大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

上院共和党、オバマケア改廃案への賛成が過半数に達せず、採択断念か?

2017年09月23日 | 日記

 2017年9月22日(金)アメリカのメディアはそろって、オバマケア改廃案への賛成が過半数に達しない見込みが高まったと報じた。

 上院の定数は100人で、共和党は52人。共和党から3人の離反者が出ると法案は成立しない。

 これまでケンタッキー州のランド・ポール上院議員(共和党)が法案に反対の態度を明確にしていたが、金曜になってアリゾナ州のマケイン上院議員(共和党)も反対の姿勢を明らかにした。

 このほかにアラスカ州のリーサ・マーカウスキー上院議員(共和党)とメイン州のスーザン・コリンズ上院議員(共和党)も反対寄りとみられており、共和党が上院で過半数の支持を得るのは難しくなった。

 非常に複雑なアメリカの議会ルールにより、オバマケア改廃案は今月中に可決しないと以降は可決に60人が必要になり、共和党主導でのオバマケア改廃は事実上不可能(終了)となる。

 10月以降は超党派での話し合いが進むとみられている。

 実際すでに共和党と民主党でオバマケアの修正協議がはじまっており(現在は一時中断)、オバマケアの基本骨格を維持しながら州の自由裁量を増やすなどの検討がおこなわれている。

 

2017年9月26日(火)追記

 2017年9月24日(日)上院共和党は、マーカウスキー上院議員(アラスカ州)とコリンズ上院議員(メイン州)の賛成を得るため、アラスカ州とメイン州への連邦政府の拠出額(固定額)をそれぞれ3%、43%引き上げ修正案を公表した。

 しかし9月25日(月)、コリンズ上院議員は法案への反対を表明し、法案通過の可能性がさらに低くなった。

 ちなみに法案反対を最初に表明したポール上院議員(ケンタッキー州)は保守派で、州への拠出額(固定額)をさらに小さくすることを求めている。ただポール議員は、前回のオバマケア改廃案に賛成票を投じており、私個人は氏は最終局面で賛成票を投じる可能性もあるのではと思っている。

 そうなると、鍵となるのはマーカウスキー議員の投票ということになる。

 前回のオバマケア改廃案(スキニー法案)では、マケイン議員、コリンズ議員、マーカウスキー議員3人の反対で、ぎりぎり法案が否決されている。