大野威研究室ブログ

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ヴァージニア州シャーロッツビル市における白人至上主義者とその反対者との衝突: トランプ大統領が名指しで批判しないことに共和党からも批判

2017年08月14日 | 日記

 この週末、アメリカのメディアの注目をもっとも集めたのはヴァージニア州シャーロッツビル市における白人至上主義者とその反対者との衝突であった。

<背景>

 アメリカ南部ではこの数年、南北戦争の南軍旗(奴隷制を維持するためアメリカから独立を宣言した南部連合の旗)や南軍司令官リー将軍の銅像を公の場から撤去しようとする動きが大きくなっている。(映画ミシシッピー・バーニングニュートンナイトを見ると背景がわかります)

 今回衝突がおこったシャーロッツビル市でも、2016年に高校生がリー公園(2016年6月に解放公園に名称変更)にあるリー将軍像の撤去を求める署名を集めるなどの運動がおこり、2017年2月に市議会は3対2で銅像の撤去を決定した。

 しかしそのような動きへの反対も強く、2017年3月には反対派が銅像撤去の権限がないと市を訴え、現在裁判が続いている(銅像撤去は中断)。(NYT 2017/8/13

 こうした中、2017年8月13日(日)、白人至上主義者(white supremacists)とか白人国家主義者(white nationalists)と呼ばれる人たち数百人が銅像撤去に反対してシャーロッツビル市に結集。それに反対する人たちとの衝突が発生した。

 州知事が戒厳令を発する中、白人至上主義者とみられる男性が車で反対派の人々の間に突入し32歳の女性が死亡、十数人が重軽傷をおった。

<トランプ大統領の対応>

 こうした事態に、共和党の重鎮(ルビオ氏や保守強硬派テッド・クルーズ氏など)から白人至上主義者を名指しして批判する発言があいついだ。

 しかしトランプ大統領は白人至上主義者を名指しすることを避け、さまざまな立場にある者の暴力や社会の混乱を批判するとの内容のコメントを繰り返し、共和党内からも批判が出ている。

 ちなみにトランプ氏の大きな支持基盤となっているインターネット掲示板ブレイトバートをみると、今回の社会的混乱について白人至上主義者を批判するコメントは少数で、むしろ白人至上主義者たちの表現の自由が(反対派やメディア、行政によって)奪われたと憤慨するコメントが圧倒的に多い。

 今回の事件で、あらためてアメリカにおける人種対立の深刻さを思い知らされた。

ジャンル:
経済
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