tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

同時進行!平城遷都1300年(11)

2008年03月04日 | 平城遷都1300年祭
「鹿角童子」「鹿ゾー」「つの坊」に「キモブツくん」…。これは、ネットに出ていた1300年祭マスコットキャラクターの愛称(案)である。最後の1つはジョークだろうが。

「同時進行…(10)」でも書いたが、2/12にこのキャラが発表され愛称募集が始まって以来、県下の職場や家庭や井戸端会議で、賛否入り乱れて侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が繰り広げられている。
※参考:「同時進行!平城遷都1300年(10)」(ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/604a054ed6416450f93f2949bcf95047

インターネットや新聞・テレビにも徐々に火が回ってきた。好意的な報道もあるが、次第に反対の声が高まってきた。
※好意的な報道:「ひこにゃん」超えるインパクト! (J-CAST モノウオッチ2/27)
http://www.j-cast.com/mono/2008/02/27017192.html

とりわけ、毎日新聞が日曜日(3/2)の1面で《ゆるキャラ失格?「可愛くない」「仏を侮辱」批判200件》と報じてから、反対意見が優勢となってきた。
※否定的な報道:毎日新聞奈良版(3/2 見出しは大阪本社版とは違う)
http://mainichi.jp/select/today/news/20080302k0000m040103000c.html

mixiにも「1300年祭マスコット白紙撤回」というコミュニテイ(=サークル)ができ、参加者は792人に上っている(3/4 午前6時現在)。ちなみに「平城遷都1300年祭のマスコット」という賛成派のコミュニティもできていて、こちらの参加者は741人(同)である。
※「奈良遷都祭」キャラに賛否両論 ミクシィでも大論争(J-CASTニュース 3/3)
http://www.j-cast.com/2008/03/03017377.html

3/1、「白紙撤回」コミュニティ管理人の陽群(ひむら)誠氏は、「平城遷都1300年祭を救う会」も結成された。
http://www.youse-factory.com/

昨日(3/3)は朝日放送のニュース番組「ムーブ!」(15:49~17:54)が、「平城遷都のマスコットは不評?」という話題を取り上げていた。私は録画して子細に見たが、重村智計氏が「可愛くない」、勝谷誠彦氏が「妖怪人間ベム」(=人でも怪物でもない異形の生物)とコメントしていた。関根友実アナは「見慣れると、どんどん可愛くなって忘れられなくなる」とフォローしていたが。

同番組で紹介された町の声(VTR取材)によると、奈良では「仏教をイメージしていて良い」「何回か見ていると良くなる」など、好意的な意見が7割、一方大阪では「見た目、不細工」「リアルで気持ち悪い」など、7割が否定的だった。

このキャラの選定過程に問題があるとする意見も多い。キャラをデザインした籔内佐斗司氏(彫刻家・東京芸大教授)は、電通から声がかかったと発言しているが、「ムーブ!」のホームページによると

《キャラクター選定に当たってはプロのデザイナーや造形作家12名が21案を出品したといい、中には、今回選ばれたものとは全く正反対のもの、ラフな雰囲気で書かれたものなどがあった。様々な創作活動をされている専門家の方々で構成するデザイン選定委員会が、奈良の特徴にあっているか、アピール力があるかなどの基準で、投票で5作品に絞り、最終審査は「議論」をして決めたそうだ》(番組HP「ムーブ!の疑問」3/3付)
http://asahi.co.jp/php/move/news/index.php?code=0311

しかし地域イベントのキャラは、公募が一般的だ。《兵庫県のキャラクターである「はばタン」は3069通ある全国公募を兵庫国体の事務局で500通まで絞り、当時の神戸デザイナーズ協会会長さんを始め国体の関係者らで構成する色彩デザイン部会での審査を経て最優秀作品に選ばれた。また、彦根市の「ひこにゃん」は、広告代理店など10社が持ち寄ったロゴ・シンボルマークを含めたデザイン案10件を市内の青年会、商工会議所、商店街連盟の代表らで構成する彦根城築城400年祭実行委員会で審査の末、決定したという》(同)

