【摩天楼夜明けにかける魔法かな】哲露
元日は、恒例の映画の日。
今年は、二本はしごした。
一本目は、「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」。
ハリーポッターの世界観の続編くらいに思っていたから、その面白さに驚いた。
新作の舞台はニューヨーク。
お馴染みのテーマ曲がかかる中、摩天楼をゆく一人の男。
英国人であり魔法使いの、主人公の野暮ったさが胡散臭く好感が持てる。
主人公は、「リリーのすべて」で気持ち悪いほどの女装役を好演していたエディレッド・メイン。
魔法動物学の魔法使い、ニュート・スキャマンダーを演じている。
目を合わせて話をしない、シャイとも斜に構えたとも言える演技もなかなかのものだ。
ティナことポーペンチナ・ゴールドスタイン役のキャサリン・ウォルターソンがいい。
とても35歳とは思えない、可愛さだ。
また、パン屋さんを目指すノーマジ(イギリス的にマグル、人間)コワルスキー(ダン・フォグラー)がいい味を出していた。
ティナの妹のクイニーと終盤交わすくだりには、ほろりとしてしまった。
また、MACUSA(アメリカ合衆国魔法議会)の長官、グレイブスこと、コリン・ファレルの悪役とは面白い。
物語自体はわかりやすい設定ではあるが、期待以上に楽しめた。
5分休憩し、「ローグワン」を観る。
前作のキャスティングが秀逸だったので、この作品も楽しみにしていた。
やたら戦闘シーンが多く、人が殺し殺される場面が続く。展開も早い。
零戦は、大和人の特権という認識が多数だが、アルマゲドンやインディペンデンスデイにも見られた現象がここでも。
スルスルとリーダー格になったジンアーソに、最後はついていくキャシアンアンドーのセリフが忘れられない。
大義がなくなったら、これまで反乱軍のために犯してきた数々の汚れ仕事が報われない。
ISに流れる若者の言葉を聞く薄ら寒い気持ちになった。
収穫もあった。
チアルート・イムウェ役のドニー・イェンがカッコいい。
わしは、イップマン以来のファンだ。
これはネタバレになるが、ラストの終わり方は、これまたディープインパクトと同じやんけ。
期待しないで観た方が○ということか。
予期せぬサプライズが、人生の花束としたら、フラッと立ち寄るのが通というもの。
それは、映画鑑賞も、飲み屋も、ある種男女の出逢いも変わらぬセオリーかもしれないね。
それにしても、レイア姫こと、キャリーフィッシャーが亡くなって悲しい。
そしてお母さんがデビーレイノルズとは、新聞で初めて知った。
時代は移っていくものとして、年を経る寂しさを最近身にしみている。
次は単館ものがいいな。
成人式あたりは、いつものごとく冷える。
さて、雨雪が降る前に走ろっと。