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てらまち・ねっと



 アメリカのトランプ政権が発足して、ちょうど1年。その内幕を暴露した本が昨日出版され、世界中から注目が集まっているらしい。
 1年前の大統領選では「陣営は敗北を予想」していたという。「大統領選に勝利したトランプ陣営は『落胆』」との旨もある。

 また、次期の大統領候補について、個人的には、娘の「イヴァンカ」を念頭に進めているとみていたが、その推測に間違いはなかったようだ。
 内容が外れていなかった、あるいは真実だったからだろう、大統領が即座に反応、★≪朝日/暴露本についても「いんちき」と断じた。大統領が公式声明を出してこうした批判をするのは異例だ≫、加えて「出版差し止め要求」までしたことで、注目度が高まり、出版日が繰り上げられたという。
 
 暴露している元最側近のバノン氏は
 ★≪CNN/大統領選挙さなかの2016年8月からトランプ陣営に加わり、陣営内部で強い影響力を振るった。ケリー大統領首席補佐官の就任に伴って更迭された後も、トランプ氏の非公式の顧問として影響力を維持。大統領のポピュリスト運動を実質的に率いてきたのもバノン氏だった≫
 ★≪朝日/バノン氏は一昨年8月にトランプ陣営の選対トップに就任。排外主義的な「米国第一」政策を掲げ、トランプ大統領誕生の立役者となった。だが政権内でクシュナー氏らと激しく対立し、昨年8月に更迭された。バノン氏は解任後の朝日新聞の取材にも「よく電話で話す。だいたい彼が私に掛けてくる」などと述べ、トランプ氏との関係は良好だとしていた≫

 政権は神経質で気まぐれなので、役所についても
 ★≪日経/ホワイトハウスは来週から大統領執務室をはじめ政権幹部の部屋が集中するウエストウイング(西棟)での個人の情報端末の使用を禁じる方針で、職員らによる内部情報の漏洩に神経質になっている・・・この本に多数の政権の内部情報が載っているためだ。・・・今後、職員は政府が支給する情報端末だけで業務をすることになる≫

 ともかく、今年の秋に上院議員の選挙があり、ただでさえ、与党共和党が負けるとの予想が多い中、決定的な「マイナス」。
 ★≪ブルームバーグ/昨年末に成立した税制改革法が他の優先課題の推進に追い風となると、期待を胸に2018年を迎えたトランプ米大統領だが、政権の内幕を描いた書籍の内容が報じられ、大統領と元首席戦略官スティーブ・バノン氏との不和も表面化したことで、そうした勢いは一気に失われてしまった。≫

 ということで、今日は、以下を留めておく。
 なお、今朝の気温はマイナス1.2度。明け方になって気温で上がってきているのは、雲が出てきているからだろう。 相応の服装でウォーキングへ。

●トランプ大統領、元最側近に激怒 息子を「反逆的」と批判され/CNN 2018.01.04 10:45
●バノン氏は「正気を失った」 トランプ氏が猛烈批判/朝日 2018年1月4日 11時55分
●スティーブン・バノン氏がトランプ政権の内幕を暴露 髪型の秘密にも言及/AFPBB 2018年1月4日 12時1分/

●バノン氏、トランプ大統領の支持を継続すると表明-関係修復へ火消し/ブルームバーグ 2018年1月5日 0:20
●トランプ氏は「偉大な男」=今も米大統領支持-バノン氏/時事 2018/01/05-00:43
●トランプ氏、政権内幕本の出版差し止め要求 バノン氏「大統領を支持」/日経 2018/1/5 8:23

●トランプ政権暴露本、弁護士が出版差し止めを要求/CNN 2018.01.05 12:39
●米政権暴露本 政権側抗議で需要高まり…/日テレ 1/5 12:52
●内幕本の登場、トランプ政権の野望に水差す-バノン氏との不和も露呈/ ブルームバーグ 2018年1月5日 13:13

●トランプ大統領の暴露本に書かれた、5つの中身とは? 「ロシア疑惑」から「友人の妻との性行為」まで 出版差し止め請求を受けて前倒しで5日に発売されると著者が声明/ ハフィントンポスト 2018年01月05日 17時37分
●トランプ氏は「勝って当惑、夫人は悲しい涙」 話題の新著から11の驚き/BBC 2018年01月5日 

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●トランプ大統領、元最側近に激怒 息子を「反逆的」と批判され
     CNN 2018.01.04 10:45
 ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は3日、最側近だったスティーブ・バノン前首席戦略官の発言を巡り、同氏が「正気を失った」などと強い口調で非難する声明を発表した。

バノン氏は近く出版される内幕本の中で、大統領選挙のさなかにトランプ氏の長男ジュニア氏や娘婿のジャレッド・クシュナー氏がロシアの弁護士と会っていたことについて、「反逆的」「非愛国的」と形容していた。

トランプ大統領の3日の声明では、「スティーブ・バノンは私とも大統領としての私とも何の関係もない。彼は解任された時に職を失っただけでなく、正気も失った。スティーブは、私が17人の候補者を制して指名を勝ち取った後に、私のために働いたスタッフだった」と強調した。

