親なら我が子の性格をほぼほぼつかめるかと言えば、それは難しいのかもしれない。
今年に入って桜の季節だったか、私は母とケンカをした。
母が孫のことを心配し、あれこれと私に意見するのに反論したのが、ことの発端だった。
父の転勤で16歳で親元を離れた私にも、今の我が娘と同じようなことがあったけれど、
母が私に意見するには、あまりに距離が遠すぎた。
進学、就職、恋愛・・・岐路に立ち悩み相談したい時期に、私のそばに家族はいなかった。
だから、意見されることもなかったけれど、頼ることもできなかった。
母が当時私には何ら意見しなかったことを 今あれこれ孫に言うのは、
近くにいるかいないかの差。 私が一緒に暮していれば、同じように言ったに違いない。
それは分かっているのだけれど、無性に腹がたった。
その時母が言った。あなたが何も相談しないから、悩みがあったとは思わなかった と。
あなたが頼ってこないから何事もないと思っていた と。
私は、初めて母の前で泣いた。50すぎて 初めて。
頼ってはいけない、心配かけてはいけないと、そう思ってきた自分が哀しかった。
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親子といえども、性格を見抜けるかと言えばそうではないし、ましてや悩みの根幹など
言葉を交わさずに分かるはずはないのだ。
悩みがあったら素直にぶつけることだ。 強がらず見栄をはらず、本心を明かすことだ。
その時はじめて心が寄り添えるのだと思う。
私は、それに長いこと気付かなかった。 勿体ない事をした。
打ち明けていたら、違う道も見えたのかもしれない。
この先、母がどれほど長生きするか分からないけれど、時に弱みも見せて頼りたい・・・と
今さらだけど思っている。 寿命を縮めない程度に、心配をかけよう。
もっともっと かまってほしいな。 いっぱいいっぱい 遊んでね。