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奈良県地域貢献活動助成事業2010

2010年06月27日 | 奈良にこだわる
奈良新聞(6/17付)に、2010年度の「地域貢献活動助成事業」(奈良県くらし創造部協働推進課)の採択事業が決まったという記事が出ていた。見出しは《地域貢献活動助成事業 県、本年度17件を採択 応募34件から厳選 助成総額は696万円》だ。

《県は16日、NPОやボランティア団体、自治会などの自主活動の経費の一部を県が助成する本年度の「地域貢献活動助成事業」で、採択した17事業を発表した。12月5日に県内で初の本格的フルマラソンとして実施される「平城遷都1300年記念・奈良マラソン2010」のマッサージボランティア事業や第2回ならスイーツコンテストなどで、助成総額は696万円》。

《助成は事業ごとに対象経費の2分の1以内で、上限50万円。34事業の応募があり、第1次の書類審査を通過した24事業を対象に今月5日、審査委員会(7人)による公開プレゼンテーションを実施。評価点で採択事業が決定した》。私は審査委員を拝命しているので、6/5(土)には、「奈良市男女共同参画センター あすなら」でのプレゼンテーション(9:30~16:30)をすべて見せていただいた。


第2回ならスイーツコンテストのプレゼンテーション(6/5)


第1回ならスイーツコンテストの模様(1/30)

《採択されたのは、イベント5件▽環境3件▽人材育成2件▽特産品2件▽福祉2件▽教育・国際交流・防災3件―。特に評価が高かったのは、「ならスイーツプロジェクト」が推進する、奈良をテーマに地域素材を生かして魅力あるスイーツを誕生させる「ならスイーツコンテスト」の2回目の取り組み。助成50万円で、来年1月29日に開催予定》。「ならスイーツコンテスト」は、第1回(1/30)が来場者が2300人を超える大イベントとなったので、今回の評価も高かった。このほか、私の印象に残ったプレゼンを発表順に紹介する。
※大盛況!第1回ならスイーツコンテスト(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/e57acf0d421ecc141d456dacc921c707


同 上


同 上

NPO法人奈良の食文化研究会は、「ジビエ鹿肉料理の普及と活用ルートの開発事業」を提案。鹿の駆除を進めると同時に、鹿肉を使ったジビエ料理を提供できる流通ルートを確立する、という趣旨である。鹿害(ろくがい)などといわれるように、県下の森林における鹿の食害は、ひどい状況である。この事業で、鹿の駆除と美味しい料理の提供が実現すれば、一石二鳥だ。


奈良の食文化研究会

山の辺の道「奈良道」を守る会は、奈良市の高畑町から虚空蔵町までの通称「奈良道」を整備しようという提案である。この整備事業には奈良市も予算化し(150万円)、道標や案内板をつけようとしているが、まだまだ足りない。この会は、沿道の草刈りや休耕田への植栽、ガイドの養成などを行う。山の辺の道は桜井市→天理市と来て、その先の「奈良道」の整備が不十分な状態である。最近では訪ねる人も増えているので、ぜひ奈良市と協力して整備していただきたいと思うし、奈良市も、もっと予算をつけるべきだろう。


山の辺の道「奈良道」を守る会

山辺の道 (近畿日本ブックス (12))
近畿日本鉄道株式会社近畿文化会
綜芸舎

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NPO法人Layer Boxは、今年の10月30日、「祝祭祀(じゅじし)あをによし」(奈良市から100万円の助成を受けている)という音楽イベントを開催する。能、昆曲(中国の伝統芸能)、コンサート(太鼓とアート映像のコラボ)の3本立てで、近畿日本ツーリストからは東京からの「鑑賞ツアー」も発売されている(=トップ画像)。
http://www.knt.co.jp/dantai/2010/0385/aoniyoshi/index.html

今回の提案は、奈良のPR映像を撮影・作品化して国内外で発表、カンヌ国際広告祭にも出展する。さらに「祝祭祀あをによし」の舞台も撮影・編集、eラーニングの教材として活用する、というものだ(撮影は、関東の大学生が担当)。プロデューサーの月森砂名さんが、この日のプレゼンの様子をご自身のブログに書かれている。
http://2010aoniyoshi.at.webry.info/201006/article_2.html

《3日前にパワーポイントで骨子をまとめました。よくパワーポイントの文章をそのまま読んで説明している人を見かけますが、私は絵でイメージを植え付け、言葉で心を掴むのが良いと考えています。ところが、肝心の原稿がなかなか仕上がらなかったのです。「本当に地域に貢献できているのだろうか?」という自問自答があったからです。何度も原稿を書き直し、プレゼンの前夜、やっと出来上がりました。持ち時間は6分。質疑応答に4分。緊張によるちょっとした間あいも、時間切れの原因になります。暗記するだけの時間はないのと、もし上がって忘れたらアウトなので、夜行バスに乗るまで、何度も何度も原稿を読む練習をしました》。


月森砂名さん(NPO法人Layer Box)

《さて、審査員の質疑応答。あらゆる質問を想定して答えを用意していましたが。アーカイブ化についての無料化、有料化、今後の展開について質問が出ただけ。シーンと静まり返っています。するとおもむろに村田教授から手が上がりました。緊張の一瞬です。「なんか突っ込んだろうかな思いましたけど、これ、突っ込みようがないですね」褒めてるんだろうか、けなしてるんだろうか?「はあ・・・ありがとうございます」取り合えず礼を述べておく。「こういう時は、細かいところを突っ込むしかないわけで」これが関西人なんでしょうかw》。