トランプ大統領はさらに、バノン氏がマスコミと慣れ合っていたとする批判も展開し、同氏は首席戦略官時代、「偽情報」を流すことに多くの時間を費やしたと主張している。

トランプ政権の内幕を暴露した書籍の一部内容は、3日の英紙ガーディアンの報道で明らかになった。この中でバノン氏はジャーナリストのマイケル・ウルフ氏のインタビューに応じ、ジュニア氏やクシュナー氏ら陣営幹部の3人が、民主党の候補者だったクリントン氏に不利な情報を入手する目的でロシアの弁護士と会ったことを批判している。

「この陣営幹部の3人は、トランプタワーの25階にある会議室で外国政府と会うのがいいアイデアだと考えた。自分たちの弁護士も同席させずに」。バノン氏はそう語り、この会談は「反逆的、非愛国的、あるいは危険なこと」だったと形容、「即座にFBI(米連邦捜査局)に通報しなければならない」ような問題だったとの認識を示した。

ホワイトハウスのサンダース報道官は3日の定例会見で、トランプ大統領はバノン氏の発言に激怒していると述べ、ジュニア氏の行動が反逆的と形容されたことについては「馬鹿げた非難」と反論した。

CNNはバノン氏にコメントを求めたが、これまでのところ返答は得られていない。

バノン氏は大統領選挙さなかの2016年8月からトランプ陣営に加わり、陣営内部で強い影響力を振るった。ケリー大統領首席補佐官の就任に伴って更迭された後も、トランプ氏の非公式の顧問として影響力を維持。大統領のポピュリスト運動を実質的に率いてきたのもバノン氏だった。

●バノン氏は「正気を失った」 トランプ氏が猛烈批判
        朝日 2018年1月4日 11時55分 ワシントン=杉山正
 トランプ米大統領は3日、最側近だったバノン前首席戦略官について、「解任される時、職だけではなく、正気も失った」と激しく批判した。近く出版されるトランプ政権の暴露本でトランプ氏の親族らを批判し、ロシア疑惑の捜査が進むなどと述べたことに反発したとみられる。

 トランプ氏は声明でバノン氏について「私や、私の大統領の地位に何の関係もない」「私と一対一で面会することはめったになかった。一部の人をだますために影響力があるように装っているにすぎない」と突き放した。暴露本についても「いんちき」と断じた。大統領が公式声明を出してこうした批判をするのは異例だ。

 暴露本はジャーナリストのマイケル・ウルフ氏が今月出版する予定。トランプ氏や側近らのべ200人に対する1年半にわたるインタビューに基づいているという。

 出版に先立ち、英紙ガーディアンと米誌ニューヨークなどが伝えた抜粋によると、バノン氏は、トランプ氏の息子ジュニア氏や娘婿クシュナー氏らが一昨年6月の大統領選中にロシア人弁護士と面会したことを「反逆的で非愛国的」と批判。「すぐにFBI(連邦捜査局)を呼ぶべきだった」と話したという。またジュニア氏がロシア人弁護士をトランプ氏自身に引き合わせた可能性にも言及した。

 ロシア疑惑を捜査しているマラー特別検察官は、ジュニア氏とロシア人弁護士の面会について調べているとされる。

 ロシア疑惑については、マラー特別検察官の捜査の焦点が資金洗浄(マネーロンダリング)にあると分析。ジュニア氏やクシュナー氏は資金洗浄の疑惑が濃厚だとし「(マラー氏は)ジュニアを卵のようにたやすく割るだろう」と語った。また「(クシュナー氏らを)絞り上げた上で、争うか取引するかを迫るだろう」と話した。

 ロシア疑惑の捜査に直面しているトランプ政権についても「ビーチで座って、カテゴリー5(超大型ハリケーン)を止めようとしている」と比喩を使って無策ぶりを表現したという。

 バノン氏は一昨年8月にトランプ陣営の選対トップに就任。排外主義的な「米国第一」政策を掲げ、トランプ大統領誕生の立役者となった。だが政権内でクシュナー氏らと激しく対立し、昨年8月に更迭された。バノン氏は解任後の朝日新聞の取材にも「よく電話で話す。だいたい彼が私に掛けてくる」などと述べ、トランプ氏との関係は良好だとしていた。(ワシントン=杉山正)

●スティーブン・バノン氏がトランプ政権の内幕を暴露 髪型の秘密にも言及
        livedoor AFPBB News 2018年1月4日 12時1分
 【AFP=時事】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が掲載した抜粋部分は以下の通り。
■陣営は敗北を予想
 大統領選当日(2016年11月8日)午後8時すぎ、トランプが本当に勝利するかもしれないという思いもよらない大勢が判明してきた時、ドン・ジュニア(トランプの長男ドナルド・トランプ・ジュニア、Donald Trump Jr)は友人に、父のことを指してDJTはまるで幽霊のように見えたと語った。メラニア(トランプ夫人、Melania Trump)は涙を流していたが、喜びの涙ではなかった。

 スティーブ・バノンがさして面白くもない観察を1時間あまり続けている間に、放心したトランプから、起きたことが信じられないトランプ、怖気づいたトランプへと次々に変わっていった。だが、最後の変身、つまり自身が米国の大統領にふさわしく、なりきれると信じる男への変身はまだだった。

