難しい天体望遠鏡のやさしいお話

天体望遠鏡のあれこれ

集光力、分解能、極限等級、天体望遠鏡を選ぶ時に見る必要はありません

2017-08-10 12:02:58 | 日記

天体望遠鏡のカタログを見ると、
「集光力」「分解能」「極限等級」といった難しそうな専門用語が記載されていることがある。

なんとなく、「どれだけよく見えるのか?」という性能を教えてくれる数値なんだろうと想像しますよね。

  • 集光力

  • 分解能

  • 極限等級


本来は、天体望遠鏡の「どれだけよく見えるのか?」という性能を表す大切な指標になるのですが、現状では単なる参考程度でしかありません。

天体望遠鏡を買うような時に、個々の商品の性能を比較したい場合に、慎重に見るような数字ではありません。

集光力、分解能、極限等級については全て「口径」だけでカバーできます。
口径が大きくなれば、集光力、分解能、極限等級も同時に性能が良くなるのです。
<めも>
口径とは、屈折望遠鏡なら対物レンズの大きさであり、反射望遠鏡なら主鏡の大きさのことになります。

口径が決める!集光力、分解能、極限等級


天体望遠鏡のメーカーは口径のサイズによって、「集光力」、「分解能」、「極限等級」の数値を決めています。

それぞれ個々の製品を1つ1つ検査して正確な数値を求めたりはしていません。

口径のサイズが同じであれば、集光力、分解能、極限等級は、テンプレートのごとく、全て共通です。口径のサイズに比例して、それぞれの数値も等しく変わります。

例えば..

  • 集光力は良いけど、分解能が悪いレンズ

  • 集光力は悪いけど、分解能が良いレンズ


このような例はなく、個性的な性能の違いが出ることはありません。

集光力、分解能、極限等級は「よく見える」良い望遠鏡を探すための、手助けになるような情報ではないのです。
「よく見える」望遠鏡を探したければ、口径が大きいものを選べば良いのです。

では、「集光力」「分解能」「極限等級」は本来どういう意味を持っているのでしょうか?

実は、大切な意味を持っているのです。
天体望遠鏡がなぜ肉眼よりも、はるかに良く見えるのかを説明するには、これらの用語が必要になるのです。

集光力とは?


集光力とは、読んで字のごとく、光を集める力のことです。

天体望遠鏡は物を「大きく」見るための道具という認識が大きいですが、それと同じぐらい大切なのが、物を「明るく」見ることです。

集光力が優れている天体望遠鏡ほど、肉眼では見えないような暗い天体を見ることが出来るのです。

集光力の性能の考え方は、「面積」です。
この面積が大きければ、大きいほど集光力の性能は良くなります。

集光力の数値には、レンズの品質を考慮されることはありません。
極端な言い方をすれば「濁ったレンズ」「透過率の優れたレンズ」であっても、サイズが同じであれば集光力は同じです。

分解能とは?


分解能は、どれだけ細かく見ることが出来るかどうかの性能を意味しています。

分解能が優れているほど、映像がくっきりと見えるので、倍率を高くすることが出来ます。

天体望遠鏡は、肉眼で見るよりも、物体を大きく見たいときに使いますが、その倍率をどこまで高くできるかの限界を決めるのが、この分解能です。

カタログ上に記載される「分解能」は口径のサイズだけで決まります。天体望遠鏡のメーカーは、使われるレンズの品質・性能を考慮することはありません。

常識的に考えれば、粗悪なレンズと、高級なレンズなら「分解能に差が出る。」と思いますが、そのような違いはありません。

分解能も天体望遠鏡の口径(大きさ)だけで決まるのが現状です。

極限等級とは?


天体望遠鏡を使って見られる暗い星の限界を「極限等級」または「限界等級」と呼びます。
夜空に浮かぶ星々の明るさは、それぞれ異なります。

1等星は明るく、2等星、3等星・・・と数字が大きくなると星は暗くなります。

望遠鏡の光を集める能力が高ければ、暗い星を見ることができます。つまり、内容的には集光力とほとんど同じことを言っているのです。

この極限等級も、単純に天体望遠鏡の口径(大きさ)だけで決まります。

余談になりますが、
11等級といった暗い星を見るには、望遠鏡の性能よりも、見る場所の環境が重要になります。
夜空が明るい都会と、周りが山々で囲まれた真っ暗な地域とでは、
同じ天体望遠鏡を使っても、見える限界の暗い星は異なります。

まとめ


「集光力」「分解能」「極限等級」はすべて、天体望遠鏡の口径だけで決まります。

なので、天体望遠鏡を買おうとして、性能を比較するような場合は、これらの言葉に気を取られる必要はありません。

口径は、よく見えるかどうかの性能を判断するうえでとても大切な情報です。
口径が天体望遠鏡の性能の限界を決めると言って良いでしょう。
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