筆者は蘊蓄ともいえる語源を調べるために全国を旅しながら、その地の人たちと交流しておいしいものを食べて歩いている。こうした旅で本を書いて楽しみ本まで出しているのだ。ネタには事欠かないはず。
秋田と山形の県境にある鳥海山に近く、有耶無耶の関がある。昔、旅人を襲う山賊がいてそれを恐れた旅人がその山賊が最近出たかどうかを聞いた言葉「いるかいないか」から来たという「有耶無耶の関」本当だろうか。
江戸時代、おいしい酒は関西の伏見や灘から下ってきた酒と決まっていた。「くだらない」とはおいしい酒ではないということから。うん、これは聞いたことがある。
鹿児島にある焼酎の作り方に、蒸留するその方法から下から「チンチン」火を焚いて、上から蒸留された焼酎が「タラタラ」垂れてくる、非常に時間と手間のかかるやり方がある。これを薩摩地方では「チンタラ」するのは手間がかかるし時間がかかるという意味で使っていた。明治維新後、薩摩の人間が日本の警察や軍隊を仕切った時によく使った表現、「コラ、チンタラするんでねえ」これが全国に広まったという。
三重に関という東海道の宿場がある。そこでは京都の祇園祭によく似た山車を街中に繰り出して引き回す祭りがある。道の幅に限界があるので、山車のサイズにも限界がある、そこから大きく作ろうと思っても限界があることを「関の山」。
奈良の平城京には大極殿があった。その屋根を支える柱は4本、それが大極柱、大黒天に守られることから大黒柱と。
江戸の町に神田明神があり、その土手の土でこしらえたおちょこ、土がよくないので注いだお酒が漏ってしまう。そこでへなちょこ。江戸時代の江戸の町には牢獄があった、死刑になるのはまっぴら、その場所が「矢場」とよばれた。だからヤバイ。
まさに文字通り「下らない」のもあるが、読んでいるとそこに行ってみたくなることもあるので面白い。続編は「太鼓判は山梨で押せ」とのこと。機会があったら読んでみることにする。
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