゲームにて
商業の作詞家デビューをさせていただいておりました!
Silver Bulletさんの「こんそめ!~combination somebody~」(R-18注意!)
というゲームの挿入歌なのですが、
一年近く経った今でもなかなか好評頂いているようで、
書き手としては嬉しい限りです。

他にも細々と音響さんの仕事を頂いたり、
入江悠監督のカルト映画に赤褌のエキストラとして出演したり、
バンドで演奏してみたり、裏でこそこそと色々なことをしていましたが
…それはさておき。

久しぶりの粋雅堂の公演も迫ってきたこともあり、
これを期に久しぶりの更新をしてみました。

<本題:2連続公演『CHARLES LUTWEDGE』&『FLAH』>

さて、前回の公演『涼宮ハルヒ対ブギーポップ』から8ヶ月。
その前の『祝祭劇CAILLINAD』からのインターバルが
3ヶ月だったことを考えると、少し久しぶりのご案内となりましたが、
今回はその分、少し大きめの告知ができるかな、と。

なにせ5年ぶりの2連続公演、
そして、初のUSTREAMとセカイカメラを用いた公演です!

「どんな公演だよ、それ」と当然疑問もあるかとは思いますが、
とりあえず詳細は以下に。どうぞご覧下さい。

----------公演情報ここから-----------

劇団粋雅堂 公演集第6巻
USTREAM公演『CHARLES LUTWEDGE』
■作/演出:神田川雙陽
■日時  :2011年6月14日(火) 夜(開演時刻未定)
■主会場 :USTREAM 粋雅堂チャンネル
  (http://www.ustream.tv/channel/suigadou)
■副会場 :シアターKASSAI
     (JR池袋駅東口徒歩5分,東京都豊島区東池袋1-45-2
     http://www.kassaikikaku.co.jp/
■料金  :無料(副会場のみカンパ制)

劇団粋雅堂 公演集第7巻
AR(AugmentedReality)公演『FLAH(フラー)』
■作/演出:神田川雙陽
■日時  :2011年7月~
■会場  :取手市内12カ所(詳細未定)
■料金  :無料

--------------ここまで---------------

今回は(公開の公演としては)じつに5年半ぶりとなる
2次創作以外の演劇作品になります。
(実は、『FLAH』に隠れモチーフとしてある作品の
n次創作を指向しているのですが、
それをおおっぴらに公開するかどうかは、
もう少し、未定のままのつもりです)

まず、1作目の『CHARLES LUTWEDGE』は
旧作品名『チャールズ・ラトウィッジの憂鬱』から数えて
劇団粋雅堂としては初の三演となる、
劇団としてのフェイバリットであり、オリジンとも呼べる作品です。
懐かしく思い出して下さるお客様もいらっしゃるでしょうか?
…さすがにもういないかな(苦笑)
――一人の天才数学者が、長年焦がれ続けた一つの歴史的な難問に挑み、
そしてその果てに観た風景の物語。

私としてはレガシーな作品なので、ごくごくシンプルな物語ですが、
その上に最新の技術と演出を乗せた時、いったい何が起こるのか。
その辺を楽しみにして頂ければと思います。

2作目の『FLAH』は完全新作で、ある郊外の街の12の地点と
「アノ日・イマ・セカイの終わり」の3つの時間にフラグメントされた記憶が
聴き手(=観客)の中で一つの物語として堆積するという、
(演劇としては)若干実験的な作品です。

震災以降、多くの作り手が自分の立つべきスタンスを模索する中で、
「こんなときだからこそ、あえてコッテコテなセカイ系作品を作ろう!」
という気持ちで書いています。

ベタなジュブナイルで、
ベタなラブストーリーで、
ベタなセカイの危機との直面を、
ゼロ年代的な想像力で何重にも、何重にも拗らせた
安心の物語になるかと思います(笑)

そしてまた、今回の2公演は初のUSTREAMと
セカイカメラを用いた公演になります。
理系で工学系で、エンジニア気質でスタッフの演出家が、
最新のアーキテクチャを演劇に援用するとどうなるのか?
という自分に対する疑問の発露として、
ちょっと演劇としては鬼子に過ぎる二作品を考えてみました。

…何よりも、ここ数年来提出され続けている、
「小劇場演劇における「劇場」とは何だろうか?」という問い対し、
我々なりの解答を出来ないだろうか、という試みでもあります。

まずUSTREAM公演『CHARLES LUTWEDGE』は、
最近、多くの公演が中継やアーカイブによる配信等で演劇でも
(まだまだ消極的に)利用され始めている新しいメディアですが、
まだまだUSTREAMというアーキテクチャが演劇にもたらす可能性に関しては
充分に検証されていないように感じます。

ソーシャルであること、カメラアイを持つこと、場所性から解放されること…
追求すべき可能性は無数にありますが、
そのすべてを追いかけることはとても手に余りますし、
今回はそのうちで、「一つの視点で舞台を見つめること」に限定して、
カメラが演劇を撮ること、そのための演出とはどんなものかについて、
作品を通して検証していきたいと思っています。

主会場は完全にUSTREAMなので、今回は入場料は無料です!
今まで地方の方に「うちの方でやる時は教えて下さいね」と
言われるたびに心苦しい思いをしてきましたが、
今回は世界中で観て頂けるのでちょっとお返しできるかなー、と。
平日夜という微妙な時間ですが、ご覧頂ければ幸いです。

また、今回の公演はカメラ用に特化して作るため、
基本的には客席に観客を入れることを念頭に入れてはいませんが、
それでも生で(裸眼で、ディスプレイ越しではなく、)ご覧になりたいという
奇特な方のために、撮影中の劇場の客席も副会場として開ける予定でいます。

通常の本番、という形ではないので、公開ゲネプロみたいな感じになるかと。
ついでに入場料の代わりに、多少カンパでご支援頂ければとても有り難かったりします…。
もし「観に行ってやってもいい」という優しい方がおられれば、席数限定ではありますが、
劇団粋雅堂のアドレス( suigadou@gmail.com )又はTwitterの @SUIGADOU まで、
ご予約者のお名前(読み仮名)/人数を書いて連絡いただければ、
こちらで受付いたしますので、お気軽に言っていただければ、と思っております。

次にセカイカメラを用いたAR公演『FLAH』ですが、
こちらはもはや撮影のための劇場すら使用せず、
茨城県取手市内の12カ所に浮かした36個のエアタグ
(スマートフォン用アプリ「セカイカメラ」を使用することで認識できる、
位置情報に紐付けられた文章・写真・音声等のデータ)にアクセスすることで
フィールドレコーディング等により記録された演劇を「聴取」し、
その空間座標でありながらも異なる時間をその場所に劇場をとして読み込む、
「借景」をコンセプトに作られる作品になります。

観て(聴いて)頂くのにスマートフォンが必要なこと、
エアタグの位置へ実際に移動する必要があることなど、
敷居の高い作品ではありますが、この作品をあえて”演劇”と名指すことで、
これまでにない新しい体験をして頂けると思っております。
また続報をこれからもアナウンス致しますので、ご期待下されば幸いです。

…久しぶりなので、ちょっと長々と書きすぎましたが、ともかく。
今よりももっと拡張された”劇場”の客席に
皆様をお迎えできることを楽しみにしております。

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