意志による楽観主義のための読書日記

面白きこともなき世を面白くするのは楽観力、意志に力を与えるのが良い本 *****必読****推奨**閑なれば*ムダ 

神歌 山下卓 ***

2017年05月29日 | 本の読後感

野際昭輔はグローバル企業でグローバルリスクを対象とする保険会社PDSに勤める。以前は海外での傭兵経験もある。一線の現場から身を引く時期ではないかと会社のCEOや日本支社長の山崎からアドバイスされるが、まだ現場に未練はある。3か月の休暇をもらって考えてみろと言われ、一時帰国で日本に戻る飛行機で偶然出会ったコロンビアからの義足ダンサーの一団、その中の義足の少女リサ。飛行機の中でわずかな言葉を交わすが、非常に記憶に刻まれる。帰国後、偶然義足のダンサーのステージを目にして、助けを求められたことから事件に巻き込まれる。

 リサは、天使の羽というダンスグループに属しているコロンビアでの戦災孤児。傭兵時代に知り合った親友の妻である伊織、そしてその親友は死亡、伊織とは惹かれあっている。伊織の子の明里はすでに独立した女性。国際的ネットワークでビジネスを展開する。野際の学生時代の親友は今は警視庁に勤める青海、そして響子。三流雑誌の編集長の石神は様々なシーンで野際を助ける。

社会問題が提示されている。コロンビア内戦、そこで発生する戦争孤児、麻薬取引、政府と癒着する犯罪集団、麻薬密輸、その取引にまとわりつく日本のやくざ、子供の性的虐待、などなど。しかし何といっても本ストーリーを貫くのは女性の強さと社会的活躍。登場する女性はすべて美人で強い心の持ち主。

前半部分の物語のプロット提示ではその後の展開を期待させて引き付けられるが、後半は、野際の父の栄光に神がかり的な効果があり、リサの超能力もとってつけた感ありで、主人公に都合よすぎる展開があり、ストーリー的には若干しりすぼみ感も同時にある。それでも、物語全体としては、作者の筆の力もあってか最後まで読ませてくれる。

山下卓ファンには、こうしたハードボイルド感はたまらない魅力だろうと思う。

 

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