平成19年(2007年)新潟県中越沖地震について。
亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
新潟県上中越沖が震源域と聞き、北海道南西沖地震(1993年)や日本海中部地震(1983年)、更には新潟地震(1964年)を引き起こした「生まれたての海洋プレート境界」が動いたと一時思ったが、震源の深さ15kmという浅さから海底地殻内の断層による直下型という事らしい(
地震調査研究推進本部の評価)。
緊急停止後に火災を起こし、運転再開の目処が立たない東電柏崎刈羽原発がこの断層の延長上にあるのではという説もあり、建設時の立地調査が不充分ではないかという声も聞かれるが、海底の伏在断層は発見すら覚束無い現状ではそこを責めるのは気の毒という物であろう。むしろ微量の放射線漏洩で済んだ安全性について評価されるべき。東海地震想定震源域直上にある中電浜岡原発然り、いわゆる「近畿トライアングル」の直近にずらりと並ぶ若狭湾の原発銀座然り、日本の国土に建設する限りほぼ全域でこういった大地震の可能性を排除する事は不可能なのだから、地震発生時の安全対策を考えたほうが建設的であると思う。
震度6強を観測した新潟県柏崎市に、シェア80%を超える自動車のクランクシャフト製造工場があり、今回の地震で甚大な被害を受け操業停止状態となった。我が社を始め国内の自動車メーカから大量に人材が派遣され全力で復旧にこれ努めているとの事だが、操業再開は早くて来週頭にずれ込む見込み。影響でこちらも今日から週末いっぱい稼働停止である(
車6社が一時生産停止へ、部品メーカーの地震被災受け:Yahoo!ニュース・読売新聞)。
それにしても、被災地では水道やガス等のライフライン復旧が最優先されるべきところを、トップシェアの自動車メーカたる連中が自社の都合最優先で現地では白い眼で見られているらしい。何とも嘆かわしいし恥ずべき事態である。年間一兆円超の利益の何%かでも復興資金としてポンと寄付するくらいの豪気さなど、カンバンとカイゼンに追われるこの会社には望むべくも無い…という事か。