前述の毎日新聞には、フリープロデューサー・木村政雄氏の《こんな写実的なデザインがなぜ選ばれたのか理解に苦しむ。県民の力で記念祭を盛り上げていくなら、県民の意見を広く聞くべきだった》というコメントが紹介されていた。

奈良で議論がこんなに盛り上がったのは、ずいぶん久しぶりだ。1992(平成4)年の分庁舎(奈良県庁)建設の時でさえ、新聞に「県自ら景観条例破り」「景観論争 奈良も揺れる」と書かれながらも、知らないうちにあっさり建設が決まったという経緯がある。

今回のマスコットキャラクターは「イベント自体への批判をかわすため、記念事業協会が仕組んだ目くらましだ」といううがった見方も出ていて、それが本当だとするなら相当の高等戦術である。

侃々諤々の議論の一方で、キャラの愛称募集にはすでに4000通が集まっているという。「反対意見続出で、キャラ見直し」となるか、「見慣れると可愛いいから、まぁいいか」となるか、しばらくこの話題から目が離せない。

※参考:マスコットキャラクターに関する報道など
○「気持ち悪い」VS「親しみやすい」 奈良の新マスコット「排斥」署名も (産経新聞web 3/5)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080305/trd0803052341018-n1.htm
○ニュース番組「VOICE」(YouTubeに掲載)
http://jp.youtube.com/watch?v=5hd_OeohSQs
○Yahoo!の意識調査
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/quiz/quizresults.php?poll_id=1914&wv=1&typeFlag=1
○2ちゃんねるに登場したパロデイ集
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/03/130052_ed8b.html
○「鹿ボーズ」(奈良県選出衆議院議員・馬淵澄夫のブログ「不易塾日記」)
http://www.election.ne.jp/10679/42514.html
○籔内佐斗司氏の見解
http://www.uwamuki.com/j/130020080308/index.html

※古都騒然!平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター(「JanJan」への私の寄稿)
http://www.news.janjan.jp/area/0803/0803041958/1.php

※写真は、奈良県庁1階で撮影。

コメント (31)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 奈良県企業立地トップセミナ... | トップ | 鹿男あをによし第7話 »
最新の画像もっと見る

31 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大ヒット (三河人)
2008-03-04 07:44:04
同時進行(10)でもコメントしましたが、今回これだけの話題を提供してくれたマスコットに脱帽。奈良の1300年記念行事の宣伝効果、今までのどんなポスターよりもヒットしていると思います。
返信する
情けない・・・ (横田)
2008-03-04 10:47:31
こういう手法に頼るのは反響が大きいとしても、反動も大きいと思います。
ちなみに、賛成派のコミュニティを作った大学生は、数日後にクルマで自損事故を起こされました。身体は無傷だったのは幸いでしたが。

これがキリスト像や、アッラー像だったらどうなのか、「世界」の視点も考えてみる必要があるというのに。

また、電通に気兼ねするマスコミの情報操作も大きくクローズアップされてしまうような気がします。
そうなると却って記念事業協会にはネガティブになりかねないでしょう。
返信する
「めざまし」&「とくダネ!」 (soliano)
2008-03-05 02:20:12
 平城1300年キャラの話題は、4日朝、「めざましテレビ」と「とくダネ!」で採りあげられていました。

 私はこの2番組は、"世論のバロメーター"と思っているので、両番組で話題になったということは、国内でメジャーな問題になったと理解します。

 長野五輪のスノーレッツ、愛知万博のモリゾー&キッコロも発表当初はさんざんな評判でした。

 それにしてもこのキャラクターは、ちょっと愛着はわきかねます。

 5日には綾瀬はるかが鹿のかぶりもので「はねるのトびら」に出るようですが、そちらの方がよっぽどかわいいと思います。

 以前も書きましたが、「鹿男」の縁で綾瀬はるか、あるいは奈良県出身の女優、吹石一恵にでも奈良観光大使になってもらった方が、PR効果にはいいと思いますが。

 まぁ今回の騒動は平城遷都1300年祭に、多少なりとも全国の目を向けさせたと割り切るほうがいいのかもしれません。
返信する
PR効果 (tetsuda)
2008-03-07 06:44:14
三河人さん、横田さん、solianoさん、コメント有難うございました。