■対ロ接触は「反逆」
 陣営の幹部3人であるトランプ・ジュニア、娘婿のジャレッド・クシュナー(Jared Kushner、現上級顧問)、ポール・マナフォート(Paul Manafort、当時の選対本部長)は、弁護士の立ち会いなしでトランプ・タワー(Trump Tower)25階の会議室で外国政府関係者と会うのは良いアイデアだと考えた。実際、弁護士は一人も同席しなかった。これが反逆的だとか、非愛国的、あるいはひどいことではないと思われていたとしても、私はそのすべてが当てはまると考えている。すぐFBI(連邦捜査局)に連絡すべきだった。

■「真の敵は中国」
「真の敵は中国だ」とバノンは言った。中国は新たな冷戦(Cold War)の最前線にいる。中国がすべてだ。他はどうでもいい。中国に好き勝手にやらせてはならない。そんなことは一切許してはならない。単純なことだ。中国は1929~30年のナチス・ドイツ(Nazi)のようなものだ。当時のドイツ人と同じように、中国人は世界で最も合理的な国民ではある。そうでなくなるまでは。彼らもまた30年代のドイツと同様、熱狂しつつある。超国家主義の国が誕生しそうになっている。そうなってしまえば誰にも止められない。

■娘も大統領に野心
 イヴァンカ(・トランプ、Ivanka Trump、大統領補佐官)とジャレッドは、ウエストウイング(West Wing、ホワイトハウス西棟)での役割について、周囲の人たちからのアドバイスを受けながら、リスクと見返りをよく考えた上で引き受けることを決めた。それは夫婦が一緒に決めたことであり、ある意味で一緒に仕事をするということだ。二人の間では本気でこう決めている。いつの日か機会が訪れれば、イヴァンカが大統領選に出馬すると。イヴァンカは米国初の女性大統領はヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)ではなく、自分だと考えて悦に浸っている。

■毒殺恐れマックへ
 トランプは長い間、毒殺されるのではないかと恐れてきた。彼がマクドナルド(McDonald's)で食事をするのが好きな理由の一つもそれにある。自分が来ると知っている人がおらず、食べ物は事前に安全に作られているからだ。

■側近らも辛口批判
トランプは夕食後に電話で話をした際、スタッフそれぞれの欠点について根拠もなくあれこれ語っていた。バノンは不誠実でいつもひどい身なりをしている、(ラインス・)プリーバス(Reince Priebus、前大統領首席補佐官)は貧弱でちび、クシュナーはご機嫌取り、ショーン・スパイサー(Sean Spicer、前大統領報道官)はばかで見た目も悪い、ケリーアン・コンウェー(Kellyanne Conway、前大統領顧問)氏は泣き虫だなどとね。イヴァンカとクシュナーに関しては、ワシントンに来るべきではなかったとも言っていた。

■あの髪形の秘密も
 イヴァンカはトランプと一定の距離を置き、トランプの前後左右になでつけた髪形も皮肉交じりに周囲に語っている。イヴァンカは友人たちによくこんな裏話をしている。スカルプリダクション手術(はげ治療のために脱毛部分の頭皮を除去する手術)をした後の、てっぺんだけきれいに髪の無い頭は両横と前の髪に囲まれている。その髪の毛を全部真ん中に集めて後ろに流して、スプレーで固める。髪染めは「ジャスト・フォー・メン(Just for Men)」を使うのだが、液剤を塗ってから時間を置くほど、髪の色は濃くなる。トランプのあのオレンジ色のブロンドは短気の表れだとね。

●バノン氏、トランプ大統領の支持を継続すると表明-関係修復へ火消し
        ブルームバーグ 2018年1月5日 0:20
 トランプ大統領から強い非難を受けて不和が決定的となったスティーブ・バノン氏が、大統領への支持を継続すると表明した。

 トランプ政権で首席戦略官ならびに上級顧問を務めたバノン氏は4日朝、ブライトバート・ラジオで「われわれとトランプ大統領、大統領の政策課題の間に割って入るものは何もない」と発言。「この政策課題について、われわれはかつてないほど団結している」と続けた。

  バノン氏は、ジャーナリストのマイケル・ウォルフ氏がトランプ政権の内幕を描いた書籍の中で、トランプ氏の親族とロシア人との会合を「国家への裏切り」などと発言したとされており、トランプ氏の怒りを買った。トランプ氏の弁護士は本人や一族についてのバノン氏の中傷発言で秘密保持契約が破られたとし、バノン氏に違反行為の即時停止を求める通告書を送付した。

  バノン氏は3日夜のシリウスXMラジオの番組「ブライトバート・ニュース・トゥナイト」でも、「米国大統領は偉大な人物だ」とし「私が大統領を常に支持しているのは周知の通りだ」と述べていた。

●トランプ氏は「偉大な男」=今も米大統領支持-バノン氏
           時事 2018/01/05-00:43
 【ワシントン時事】バノン前米大統領首席戦略官・上級顧問は、自身が会長を務める右派メディア「ブライトバート」に4日付で抜粋が掲載されたインタビューで、トランプ大統領について「偉大な男だ。どこで演説しようが毎日支持している」と述べた。

 バノン氏をめぐっては先に、2016年の大統領選中にトランプ氏の長男らがロシア関係者と接触したことを「売国的だ」などと批判したと報じられた。これを受けてトランプ氏は「彼はクビになり、職とともに正気を失った」と非難するコメントを発表。昨年8月のバノン氏の辞任後も続いていた両者の関係が断絶したとの見方も出ていた。

