Tak's 雑記帳

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廃れゆく農業(2)

2006-05-06 23:50:30 | 社会一般
 おとといからの続き。

 消費者の多くから見放され、ついには政府からも見放された日本の農業従事者。それでも生活をしていくために、苦しい体にむち打って頑張っている。

 写真を見ていただきたい。これは山形県の名産品であるサクランボの雨よけハウスである。そしてここは、10年ほど前まで水田であった場所でもある。
 日本人は昔に比べ米を食べなくなってしまった。産業の主なものが第1次産業から第2次産業、第2次産業から第3次産業へ移るにつれ、小食になってきたのかも知れない。そうでなくとも、麺類やパンなどご飯以外のものも多く食卓にあがる昨今である。さらに、自分たちでその日の食を作らない人々が増えた。外食産業で使われる米は、日本のそれもあるがアメリカ産のものも多い。特に安い料理(?)を出すファミリーレストランなどは高価な日本米よりも激安なアメリカ産米を使う場合がある。そんなこんなで、米の消費量が落ちると共に米の価格も落ちてしまった。
 これまでと同様に米を作ったのでは政府の負担が大きくなってしまうため、減反政策が始まった。田をやめ、別なものをそこに作れば補助金が下りるというものだ。しかしながら、昔ほどの収入が得られるわけでもない。

 そこで農家は何とか単位面積当たりの収入を上げようと努力する。高価な機械や資材を借金で買っても、だ。このサクランボハウス、1棟ン十万する。我が家のハウスは規模がそれほど大きくないが、それでも結構なものだ。このハウスは雨よけが主な目的である。サクランボは雨に大変弱い。雨が直接当たると、割れたりカビが生えたりしてしまう。このハウスはサクランボを天敵である雨から守るわけだ。そうすることで、良質なサクランボの取れる割合が多くなる。そうやって単位面積当たりの収入を上げるわけだ。ただ、この雨よけハウス、2年に1回程度の割合でビニールの張り替えを行わないといけない。これも相当な重労働である。
 それを差し引いても、サクランボは7月上旬程度までに収穫を終えるため、まだまだ楽な方である。これが秋に収穫する梨やらリンゴやらともなると、農薬代だけでかなりの額となる。サクランボも、収穫後に何度か農薬を撒きはするが、梨・リンゴの比ではない。

 そのサクランボも、皆が雨よけハウスを導入し大量に出回るようになってしまったため、昔に比べれば単価は落ちてきた。個人的なつながりで顧客獲得に成功しているところはまだ良いが、農協に出して共選だとなると、市場価格の半額程度しか農家の懐には落ちてこない。

>>まだ続きます。


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