> 1300年記念行事の宣伝効果、今までのどんなポスターよりもヒットしていると思います。

協会の広報担当者も、そのようにコメントしていましたが、確かに宣伝効果は抜群ですね。

> 賛成派のコミュニティを作った大学生は、数日後にクルマで自損事故を
> 起こされました。身体は無傷だったのは幸いでしたが。

おお、それは不吉な。それにしても頑張っている反対派のコミュニティも、何だか内ゲバ状態で迷走しているような…。ちゃんと体勢を立て直されるのでしょうか?

> 「鹿男」の縁で綾瀬はるか、あるいは奈良県出身の女優、吹石一恵にでも
> 奈良観光大使になってもらった方が、PR効果にはいいと思いますが。

あの「奈良観光大使」とやら、どんな良いことをしているのか、いつも疑問に思っていました。

綾瀬はるかは水着の写真集も出していて、これがとても良いと若い社員に教えてもらいました。吹石一恵は美形ですので、注目度抜群ですね。
返信する
反対派(白紙撤回)は落ち着いたようです (横田)
2008-03-08 13:46:26
最初から完璧に、とは行かないですし、当初は(協会シンパの疑いを含む)便乗愉快犯も入り乱れてましたからねえ…。
ということで9日は白紙撤回を求める署名の募集を近鉄奈良駅周辺で実施するそうです。

…mixiのコミュニティ(サークル)の管理人に私が推薦されているのですが、管理人=代表ではないと明示することになるでしょうねえ。世話人というスタンスのほうが判りやすいかしら。

吹石一恵さんですか、個人的には奈良の駅パン屋さんなどで仕事されてる若い女性は素で美しい人が多いと感心してます。
ちょっとした贔屓目なのかもしれませんけど。
返信する
いよいよ明日ですね (tetsuda)
2008-03-08 15:21:00
横田さん、コメント有難うございます。