●トランプ氏、政権内幕本の出版差し止め要求 バノン氏「大統領を支持」
         日経 2018/1/5 8:23
 【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は4日、政権の内幕を描いた本の出版の差し止めを著者と出版元に要求した。この本でバノン前首席戦略官・上級顧問はトランプ氏の長男らを非難し、問題化している。ホワイトハウスは来週から大統領執務室をはじめ政権幹部の部屋が集中するウエストウイング(西棟)での個人の情報端末の使用を禁じる方針で、職員らによる内部情報の漏洩に神経質になっている。

 トランプ氏が自らの弁護士を通じて出版差し止めを求めたのは、ジャーナリストのマイケル・ウォルフ氏が著した「炎と怒り」。ウォルフ氏はこれに対抗し、9日に予定していた本の発売日を5日に前倒しするとツイッターで明らかにした。

 ホワイトハウスが個人の情報端末の使用を禁じるのは、この本に多数の政権の内部情報が載っているためだ。サンダース大統領報道官によると、対象は職員だけでなく訪問者も含まれる。今後、職員は政府が支給する情報端末だけで業務をすることになる。

 一方、バノン氏は3日、ラジオ番組に出演してトランプ氏を「偉大な人だ。私は毎日、彼を支持している」と称賛した。トランプ氏は家族を非難されて激怒しており、バノン氏は関係修復を図った形だ。これを受け、トランプ氏は4日、ホワイトハウスで記者団に「彼は私のことを偉大な男だと言った。明らかに態度を素早く変えた」と語った。ただ「私は彼とは話さない」とも述べた。

 米メディアによると、トランプ氏はバノン氏に対し、弁護士を通じて政権の内部情報を漏らすのはやめるよう求める通告書を出した。

●トランプ政権暴露本、弁護士が出版差し止めを要求
       CNN 2018.01.05 12:39
 ニューヨーク(CNNMoney) トランプ米政権の内幕について描いたとされる暴露本をめぐり、トランプ大統領の弁護士は4日朝、同書の出版差し止めなどを求める書簡を著者のマイケル・ウルフ氏と出版社のヘンリー・ホルト社に送った。

CNNMoneyが入手した写しによると、書簡は出版社に対し、同書の「これ以上の出版や発売、配布」を差し止めるよう要求する内容。同書の書名は「Fire and Fury: Inside the Trump White House(仮訳:炎と怒り、トランプホワイトハウスの内部)」となっている。

ウルフ氏の本にはホワイトハウスの混乱や機能不全についての衝撃的な引用や主張が数多く記されている。他の媒体でかねて報じられてきたことを確認し、新たな詳細を付け加える内容だが、既に同書を読んだ書評者によると、一部には誤りも含まれているという。

弁護士の書簡は同書からの抜粋部について、大統領に関する「誤った、もしくは根拠のない意見」が含まれていると主張。名誉毀損(きそん)などの訴えを起こす可能性も示唆している。

ただ法律の専門家は、実際に訴訟が提起される可能性は非常に低いとの見方を示した。

同書をめぐっては、ホワイトハウスのスティーブ・バノン前首席戦略官がトランプ氏やその家族について辛らつな内容を語っていることが報じられており、トランプ氏の弁護士は前日、バノン氏に対し訴訟を示唆する書簡を送っていた。

●米政権暴露本 政権側抗議で需要高まり…
     日テレ 1/5 12:52
近く発売されるアメリカ・トランプ政権の暴露本をめぐり、大統領の弁護士が出版差し止めを求めた。これに対して、出版社側は「需要が高まっている」として発売日を前倒すことを決めた。 この本は、トランプ大統領の「最側近」とされるバノン前首席戦略官らのインタビューを交え、政権の内情を暴露したもの。

3日、メディアで内容の一部が報じられると大統領は激怒。大統領の弁護士は名誉毀損(きそん)にあたるなどとして、出版社側に出版差し止めと謝罪を要求し、バノン氏に対しても職務上知り得た情報の漏えいと、大統領とその家族に対する批判をやめるよう求めた。 これに対して、出版社側は「需要が高まった」として予定日を前倒しし、5日から発売すると明らかにした。

一方、トランプ政権は4日、来週から、ホワイトハウスの大統領執務室がある西側の棟で、個人携帯の使用を禁止すると発表した。職員だけでなく訪問客も対象になるという。報道官は、「セキュリティーのため」などと説明しているが、トランプ政権の暴露本の内容が大々的に報じられた直後だけにメディアへのリークを防ぐ狙いがあるとの見方も出ている。

●内幕本の登場、トランプ政権の野望に水差す-バノン氏との不和も露呈
          ブルームバーグ 2018年1月5日 13:13
昨年末に成立した税制改革法が他の優先課題の推進に追い風となると、期待を胸に2018年を迎えたトランプ米大統領だが、政権の内幕を描いた書籍の内容が報じられ、大統領と元首席戦略官スティーブ・バノン氏との不和も表面化したことで、そうした勢いは一気に失われてしまった。

  コラムニストのマイケル・ウォルフ氏は新著「炎と怒り」でバノン氏らの情報を基にトランプ政権の機能不全や裏切り、混乱を描いている。出版社のヘンリー・ホルトによれば、大統領の弁護士は同社とウォルフ氏に同書の販売停止を求める書簡を送った。だがウォルフ氏は、同書の発売が5日に前倒しされるとツイートした。