審査委員長の村田武一郎氏(奈良県立大学地域創造学部教授)が、金額表記の単純ミスを指摘されたのだ。《「ここ、収支決算表の金額、違ってますけど。○○って、書きたかったんやろうけど、記入ミスやね…」提出した時に、県の人とやりとりして、表を差し替えたときにでも間違えたのでしょうか?しかし、それぐらいで済んで良かったです。提出時に、収支決算の細かいところを県の人と何度もやり取りしたのが、今から思えばよかったなと思います。いつものことながら収支決算の作りに甘さがあることが、今後の課題です》。

NPO都祁(つげ)は、旧都祁村(奈良市都祁南之庄町)の三陵墓古墳で行う灯りのイベント「陵燈会(りょうとうえ)」の新規開催と、1泊2日の農村体験ツアー「おばあちゃんの畑」を継続実施する、という提案を行った。こういう中山間地の村おこし事業には、私も大いに関心がある。今年度は畑オーナー制度も計画されているというが、ぜひ地域を元気にしていただきたい。


NPO都祁

かしはらコスモスうたまつり実行委員会は、古代の下つ道(しもつみち)沿道や藤原京跡に会場を設定し、参加者主体で行う「まちなか音楽祭」(第3回かしはらコスモスうたまつり)の提案だった。過去2回は、奈良県橿原文化会館小ホールで開催されたそうだ。このイベントは、橿原市役所の職員(合唱サークルメンバー)が始めた音楽祭が発端だったそうだ。市役所の職員が県の助成事業に応募するというのは珍しいケースだが、ぜひ成功させていただきたいと思う。
http://www002.upp.so-net.ne.jp/hisapon/music/


橿原市の若手職員さん(かしはらコスモスうたまつり実行委員会)

NPO法人共生学舎は、「環境保全・里山農業第2次再生事業」を提案した。休耕田や放置山林を整備・再生し、収穫された農産物も加工・販売するという事業である。ユンボやトラック、トラクターを借り、多くの人が関わる。「中高年齢層の生活・環境の改善、いのちと暮らしを守り合い、やすらぎと生きがいを与え合う活動を行う」というが、なかなかマネの出来ない、素晴らしい活動である。


共生学舎

今回採択されたすべての事業(17事業)の概要は、県のHPに載っているので、ご参照いただきたい。福祉、地域おこし、文化・芸術、環境保全など、さまざまな分野で、こんなに熱心に地域貢献活動が展開されているというのは、頼もしい限りである。大いに奈良県を盛り上げていただきたい。
※採択事業決定!(奈良県ホームページ)
http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_itemid-48385.htm#moduleid33665

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2 コメント

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Unknown (月森砂名)
2010-06-27 09:10:42
先日のプレゼンでは、お世話になりました。

またプレゼンのようすをブログに掲載していただき、さらに舞台「祝祭祀あをによし」の東京からの1泊ツアーもトップにご紹介いただきましてありがとうございます。

昨年の5月。季節外れの炎天下。何日かにわたって歩いて、まとめたレポートを基に上げた企画書。飛び込みで持ち込んだところ、興味を持ってくださった旅行代理店の課長さんのおかげで組むことができたツアーです。

「平城宮跡」「祝祭祀あをによし─ご観覧」「橿原考古学研究所」「飛鳥の石舞台」「大神神社」というコースは、定番ではない魅力がふんだんに盛り込まれていると思います。


「もっと奈良を知って欲しい、触れて欲しい」

京都と混同されたり、「え?それも奈良だったの?知らなかった」と驚かれてとまどったり。ですがそんな皆さんの発見の中に、奈良に対する憧れのようなものを感じ取り、嬉しくもあり。

ぜひとも他の地域の方たちに知っていただきたい、とりわけ今は東京にいるので、東京の方たちに「正しく知ってもらい、遊びに来ていただきたい」と常日頃考え、行動しています。

ただ「知ってもらったからと言って、それが地域振興に結びつく」と言えるのかどうか。悩みつつ…。
しかしそこから始めなくては、何も先に進まないと思い直し。

幸い、興味を持ってくださったいくつかの関東の大学のおかげで、私自身も新たな発見や次の活動へのきっかけとなりました。

ぜひとも次に繋げてゆけるようがんばっていきたいと思います。

ご理解いただきました審査員を初め、自治体には篤く御礼を申し上げ、また広く皆様に活動について理解していただき、応援していただけるよう努力していきます。

今後ともどうぞご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
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リピーターを (tetsuda)
2010-06-27 15:02:51
月森さん、コメント有り難うございました。パワフルなご活動ぶりに、舌を巻いています。当ブログは、村田先生も見ておられるのでは。

> 昨年の5月。季節外れの炎天下。何日かにわたって歩いて、まとめたレポート
> を基に上げた企画書。飛び込みで持ち込んだところ、興味を持ってくだ
> さった旅行代理店の課長さんのおかげで組むことができたツアーです。

そうでしたか。中身の充実したツアーですね。

> ただ「知ってもらったからと言って、それが地域振興に
> 結びつく」と言えるのかどうか。悩みつつ…。しかし
> そこから始めなくては、何も先に進まないと思い直し。

知ってもらうことが第1歩です。ツアーもイベントも、1回きりですが、「あんな素晴らしい奈良にもう一度行きたい」と思ってもらえれば、今度はお友達を連れてきてくれます。良いキッカケづくりになることでしよう。
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