ソールのサンディングが終わりましたのでエッジのシャープニングに入ります。
今回、オービタルサンダーでのサンディング作業で必然的にエッジにはペーパーがかかり、「焼き」(異物を踏み摩擦熱が発生し雪で急冷されている部分)の除去はされているのでストーンによる作業は行いません。
ただ、エッジ上でサンディング面圧偏りによるダレはどうしても起きているでしょうからこれを修正すべくベースエッジのビベリングを行います。
まずは保護したソールのワックスをリムーバーで除去します。
エッジをよく観察するとダレが少ないようです。
滑走面とエッジでは当然硬度が違いますから削れる量も違うのでしょう。
だとすれば理論上エッジ近辺はコンケーブ様になるでしょうからオービタルサンダーでのソールサンディングは練度の問題で注意が必要だとも言えます。
が、ソール全体でのコンケーブ修正が必要な場合にはショップなどでのソールサンディングをオーダーすれば良いことであって今回のように劣化したソールの研磨修正など、極少量の研磨には非常に有効な手段であることには違いはないでしょうね。
この板、シンタードなのかエクストルードなのかいまいち判別がつきません。
ベースエッジのビベリングも元から付いていたのかも疑問です。
ベースバーン除去のため、荒いペーパーで削ったにもかかわらずエッジのダレが無い部分があります。
滑りやすさ重視で1度落としの90度で仕上げようと思います。
単目のファイルとベースビベリングガイド。
よくファイルにテープなどを巻きつけビベル角を付ける方法が紹介されていますがボードの接雪点部分は大抵板の幅が太くなっていますのでそこを基準にしてしまうとウエスト部分はビベル角が深くなり、必然的にエッジが鈍角になってエッジホールディングの甘いフィールが猫の目のようにコロコロ変わる乗りにくい板になります。
なのでファイル角度を決めている部分がエッジからの等しい距離で変化せず、だからこそベースエッジがどの部分でも均一角度に仕上げることができるガイドを使うことは非常に有効な事なのです。
わかりにくい?
では写真で。
板の中心線にわかりやすいようにテープを貼り付けました。
ファイルにテープを巻きつけて1度の角度が出るようにしたとします。
黒いテープはビベル角用のファイルをリフトしているテープで、ガムテープが実際にエッジを削っているファイル部分になります。
接雪点部分の板の幅は275mm。
そのまま真っ直ぐファイルをかけ、シャーピングしたとするならこんなにもファイルの作用点が移動します。
ウエスト部分は237mm。
ファイル角度は当然深くなりベースビベリング角度は1度以上になってるはずです。
この方法で均一なビベル角を維持するならウエスト部分で意図的にファイルを中心線方向にスライドさせる必要があります。
で、プロショップの方はテーピングで指を保護し、エッジを削るファイルの作用点が変化しないよう己の指をガイドにしてこんな風に削るのです。
自分の板ならいざ知らず他人の板のために受傷するのは嫌でしょうし、削ったエッジの切り子は鋭いので実際指に刺さったりします。
なので素直にガイドを使いましょう。
え?
板は撓みながらエッジングするからウエスト部分のベース角度が深くなっても問題ない?
よって真っ直ぐファイルを移動しても問題ない。
はい。確かに。そう思うのならばそれで良いんじゃないでしょうか。
エッジのシャープさに依存しなければならないシチュエーションは硬いバーンまたはアイシーなゲレンデでしてそんなバーンを滑らないならエッジのシャープさは必要ないとも言えます。
が、エッジは磨耗します。
で磨耗するたびにシャープナーをかけてもサイドエッジを研ぐだけなのでベースビベリング角度は変化しませんしね。
ですけど、いつかソールをいじる日が来てベースエッジを不確定要素満載の方法で研いだ後、板の動きやフィールが全く別物になってしまった板を実際に体験しているんですね。
ヒールサイドとトゥサイドで全く別な板に乗ってるような違和感バリバリの。
これを予防することができる方法がガイドを使う事でして、こんな簡単な道具で維持できるなら使わない手はないと思うんですけどね。。。
余談が長くなってますからサクサク行きましょう。
まずはファイルのクリーニング。
真鍮ブラシで目を擦って
ファイルをガイドにセット。
ビベル角を設定します。
でしっかりとガイドを保持しながら切削します。
ここで大事な事はいっぺんに全部を削らないこと。
最初は150mmくらいづつでもいいです。
ガタガタのエッジや角度が違うエッジはファイルに不均一に当たっているでしょうから面圧が高くて切削量が多くなり、ファイルの目が詰まってしまうことを避けるためです。
こまめにファイルを真鍮ブラシで擦って切子を排除しながら切削します。
同時に鋭利な切り子がソールに刺さりこむのを避けるためこまめに清掃しながら削りましょう。
大まかに削れたならトップーテール間を一息でジャッと切削します。
この時は切削痕を均すつもりで。
その後エッジの角に油性ペンを当てがってツーっとマーキングして乾燥させます。
ソールを塗らないようにw
で、もう一度ファイルで削ってマーキングが綺麗に削り落とされたなら均一にビベリングできたことになります。
エッジに入った切削痕の塗料と見間違えないように。
均一なビベル角になったエッジの切削痕を目の細かいファイルで削って均していきます。
ファイルを交換。
エッジの状態を見ながら綺麗になったら終了。
ストーンで軽くさらってエッジのケバやカエリを除去します。
ストーンで削り取る量は極僅かですしこの後サイドエッジを切削しますからビベル角が狂うことはありません。
ひとまずここまで。
よくこれも言われる事ですがトップからテール方向にかけると多く記されてますが、その必要はありません。
ガイドを使う以上ファイルの単目がそれを許さないのもありますが滑走面を切削するでなし、エッジを綺麗に切削したなら滑走性能になんらかの影響も与える要素が無いからです。
ですから作業性の良いスタイル、方向・方法を大事にし、怪我のないように作業をする事を重視したほうが賢明です。
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ベースエッジの加工をしていたので
とても参考になります! といいたいとこですが…
理論だけ参考にさせていただきます
自分の腕がそのレベルではないので 笑
自転車 ボード とかなり
ナイスなサイトで感激です!
参考になる記事であったなら私にとってとても嬉しい限りです。
これからもちょっと変わった視点での記事を書いていこうと思います。
ありがとうございます。