彦四郎の中国生活

中国滞在記

伏見稲荷神社と狐❹―お稲荷さんの山を下りる途中、大きなスッポンを見る

2017-07-22 09:35:34 | 滞在記

◆「八万の神(やおよろずのかみ)」と言われるように、日本には「八万」もの神がいると言われている。一神教の「イスラム教」や「キリスト教」とは、おおいに異なる日本の「神」信仰。なぜそうなのか。それは日本の「風土」に関係する。森と水がとても豊かな日本列島という「風土」だからこそなのだろう。このあたりのことについては、和辻哲郎の名著『風土』がよく説明している。私も、何度がモンゴル・ゴビ砂漠の砂漠地帯に行ってみて、「このような人間が住むには過酷な地には、イスラムのような厳しい一神教が生まれる」理由が、なんとなく実感できた。

◆日本の神社の87%は「八幡神社と稲荷神社」だが、その他の大きい神社である神宮は何を祀っているのだろうか。例えば、東京の「明治神宮」は明治天皇を祀っているようだし、伊勢神宮は「天照大御神(あまてらすおおみのかみ)」、出雲大社は「大国主大神」を祀っているようだ。これらの神社はいずれも、歴代の皇室や「古事記」などの神話に登場する神々を祀る神社のようだ。

 さて、稲荷山の中腹あたりまで のんびりと登ってくると、小さな祠がたくさんある。その上には「新池」と呼ばれる森に囲まれた山中の池があった。綺麗な水が流れていたので、顔や体を洗いながら 一息つく。この場所で、稲荷山山頂までの半分くらいは来たようだ。今日はここで引き返すこしにした。来た道と違う道で山を下る。小さな砂防ダムのような水辺を見ると、亀や大きな鯉が見えた。亀は大きな「すっぽん」だった。50cmはあるようだった。自然観察ができる山だ。

 麓にある「本殿」に戻って来た。これから山に登ろうとする人も多い。インドネシアの人らしい人がいた。イスラム教の人たちのようだが、「稲荷神」を拝むのだろうか。和服姿の女性に頼んで、一緒に写真におさまっていた。中国からの観光客だろうか、お父さんが一歳くらいの赤ちゃんの世話をしていた。ご苦労さんだ。ここまで赤ん坊を連れてきて日本観光をするというそのバイタリティの民族的エネルギーがすごいなあと感じる。

 伏見稲荷神社といえば、昔から「稲荷ずし」と「雀の焼き鳥」だった。昔、「雀の焼き鳥」を初めて食べてみたのもここだった。けっこう香ばしくて美味しいが、骨が多いので、かぶりついて ぱくぱく食べるというわけにはいかない。チャイナ服を着た女性を見かけた。

 大鳥居の近くには、JR稲荷駅がある。近年の観光客の増加にともない、小さな駅舎は明るく綺麗に改装されていた。日本で最も古い鉄道駅の建築物(レンガ)[明治13年造営のランプ小屋]が残っている。この当時、東海道線はここを通っていたようだ。午後5時となっていたが、これから稲荷神社に向かう乗客が大勢 駅から出て来た。

 琵琶湖疎水が近くを流れている。隣駅の「京阪深草駅」まで疎水沿いに歩く。駅のそばにある「昭和レトロな佇まいで、創業60余年」の喫茶「みどり」で一服する。この店で、もう一枚のTシャツに着替えてさっぱりする。この店は もちろん全席喫煙可で、コーヒーは300円と今どき安い。「朝から昼までモーニング350円」という貴重な店だ。

 今日の「伏見稲荷」みやげに「お稲荷山の手拭」を一枚買ったが、なかなかいい。赤(鳥居)と黒(森の闇)と白(狐)のコントラストがデザインされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 


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