既報に引き続いて、火山噴火の影響で”その後雨量が少なくても発生しやすい”
(詳細はNHK 論説委員室ブログ2011ー2-9「新燃岳噴火 急がれる土石流対策」http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/参照)という現象がどうしてなのか?地震時の 液状化現象、ダイラタンシー現象との関連を含めて調べました。
「 基本的には、火山灰の堆積に起因する土石流は山全体の土壌が粘土質になり水はけが悪くなると解説されていました。・・・」
非常に危険な状態と思われます。万全な対策が望まれます。
⇒地震時の液状化現象*1(巻末)、およびダイラタンシー現象との関連については、土壌が粘土質のように高度に凝集しているのでなく、基本的には土壌粒子が分散していることが前提であることより、火山灰による土石流との関連はなさそうと思われます。
また、大部分はシリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)からなる火山灰によって堆積した山腹面に雨が降ったときの”水のpH”(酸性度)が土壌の分散と凝集状態を変えると想われます。
なぜならば、下図のシリカとアルミナおよびシリカ・アルミナ系化合物粒子の等電点(粒子が水中で電荷を失い沈殿するpH)は水のpHによっては正負逆になることより、雨のpHおよび火山灰のゼータ電位曲線によっては分散したり凝集したりすると想われます。
軽度に凝集した状態の粒子は一般的にはふわふわして流れやすいと想われます。細かい粒子が分散した状態で沈降していれば硬くしまった地盤になると個人的には想われます。
(google画像検索から引用)
粘土化して山腹に残留して、文字通り”雨降って地固まった”ため、水はけが悪くなり、火山灰堆積が終了後しばらくして、少量の雨で土石流が発生しやすかったと言われる三宅島の土石流の状態はどのようであったのか?
けたたましい火山灰の堆積によって、車体のガラスウインドウ(シリカから構成されているため負)に堆積して静電気力効果で取り除きにくい火山灰の洗車に追われる周辺地区の住民の苦悩は計り知れないと想われます。火山灰が負電荷のシリカだけなら簡単に取れると思われますが、正電荷のアルミナ、マグネシア(MgO)、イオウ化合物などがその組成中に含有しているため固着に影響していると想われます。
*1「液状化現象」によれば、
「・・・一般に、地盤は土や砂、水、空気などで構成されています。その中でも、液状化現象が起こりやすい地盤と言われるのは、海岸や川のそばの比較的地盤がゆるく(しめかためられていない)、地下水位が高い砂地盤などです。
弱い凝集状態
」