みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

春日和の寒

2017年02月13日 | 俳句日記

 きのうの雪の空とはすっかり陽気が変って、今日は鶯がこりゃいけないと慌てて起きだし、

啼きだすような春日和の郡山です。

 それでもまだまだ浅い春、折あしくさやと吹いた風は鶯をまた寝床に追い返したようで、

残念ながらあの美声は聴けず仕舞いでした。

 

 隅田川の土手のこちら側の四つ辻には人だかりがしております。一仕事を終えて長屋に帰る

途中に出会った八つぁんと熊さんがそれへ通りがかりました。

 

「なんだろうね熊公、ちょっと寄ってみようか?」

「ああ、お触書みたいだな。だけどよ、おめぇ平仮名しか読めねぇだろう」

「あれだけ人だかりがありゃ誰か読んでくれるだろう」  

「違えねぇ、いってみよう」

 

「おっとごめんよ、ちょっとのぞかしてくんねぇ。ふむふむ、やっぱり分からねぇなぁ」

「八つぁん、そこのお武家に聞いてみたら」

「そうだな。ちょっと相済みませんお武家様」

「身共のことかな?」

「へぇ、左様で。なにが書いてありますんで」

 

「高札のことか?」

「へぇ、さいです」

「うむ、幕府の将軍がアメリカの大統領と話してきた内容が書いてあるのじゃ」

「で、なんてんです」

 

「もし我が国が外国から攻められたら、かの国は必ず助太刀いたすそうじゃ」

「そりゃ有難いこってすね」

「そうじゃ、そしてこうも書いてある。お互いの貿易を活発に行おうと約束した、とな」

「その貿易てぇのはなんのことです」

 

「国どうしの商いのことじゃ。お互いに商いで豊かになろうというのじゃな」

「そいつはこういうこってすかい、こっちの物をむこうに売って、むこうの物をこっちが買う」

「そういうことじゃ、なかなか賢いな。じゃがな、外国との付き合いは気を付けねばならぬ」

「そういうもんですかい!?」

 

「そうじゃ。アメリカはこのごろエゲレスから独立したばがりの若い国であるからな」

「このごろですかい」

「しかも、エゲレスもドイツやオロシアと仲が悪い。フランスも革命が起きたばかりだ」

「難しいもんですね」

 

「清もおかしくなってきた。だから身共たちは『海国兵談』を読んで勉強しているところじゃ」

「お武家様は、幕府のお旗本かなにかで?」

「いや、水戸藩の者じゃ」

 

    < 歴々の 武士も腕組む 春日和 >  放浪子

 

二月十三日(月) 陽気春なれども風寒し

         久々にアイたちと朝餉

         九州の友より真心頂く、感謝

         陽光の中散歩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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