  現在7期目で今年の中間選挙への不出馬を表明している共和党のチャーリー・デント下院議員は同書に関し、大統領任期のまだ早い段階で政権内のごたごたが本にされて「バノン氏がナイフを振りかざしたことは驚きだ」とし、「大統領を取り巻く人々は彼に特別な忠誠を感じておらず、大統領も彼らに特に誠意をもって臨んでいない」と語った。

  ホワイトハウスは福祉制度の見直しや大掛かりなインフラ整備イニシアチブ、トランプ氏が公約の目玉に掲げてきたメキシコ国境の壁建設など、政権の政策課題の進展を図りたい考えだったが、突然の展開によってそれも危ぶまれる事態となっている。再開したばかりの予算協議で民主党指導部に対する大統領の立場も弱められた形だ。

●トランプ大統領の暴露本に書かれた、5つの中身とは? 「ロシア疑惑」から「友人の妻との性行為」まで 出版差し止め請求を受けて前倒しで5日に発売されると著者が声明。
   ハフィントンポスト 2018年01月05日 17時37分
 アメリカのドナルド・トランプ大統領に関する暴露本の発売が予告され、その内容や発売を巡る攻防に対して注目が集まっている。

タイトルは「Fire and Fury: Inside the Trump White House(炎と怒り:トランプのホワイトハウス、その内側)」。

BBCなどによると本書には、2017年8月に首席戦略官兼大統領上級顧問を解任されたスティーブ・バノン氏を含む、200人以上へのインタビューを元にし、ホワイトハウス内部の混乱が書かれているという。

トランプ氏はかつての側近、バノン氏は「解任されて『正気を失った』」と攻撃している。

本の内容は? 気になる本の内容はどんなものだろうか?
著者のマイケル・ウルフ氏は発売に先立って複数のメディアのインタビューを受けており、主要な一部が既に公開されている。これまで報じられた主な要素は以下のようなもの。

「暴露」内容は、政権を揺るがしかねないものから、個人的なものまで様々なようだ。

1.「ロシア疑惑」めぐる新たな証言:バノン氏はトランプ氏の長男を「売国的」と非難していた 
トランプ氏の長男は、大統領選中の2016年6月、ヒラリー氏に不利な情報を提供すると申し出たロシア人弁護士と、トランプタワー25階の会議室で面会していた。

この面会について、バノン氏は暴露本の中に収録されたインタビューで「(たとえこの行動が)売国的で非愛国的で最低最悪だと思わなかったとしてもー自分はそう思ったがーすぐにFBI(連邦捜査局)に連絡すべきだった」と批判しているという。

この面会について、トランプ氏の長男は過去の報道に対して事実と認めた。一方で、ホワイトハウスはこの面会には何の問題もなく、FBIの特別検察官による捜査は「魔女狩り」だとして火消しに取り組んできた。

しかし、このインタビューによって、実際にはバノン氏のような元側近もこの面会を問題視していた可能性が浮上している。

面会は、ロシア政府が大統領選に介入したとされる「ロシア疑惑」の一端を担う問題だ。一方でロシア大統領府は、弁護士について政府は何も知らないと表明している。

2. 大統領選に勝利したトランプ陣営は「落胆」
著書では2016年11月に大統領選に勝利した際のトランプ陣営の「落胆」について触れられているという。この部分はニューヨーク・マグで事前に公開されている。

スティーブ・バノン氏の目の前で、当選確実となったトランプ氏自身は当初、当惑していたという。しかし、しばらく愕然とした後、突如として「自分は大統領にふさわしい、完全に能力を備えた人間だ」と信じるように変身をとげたという。

3. トランプは友人の妻たちとの性行為が「生きる価値」と自慢
本書では、トランプ氏の友人からの情報をソースとして、トランプ氏が友人の妻たちとの性行為が「生きる価値」だと自慢していたと書いている。

トランプ氏は友人の妻を口説くため、オフィスで友人と話をしている場面を友人の妻に盗聴させていたという。

その会話の中ではわざと、夫側に「まだ奥さんとのセックスがいいのか?どのくらいするんだ?」などと聞いて、妻側を失望させるのが常套手段だったという。

4. イヴァンカが政権入りしたのは、将来の大統領を目指すため
著書では、実業家だったトランプ氏の娘、イヴァンカとその夫のジャレッド・クシュナー氏が周囲の反対を押し切って政権入りしたのは、将来的に大統領を目指すためだったと書かれているという。

夫婦は、その際にはイヴァンカ側が大統領候補として出馬するという約束を交わしているという。

クシュナー氏との確執が伝えられているバノン氏は、その2人の約束を知り、驚愕したという。

5. イヴァンカはトランプの髪型の秘密を暴露
また、イヴァンカ氏は、大統領選出馬前からテレビなどでネタにされていた父親の髪型の秘密を他人に暴露し、からかっていたという。

イヴァンカ氏の説明によると、トランプ氏は頭頂部に髪の毛がないことから「頭皮後退手術」を受けてその広がりを抑え、その周りの髪の毛を中央で寄せ集め、後ろに流して固めることで隠しているという。

なお、独特のオレンジ色の髪は「ジャスト・フォー・メン(男性専用)」という商品によるものだという。

前倒しで出版
政権に打撃となる告発が含まれているという報道を受けて、トランプ大統領の顧問弁護士は、著者と出版社に対して出版差し止めや公表の停止などを請求した。これを受けて著者のマイケル・ウルフ氏は、発売を1月5日に前倒しするとコメントした。