> 反対派(白紙撤回)は落ち着いたようです

> 当初は(協会シンパの疑いを含む)便乗愉快犯も入り乱れてましたからねえ…。

> 管理人に私が推薦されているのですが、管理人=代表ではないと明示することになるでしょうねえ。

確かに、静かになってきました。横田さんのお名前が上がっていましたが、引き受けられるのですか。書き込みの管理は見かけ以上に手間がかかりますが、ぜひ頑張って下さい。

> 9日は白紙撤回を求める署名の募集を近鉄奈良駅周辺で実施するそうです。

横田さんの勇姿を拝見したいのですが、明日は親戚の法事で帰郷します。残念です。

> 奈良の駅パン屋さんなどで仕事されてる若い女性は素で美しい人が多いと感心してます。

近鉄系のパン屋ですね。制服のせいかも知れませんが、可愛い子が多いです。それをセールスポイントにしているのか知れません。
返信する
Unknown (Unknown)
2008-03-08 23:25:05
今回の問題は、現代日本の病巣を象徴している。
○ 偏向報道・マスコミ劣化、国民情報能力の劣化
 批判はネット社会の出来事、これをあたかも全世代の批判ととらえて、賛否両論としている。
 また、新聞がニュースソースをネットに求め、全世代の幅広い意見を把握できなくなっている。
 これを見極めるためには、国民の情報能力を高める必要があるのだが、マスコミとともに、国民の情報リテラシーも落ちている。(マスコミ記事を引用するだけで、分析できない。ブログを書く事に追われて、何も思考できない)
○ 価値観の固定化
 キャラクターはひこにゃんのようでなければいけないという価値観に縛られた発言が多い。馬鹿な世代の大人の物差しでこれがかわいいと決めつける、ディズニーこそが最高峰の価値があるものと信じて疑わない。飽食、虚飾に身をやつし、永遠の価値あるものに気づかず、失いつつある日本国民。
 そもそもキャラクターとは何なのか、この平城遷都祭とやらで、何に使おうとしているのか、市民全体が思考停止に陥っている。地域づくりに当たっては、近視眼的になるのではなく、多角的な視点でそれぞれの地域にフィットした対策を深い熟慮のもとで決断する必要がある。逆転の発想で成功している地域も多い。
テレビドラマでは地域づくりはできない、内発的な価値の創出が必要。
○ 国民の幼稚化・非寛容化
 公金が使われているとはいえ、たかがキャラクター、ここまで感情的になるべき問題であろうか。
 なぜ許せないのか、自分の好みである作家が使われていないのが悔しいのか。
 このキャラクターはまったくいいところはないのであろうか。自分の好みはすべての他者に受け入れられる自信があるのか。
 多様性を受け入れる日本人の寛容性も失われつつあるようだ。
○ 言葉に対する鈍感化
 古来日本人は言霊という言葉に象徴されるよう言葉を大切に紡いできた民族であり、万葉集を生み出した。名もなき民も歌をつむいだ。
 その国民が、「きもい」、「奈良の恥」など、聞いている方が不快感を感じる下劣な言葉を、匿名のネット社会で飛び交わしている。
○ 古き良き大和魂の喪失
 なぜあのキャラクターを見て不快感を感じるのか、その不快感をどう処理するのか、誰に何を伝えるべきなのか、一人ひとりが考え、行動を起こすべき。
 しかし、修行をした宗教者、学を修めた学者、第四の権力を担うジャーナリスト、市井の人々、すべてが、自分の心を制御できなくなっている。ブログ、携帯で皆下劣な感情を吐露している。まさにネットは掃き溜め状態だ。こんなネットであれば精神の浄化のために離れるべきだ。
 人に下劣な言葉は言ってはいけないが、キャラクターであれば下劣な言葉を放っていいのか。仏教・神道では不具・異形の動物には下劣な言葉を言っていいと教えているのか。
 山川草木悉皆仏ではないのか。すべてにいいところがあるのではないか。
 はじまりの奈良とかいって、精神性のルーツを奈良に求めようとするイベントのキャラでこのような問題が起きたことが外から見ると滑稽。
○ 芸術に対する無理解の広がり
 今回のキャラは、マスコットとはいえ、込められた意味などは、精神性を含んでおり、芸術に近い。
 こういうことを理解しようとせず、気持ち悪いなどという一方的な表現のもとに、条件反射的に切り捨てようとする。こういう無理解で何か新しい創造的なものが育めるのか。
○ 安易な意見表明
 ブログ、メール、携帯電話が発達し、誰もが条件反射的に安易に意見を表明するようになった。熟考するということがない日本社会に陥った。ブログを丁寧に書く層にこのような傾向が見られるのは危機的な兆候ではなかろうか。
○ デジタルとアナログ
 今回の問題の帰趨は分からないが、藪内氏という芸術家というアナログの世界の人が、デジタルなネットに真正面から向き合い、「炎上」を食い止めているのは、日本社会への大きな問題提起として受け止めたい。
 デジタル依存で、社会が劣化しているのではないか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 すべての日本人の心が腐り始めている。
 造反有理、すべての事象は神様の手の中で起きていること、きっと何か意味があるはず、深く考えるべき。
 
返信する
目を覚まさせた功績はありますね (横田)
2008-03-09 02:50:50
寝倒れの奈良、という比喩を聞いたことはありますが、まさに目を覚まさせた状況なのかもしれませんね。

藪内氏のサイトで、寄せられたメール(の一部)と、回答を掲載しているけど、私信の公開は相手の承諾があってはじめて公開できるのではなかったのかしら?

