みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

さらば阿武隈、さらば奥の蚊

2017年06月17日 | 俳句日記

人間誰しも、言うに言え無い苦を抱え
ている。
「その苦は、貴方の錯覚だよ」と教え
て下さったのがお釈迦さまである。

それを悟りと言う。
達磨さんは面壁十年、自らの内面を観
つめ悟られた。
ツアラストラは、山の上で悟った。

山の頂きの更に上に空がある。
空には一羽のワシが舞う。
人間を見下ろして。
極微から極大まで観想されたお釈迦様
は「どちらでも良いのです」と言った。

私が辿り着いた阿武隈川は、山の頂き
であった。
河岸に座れば、遮る物は無い。
天球の真ん中に居るのである。

空には鳶が舞い、足元ではアリがせっ
せと餌を運び、鯉は大きな口でスポっ
っとパンの欠けらを吸い込む。

小魚達のシンクロ、鶯と雲雀は十文字
に啼き競い、翡翠と鴫がエアレースを
展開する。
凍てつく河岸、広がる雪原、その上を
白鳥の群れが悠然と飛び去る。

ここでアイ達と暮らした日々は、この
世のものではなかった。
いや、今迄の暮らしが幻想だつたのだ。
何故って、私が死ねば消えてしまう。

ここには、永遠の命と営みが有る。
確かに未来永劫存在するのである。
ここに地球が有る。宇宙がある。
そんな気にさせてくれた。

今更ながらであるのが残念だね。
でも、いいのだ。
気付いた事が儲けもん。
そうじゃないかね皆の衆。

帰り道は、すっかり夏の日差しだつた。

いつもの公園で一休み。
木陰が心地よい。
思い出に浸りながら一服すると、蚊に
喰われた。

〈奥の蚊や 別れとあらば 咎も無し〉
放浪子

6月17日〔土〕晴れ 夏の日差し
早朝より片付けに拍車がかかる。
日が昇りきった頃、一段落する。
最後の朝餉を河原で、と阿武隈へ。
アイは来ない、やはりあの日が
別れであった。
あと3日。
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1 コメント

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Unknown (方ハ町 ワタナベ)
2017-06-17 17:44:05
気がついてくれるかな?
相変わらず素敵な写真ですね(*n´ω`n*)

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