Coaching(コーチング)という日常の出来事

「コーチング」を生き方にしようとしながらの日々の出来事を綴ってます。

Zapposの奇跡。

2010-03-09 16:08:14 | オススメ
土屋さんのブログでおススメされていた本。それをきっかけに知ることができました。
ありがとうございます。

ザッポスの奇跡。

ザッポスの奇跡 The Zappos Miracles―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは
石塚 しのぶ
東京図書出版会

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どうしても「アマゾンの対極」「ネット企業なのにサービスを売り物にしている会社」というイメージになりがちなZapposですが、この本に書かれているのはZapposの持つ企業文化と、それを醸成、維持していくためのコアバリュー、リーダーシップ、マネジメントについて。

土屋さんも書かれてましたが、まさにこういう企業を創りたいと心から思います。
仲間全員に読んで欲しいと思います。

企業文化、コアバリューの大切さ。
驚きと感動を与えることに対する使命感。
徹底してコアバリューに基づいての採用、教育、評価。
社内コーチの存在。
そして、こういう話のときに忘れ去られがちな、あらゆる指標を作り、測って測って測りまくるという成果(もちろん売上、利益だけではない)主義。


かつて、私はVLで「社員を家族と思え」「会社は社員にとって家庭であり、道場であり、城であり、また遊園地にもしよう」と教えられ、その考え方にコミットし、関わる部下や仲間の人生そのものに関わる、というスタンスでマネジメントをしてきました。
そういう価値観、企業文化の元に、全員の努力の結果、VLは一時期「最も働きがいのある会社」に2年連続でランクインするまでになりました。仕事とプライベートの境目なんてなかったし、部下の家族とも会い、一緒に遊ぶ。日曜日に上司の家に遊びに行くのも当たり前。夜中も土日も関係なし。毎日が本当に充実していたし「自分の人生を生きている」という実感という意味においてはストレスはゼロといっていい環境でした。
だからこそ「素晴らしい企業文化」イコール「好業績」につながらないという現実も体験しました。

本の中で「経営戦略としてのサービス文化」という言葉が出てきます。
私はそれを読んで「いい商品を扱い、いいマネジメントを行う。そのうえで企業文化も良ければなおいいよね、という副菜的なアプローチではダメなのだ」と感じました。
本当にそこに軸を置き、企業文化そのものを商品としなければならない。
土壇場の意思決定で、企業文化と目先の利益、どちらを取るか。
言い換えれば、目先の利益を取らなければ存続できない、というところまで追い込まれるまでの過程でエラーがあったと、自分のことを振り返って思う。

取り扱う商品やサービスには決定的な差がないとすれば、TwitterやブログやSNSによって全顧客が「つながっている」以上、そこに「物語」が必要であり、その物語そのものが差別化のための商品になる。

企業文化を創るのは難しい。そして、それを維持することは更に難しく、崩れるのは一瞬です。

大きくなってからの修正は難しいかもしれない。
今、自分のいる組織はまだ数十人の規模です。これから競合が激しくなっていくなか、勝ち続けていくためのヒントがこの本の中にたくさん詰まっていると感じました。

本当に中身の濃い本。
ありがとうございます。


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