deep−forest

夕方
手を合わせて思うことあり
夕暮れ
瞬きの合間に暗くなり

秋の匂いを感じた

君の額にピストルを突きつけよう0‐1

2010年02月09日 08時05分26秒 | 物語系
何故、私はこんなことをしてしまったのだろうか。神の冒涜とも取れるこの行ないを、あの方が許してくれるわけがない。
『いたかーっ!』
『駄目だ、こっちにはいない。』
『くっそー…、見つけたらタダじゃおかねぇ!』
『まさかあの人が裏切るなんてな。』
『とにかく探すぞ!でないと、俺達が消される!』
私の行ないは、正しかったのだろうか。それとも…、間違っていたのだろうか。

何かがズレ始めてきていた。いや、最初からズレていたのだろう。
気付いた頃には、とても人間とは思えないところまで達していた。崇拝していたあの方は、いつから能力を持たない人間を「物」のように扱っていたのだろうか。
いつしか私は恐くなって…、あの方の下からただ逃げる糸口だけを考えていた。その時に【黒い石】を持ってどこかへ捨てられれば…、もしかしたら…、止められるのかもしれない。

『うっ…。』
私を探していた男たちが倒れて行く。
『ホ〜ント、役に立たないんだから。』
何故あの方がここにいるのだろうか。直々に動くということは、この【黒い石】はよほど大切な物に違いない。しかしすぐ殺されてもおかしくない状況だ。私の心臓の鼓動は、限り無く大きな音を立てていた。
『…能力が使えるってことは、近くに【黒い石】があるってことだよね。どっこかな〜。』
殺される。すぐにこの場から逃げなければいけないのに、足が動かない。落ち着け、落ち着くんだ。能力を使えば、逃げられる。能力を…。

呼吸が…、上手くできない。落ち着け…。足音が近付いてくる。こちらに向かってあの方が近付いてきている。能力を…。
『あ、ここかな〜。…見〜つっけた。』
あの方と目が合い、ホンの数秒だけの沈黙が、何十分にも何時間にも感じられた。私は息を止め、ただ立ち去ってくれることだけを願った。
『…やっぱいないか。どっか逃げてっちゃったんだろうな。』
あの方は立ち去り、私は尋常では汗をかいて座り込んだ。
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