長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

普茶料理の会

2017-02-18 08:36:31 | Weblog

昨日は、IT業界の重鎮さんたちが「普茶料理の会」をやってくれた。

その中のふたりは、池袋時代からぼくの蕎麦を食べているオールドフレンド。

普茶料理とは、「普く大衆に茶を施す」といういう意味があり、黄檗山万福寺を開いた隠元和尚

が、禅と茶と普茶料理を日本にもたらした。「普茶一如」とかいって、ひとつのお皿に盛られたものを、

みんなで取り分けて、仲良く食べる、というのを基本にしている。だから、二階でやるこの会は、そばも

久保さんの備前か伊賀焼の大皿にのせて、みんなで食べる、というのを基本にしている。

公私ともに、迷惑をかけあってきたきくじーが、床の間の「江南春」をいきなり吟じる。

「千里鶯鳴いて・・・」なかなかいい声だ。彼は、大学時代に「詩吟倶楽部」に属していた。

「無法松の一生」を吟じてから、九州病にとりつかれた、という奇人だ。小倉の祇園祭り、戸畑の提灯まつり、

博多の山笠もいっしょにいったことがある。熊本の「ぼした祭り」もいった。お互いに「祭り」にとり付かれたころがあった。

久保さんを知るきっかけをつくってくれたのも、きくじーだった。昨日もいつものように、タクシーを十間橋あたりで降り、「ながしま」で

お菓子を買って、「現地調達のもので失礼します」といって、やってきた。二階にあがるやいなや「久保さん、こんなものつくったか。

ぼくも最近バリスタめざして珈琲を毎日いれとるんや」といって、「珈琲ドリポットをいっこちょうだい」ということになった。

業界の今昔物語みたいな話もはずみ、楽しい「普茶の会」にあいなった。

この会には、京都のたる源の豆腐樽で、湯豆腐をだすのがならわしになっている。そこにふたつきの織部の酒器(醤油をいれる場合もある)

がついていて、久保田万太郎 の湯豆腐の句がかいてある。

♪湯豆腐や 持薬の酒の 一二杯

江戸一で徳利をいっぱい並べたころに比べ、酒量は半分になったけど、この句のような、奥深い酒の世界を逍遥する

ような領域に入ってきた感もある今日このごろ。


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