通知では著者のウルフ氏がトランプ大統領に対して「虚偽の事実や根拠のない」発言を繰り返しているとして、名誉毀損での提訴も検討しているとしている。ウルフ氏は政治家やメディアの裏側について実績のあるジャーナリスト。

一方で、トランプ氏側の弁護士は、バノン氏に対しても「トランプ・オーガナイゼーションと交わした秘密保持契約に違反した」として警告している。

●トランプ氏は「勝って当惑、夫人は悲しい涙」 話題の新著から11の驚き
      BBC 2018年01月5日 
ジャーナリスト、マイケル・ウルフ氏による9日発売の新著「Fire and Fury: Inside the Trump White House(炎と激怒――トランプ政権の内側)」は、ドナルド・トランプ米大統領が当選して「当惑」し、ホワイトハウスを怖い場所だと思っていたと書いている。

元側近のスティーブン・バノン氏が、トランプ氏の長男がロシア人弁護士と面会したのを「売国的」と呼んでいるという内容が3日に明らかになり、大統領がこれに反論するなど、発売前から大きな話題となっている。ウルフ氏は200人以上を取材したと説明し、政権内部の様子を取材するため、トランプ大統領就任以降、ホワイトハウスの執務棟「ウェストウィング」内の「ソファにほぼ専属の場所を」獲得していたと書いている。

一方で、ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官はこの著書について、「ホワイトハウスに何のアクセスも影響力もない複数の個人から聞き取った、作り事や誤解を招く話に溢れている」、「下品なタブロイド的でっちあげとしかいいようがない本」と強く非難した。

トランプ氏と元側近バノン氏の対立噴出 ワシントンは呆然
本の中から11の驚きの内容を、BBCのアンソニー・ザーチャー記者のコメントと共に紹介する(敬称略)。

1. バノンはドナルド・ジュニアを「売国的」と
バノンはドナルド・トランプ・ジュニアが大統領選中の2016年6月に、ヒラリー・クリントンに不利な情報を持つというロシア人弁護士と面会したことについて、「売国的」で「愛国心にもとる」と表現している。

著者によると、バノンは面会について、「選対の幹部3人が、トランプ・タワー25階の会議室で外国政府と、弁護士なしで会うのは良いアイデアだと判断した。弁護士は1人もいなかった。たとえこれが、売国的で非愛国的で最低最悪だと思わなかったとしても、ちなみに自分はそう思ったわけだが、ただちに連邦捜査局(FBI)に連絡すべきだった」と話したという。

インタビューでバノンは、ロシア当局とトランプ陣営の結託をめぐる捜査について、「連中は全国放送でドン・ジュニアを卵みたいにかち割るはずだ」と述べたという。

ザーチャー: わずか数行でバノンは、トランプ・タワーでのあの会談について火消しようとしてきたホワイトハウスのこれまでの取り組みを吹き飛ばした。ホワイトハウスは、会談は重要ではなく、ロバート・ムラー特別検察官の捜査は「魔女狩り」だと一蹴しようとしてきた。しかしバノンは、会談は「最悪」だったと言っている。加えて、もっと許しがたいことに、馬鹿な行為だったと。トランプ家の一員に対する激しく個人的な攻撃なだけに、その影響は痛烈だ。

2. トランプは当選して「当惑」
著書に取り込んだ米誌ニューヨーク・マグ記事で著者は、2016年11月に大統領選に勝った際のトランプ陣営の驚きと、落胆を描いている。

「選挙の夜の午後8時過ぎに、トランプが本当に勝つかもしれないという予想外の流れが確認されて間もなく、ドン・ジュニアは友人に自分の父(ないしは『DJT』と彼は父親を呼ぶわけだが)が、まるで幽霊でも見たかのような様子だったと話した。メラニアは泣いていた。喜びの涙ではない。1時間余りというわずかな間に、状況を面白がっていないわけでもないスティーブ・バノンの目の前で、当惑のトランプは、何が起きているか信じられないトランプに変身し、さらにはとんでもない事態に愕然(がくぜん)としているトランプへと変わった。しかしその後に、最後の変身が起きた。ドナルド・トランプはいきなり、自分は合衆国大統領にふさわしい、大統領としての能力を完全に備えた人間なのだと、信じる人間に変わったのだ」

ザーチャー: 大統領選の夜からトランプ陣営が繰り返してきた当時の様子と、これは決定的に違う。一部の(それほど忠誠心の厚くない)陣営関係者は、敗れてもそれほど手痛い大敗にならないだろうと予想していたが、トランプ自身と側近たちは勝利を確信していた――というのが、従来の陣営の説明だった。「とんでもない事態に愕然としている」トランプなど、筋書にはなかった。

3. トランプは就任式に「怒り」
就任式について著者はこう書いている。「トランプは自分の就任式を楽しまなかった。一流スターがこぞって欠席したと怒り、(就任まで滞在するホワイトハウス隣の)ブレア・ハウスの設備に不満で、目に見えて分かるくらい妻とけんかをしていて、夫人は泣き出す寸前に見えた。新大統領は1日中、周囲の人間が『ゴルフ用の顔』と呼ぶようになった表情を、顔にはりつけていた。腹を立てて、いらつき、背中を丸めて、両腕を振り回し、眉をひそめて、唇をぎゅっと結んでいた」。

