難しい天体望遠鏡のやさしいお話

天体望遠鏡のあれこれ

「F値=明るさ」ではない。F値が小さい場合と大きい場合、それぞれメリット

2017-08-10 12:06:31 | 日記


F値(エフチ)は、口径比(こうけいひ)とも呼ばれ、
表記方法としては、
「F11.4」または「 1 : 11.4」というように記載されます。

(当ページでは、以降「F値」という言葉で説明します)

一眼レフカメラのイメージから、天体望遠鏡も、「F値が小さい」 →「明るい」という声が聞こえます。ですが、これは正しくはありません。

F値が小さい場合のメリット


自分の目で天体望遠鏡をのぞく分には、F値の大小が望遠鏡の明るさに影響されることはありませんが、天体写真を「直焦点撮影」という方法で撮影する場合には、F値が小さい天体望遠鏡は有利です。

この「直焦点撮影」をおこなう場合には、F値が小さい天体望遠鏡は →「明るい」望遠鏡になります。

ただ、F値が小さくてもきれいに見える天体望遠鏡のは高価です。EDレンズのような高いレンズを使う必要があります。アクロマートレンズのように、高価でないレンズを使う場合は、F値を大きくする(望遠鏡の筒を長くする)必要があります。

F値が小さい望遠鏡は、物理的な望遠鏡の筒の長さが短くなります。筒が短い望遠鏡は扱いやすく・持ち運びも楽です。こういった点でもF値が小さい事はメリットになるでしょう。

 

F値が大きい場合のメリット


アクロマートレンズのように、それほど高品質でない対物レンズを使う場合は、F値を大きくする必要があります。物理的には、望遠鏡の筒が長くなります。昔の天体望遠鏡が長かったのは、今よりもレンズの品質が高くなかったためです。

アクロマートレンズの場合、「色収差」が問題になります。月などを観た場合に、端の方に現れる虹のような現象です。アクロマートレンズで色収差をさけるにはF値が12以上あることが望ましいのです。つまり、この場合ではF値が大きいとメリットがあるのです。

よく、F値が大きいと「暗くなる」と言われます。ですが、倍率が同じであれば、F値が12であっても、F値が8であっても、明るさは同じです。

 

F値の計算方法。F値はどうやって決まるの?


F値は次のような式で計算することができます。

F値 = 対物レンズまたは主鏡の焦点距離 ÷ 口径

たとえば、次のようなスペックの望遠鏡の場合、

  • 焦点距離 : 910mm

  • 有効径 : 80mm


↓ ↓ ↓

910mm ÷ 80mm = 11.37‥

F値は、11.4 となります。

 
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