あっちの会議室で紹介したのですが、ユネスコの大使は石見銀山の説明をひと工夫してあっさり周囲の流れを切り替えました。
そのような人に相談していたら、今回のような醜さを噴出させるような事態に陥ることは無かったかもしれませんね…。

署名ですが、私は千葉在住のため遠くから見守るだけです…。
鉄田さんもご法事とのこと、道中つつがなく済みますように。
返信する
ネットとマスコミ (tetsuda)
2008-03-09 06:08:29
興味深いコメントをいただきました。ハンドルネームをお書きでないのが残念です(「造反有理」とは、昔懐かしい言葉です)。問題点を整理させていただくと、

1.マスコミがネット上の反対意見を過大評価し、それを再生産している。
2.可愛い「ゆるキャラ」だけがマスコットキャラクターではない。多様性を受け入れる寛容な心が大切。
3.「たかがキャラ」に人々が過剰反応している。
4.批判する言葉自体が「ボキャ貧」であり下品である。
5.キャラの芸術性・高い精神性に対する理解がない。
6.熟考することなく、安易にネット上に意見表明している。
7.批判に真正面に答えている籔内氏の態度に学ぶべきだ。

特に《批判はネット社会の出来事、これをあたかも全世代の批判ととらえて、賛否両論としている。また、新聞がニュースソースをネットに求め、全世代の幅広い意見を把握できなくなっている》というくだりには、考えさせられました。

確かに、これまでの「マスコミ報道→ネットで反応」という流れが、今回は「ネットで意見→マスコミが反応」という逆の流れになっています。ネット上の意見の取捨選択を間違えたり、ネット外の人々の声を取り落とすと、奇妙な世論が形成されてしまいます。

ワイドショーなどが興味本位に取り上げるので、過剰報道に拍車がかかっています。これで1300年祭が広く知られることになったのは皮肉ですが、マスコミとネットの相互依存関係を考える良い機会になりました。

> 寝倒れの奈良、という比喩を聞いたことはありますが、
> まさに目を覚まさせた状況なのかもしれませんね。

「和を以て貴しと為す」の奈良でこのような事態が起きたことは、大変珍しいことです。行方に注目しています。
返信する
Unknown (籔内ファン)
2008-03-09 08:10:14
問題点はコメントで整理しているので、「整理する」というのも変ですね。
ボキャ貧などというのではなく、人間の品性が問われているのです。
イエスが十字架を背負い歩いているときに何もしな
かった人間と、茨の冠をかぶせた人間と、ともに十字架にかけられた罪人と、神の前では差がないと言うことです。

のんきに批評する人間と、ネットで罵詈雑言を浴びせる人間に差はないです。天才籔内が日本人の心に突きつけたもの、それは何でしょうか。

籔内さんのコメントをご覧ください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
平城遷都1300年祭マスコットキャラクターに関するお問い合わせに対する総括的なご回答
籔内佐斗司 



 先月末以来、私がデザインした「マスコットくん」が騒ぎになっておりますことを恐縮に存じます。生みの親まで思わぬ事態に巻き込まれて、いささか困惑しながらも、さまざまなことを考えるいい機会になったと思っています。

 今回のことによって、芸術活動やその成果物に対する第三者の評価について、臨場感をもって思いめぐらすことができたことは僥倖でした。

 また、いままでご縁のなかったネット社会の一面を垣間見て、びっくりしたのも事実ですし、ジャーナリズムの素材がその仮想社会から集められ、冷静な分析がおこなわれることなく数字や言葉が先行して報道されていることの怖さも感じました。

 そしてなによりもこころを痛めたことは、口にするのも憚られる言葉の刃を、見ず知らずの相手に匿名で大量に投げつけるというネット社会の暗部を知ったことでした。

 感情の歯止めが利かない小中学校のいじめが、仮想社会で成長して、現実の社会に溢れてきたという事態を憂慮しています。

 私のキャラクターに投げつけられたのとおなじような言葉に傷ついて、みずから命を絶ってしまったちいさな命があったことを思わずにはいられませんでした。

 私のウエブサイトに寄せられた投稿の内容は、おおむねマスコミ各社からの問い合わせと同様、いくつかに集約されています。そこで、今までみなさまにお答えしてきた内容を以下の項目に整理して回答させて頂くことに致します。





返信する

コメントを投稿

平城遷都1300年祭」カテゴリの最新記事