これについて、メラニア夫人のステファニー・グリシャム報道官は声明でこれを否定。「トランプ夫人は、夫の大統領選出馬を応援し続けた。むしろ、出馬するようにと促したのが、夫人だった。勝つと確信していたし、勝利をとても喜んでいた」と反論した。

ザーチャー: 就任式で固い無表情のメラニア夫人が、ぎこちない笑顔で夫の目線に応える様子がとらえられたビデオが、当時広く拡散されたが、本のこの描写はビデオの映像に合致する。加えて、なぜ就任式の成功と集まった聴衆の人数に、大統領があれほどこだわったかの説明にもなる。自分は軽んじられたと思い、強い不満をもとに行動していたのだと言える。

4. トランプは友人の妻たちを「追いかける」のが大好きだった
米メディアが入手した本の抜粋によると、トランプは友人の妻たちとの性行為こそ「生きる価値」だと自慢していた。

トランプの友人の言葉として著者ウルフは、「友人の妻を追いかける手順として、『あなたの夫はあなたが思っているような人ではない』と相手の女性を説得するのが常套手段だった」と書いている。

本によると、その一環としてトランプは自分のオフィスで友人と話をしながら、別室でその妻に会話を盗聴させた。そしてわざと、意中の女性の夫にセックスについて軽口をけしかけ、たとえば「まだ奥さんとのセックスがいいのか? どれくらいやるんだ」などと尋ね、相手に何か不適切なことを言わせようとしたという。

5. トランプはホワイトハウスが「怖かった」
ウルフによると、「実際トランプにとって、ホワイトハウスは居心地の悪い、むしろ少し怖い場所だった。自分の寝室にこもり(大統領夫妻が別々の寝室を使うのは、ケネディ政権以来初めてだった)、最初の数日の内にすでにあったテレビに加えて新しく2台のスクリーンを注文した。また、自分の寝室に鍵を取り付けるよう注文し、自分たちが入れなくなるのは困ると主張するシークレット・サービスとしばしやりあった」。

ザーチャー: トランプは大人になってほぼ一貫して、自分のやりたいように暮らしてきた。どんな気まぐれや自己流のやり方も、不動産王としての財産が可能にしてきた。一方のホワイトハウスは、ビル・クリントンがかつて「連邦矯正制度の目玉施設」と呼び、ハリー・トルーマンが「偉大な白い刑務所」と呼んだような場所だ。そのような場所に適応するのは、トランプにとって大変なことだったに違いない。

6.イバンカは大統領を目指している
2016年の選挙中、妊娠中のイバンカさんのおなかをポンポンと叩くトランプ氏
著者によると、トランプの娘イバンカと夫のジャレッド・クシュナーは、いずれイバンカが大統領選に出馬するかもしれないと合意した。

「リスクとメリットを比較した上で、ジャレッドとイバンカは、知り合い全員のアドバイスに反して、ウェストウィングでの役職を受け入れることにした。2人一緒の決断で、ある意味で、2人一緒の仕事だった。2人は本気で、取り決めを交わしたのだ。もし将来的にその機会が出現すれば、大統領候補に立つのはイバンカの方だと。初の女性米大統領はヒラリー・クリントンではなく、イバンカ・トランプになるのだと。『ジャーバンカ』というバノン発案の呼び名は、今ではホワイトハウスでさかんに使われるようになっていた。そしてそのバノンは、2人の取り決めを知り、とんでもないと愕然とした」

ザーチャー: バノンと「ジャーバンカ」の確執は、秘密ではなく、加えて意外でもなかった。ある意味でこの夫妻はバノンにとって、自分が戦っているものの全て、つまり東海岸エリート主義と生まれながらの特権意識を象徴していた。それにもかかわらず、大統領の家族だからというだけで、2人は大統領に直接話しかけることができたし、どうやら王朝の世襲を期待しているようだ。

7. イバンカは父親の髪形をからかい
著書によると、イバンカは父親の「頭皮後退手術」をからかっていたという。

「(イバンカは)父親から一定の距離を置いて接していた。皮肉な態度をとることさえあった。父親の髪形を他人に向かって、笑いの種にすることもあるくらいだ。どういう仕組みなのかを友人たちによく説明していた。頭頂部はまったくの無毛状態で、頭皮後退手術によって広がりは抑えられており、その周りの前と左右をふわふわと髪が囲んでいる。その髪をぜんぶ中央で寄せ集め、後ろに向かって流し、スプレーで固めているのだという。髪の色は「ジャスト・フォー・メン(男性専用)」という商品によるもので、イバンカはここで笑いを取るために、じっくり長時間つければもっと濃い色になるのだと説明していた。あのオレンジがかった金髪は、トランプの短気のせいなのだと。

ザーチャー: この本の中の逸話で、これがトランプにとって一番不愉快なものかもしれない。そうだったとしても、特に驚かない。大統領は自分の髪を誇りにしている。かつて深夜トーク番組の司会者ジミー・ファロンに、わざわざ髪に触らせて、本物だと立証してみせたくらいだ。ヘアスタイルに支障のないよう、風の日の屋外でトランプは通常、帽子をかぶっている。「アメリカをまた偉大に」の野球帽が登場したのも、そのためだ。あの髪型は、大きなホテルや金メッキのエスカレーターと同様、トランプ・ブランドの一部なのだ。

8. ホワイトハウスは何が優先事項か決めかねた
ケイティー・ウォルシュ副首席補佐官はクシュナー大統領上級顧問に、政権が何を達成したいのか尋ねた。しかし本によると、クシュナーは答えられなかった。

「(ウォルシュは)『大統領が何に注力したいのか、3つだけテーマをください』と強く求めた。『このホワイトハウスの3つの優先事項は何なんですか』と。これ以上はないというくらい最も基本的な質問だった。まともな大統領候補ならば、ペンシルベニア通り1600番地(ホワイトハウスのこと)で暮らし始めるはるか前に、答えを出していているはずだった。しかしトランプ政権発足から6週間後、クシュナーは何も答えられなかった。『そうだね、たぶんその話をした方がいいね』とだけウォルシュに答えた」

ザーチャー: 新政権が軌道に乗るまでにしばらくかかるのは、よくあることだ。トランプの場合、立ち上がりの覚束なさは特に顕著だった。トランプ陣営は、いくつかの明確な政策目標を公約して大統領選を戦った。国境警備の強化、貿易協定の再交渉、幅広い減税、オバマケア撤廃などから、どれを優先するのかは、明らかに難問だった。大統領になったトランプはまず、連邦議会が医療保険改革に着手するのに任せた。これが達成困難な目標だったため、トランプ政権は1年近く、苦労することになった。

9. トランプはルーパート・マードックを尊敬
かつてメディア王、ルーパート・マードックの伝記を発表している著者ウルフは、トランプがいかにニューズ・コープ社の会長を尊敬しているかと書いている。

「次期大統領を訪れると約束していたルーパート・マードックは、予定の時間に遅れていた。ほかの客たちが退出しようとすると、トランプは動揺を募らせながらも、ルーパートはもうすぐ来るからと念を押した。『偉大な人だ、最後の偉人の1人だ。残って会っていかないとだめだ』と。今や自分こそが世界最大の実力者なのだと把握できていないトランプは、今なおメディア王に気に入られようと一生懸命だった。当のマードックはかねてから、トランプを馬鹿げたいかさま師と見下していたのだが」

ザーチャー: 大統領選の最中、トランプ候補は時にマードック所有のフォックス・ニュースと対立し、司会者メギン・ケリーと言い争ったり、出演をボイコットしたり、フォックス中継の予備選討論会に欠席したりした。しかし、トランプ大統領はフォックス・ニュースの一番のファンで、フォックス・ニュースもトランプの就任以来、どこよりも熱心に大統領を支持している。

10.マードックはトランプを「大馬鹿」と呼ぶ
しかし著者によると、マードックはトランプを評価していない。シリコン・バレーの重役たちとトランプが会談した後、大統領がマードックと電話でやりとりした内容について、本にはこう書かれている。

トランプはマードックにこう伝えたという。「あの連中は本当に僕が助けてやらないと。オバマは規制しすぎで、あまり(シリコン・バレーの)味方じゃなかった。僕が助けてあげられる、本当にいい機会だ」。

これに対してマードックは、「ドナルド。今まで8年間、あの連中はオバマをすっかり手なずけていたんだよ。(シリコン・バレーの重役たちこそが)政権を動かしていたようなものだ。君の助けなど、いらないんだよ」と答えたという。

「『H-1Bビザの問題にしてもそうだ。(シリコン・バレー企業は)本当にH-1Bビザが必要なんだ』。一部の移民に入国を認める米国のH-1Bビザを前向きに提供すれば、壁建設や国境封鎖という選挙公約との折り合いが難しくなると、マードックは指摘したのだ。しかしトランプは特に気にかけていない様子で、『なんとかやり方を見つけるよ』とマードックに約束した。電話を切ったマードックは肩をすくめて、『なんてどうしようもない大馬鹿だ』と口にした」

ザーチャー: 移民に反対するトランプの物言いと、実業家としての行動は、時に矛盾している。トランプ経営の会社は往々にして、移民の労働力を必要としているので。次期大統領はここでは、実業家としての感覚で話していたのかもしれない。あるいは、直前に会っていた人たちの意見をおうむ返しに繰り返していただけかもしれない。大統領は直前に会った人たちの発言を繰り返すだけだという批判は、これまでも何度か出ている。

11. フリンはロシアとのつながりが「問題」と認識
著書によると、トランプ政権最初の大統領補佐官(国家安全保障問題担当)だったマイケル・フリンは、モスクワで講演料を受け取って講演すれば、いずれ自分にとって問題になると承知していた。

選挙前にフリンは「講演料4万5000ドルをロシア側から受け取っていたのは、賢明ではなかったと言われていた。フリンはその都度、『勝たなければ問題にならないよ』と相手を安心させていた」とウルフは書いている。

フリン被告はFBIへの虚偽供述で起訴され、有罪を認めている。ムラー特別検察官主導の捜査に協力しているという。

ザーチャー: トランプ陣営幹部のフリンは、ポール・マナフォート元選対責任者(大統領選とは別件の資金洗浄罪などで起訴)と同様に、法的な精査に耐えられるよう過去の行動をきちんと整理していなかった。もしトランプが敗れていれば、それはおそらく問題にはならなかっただろう。しかし、映画「プロデューサーズ」の主役たちと同じように、成功したからこそ失墜したのだ。


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