夜中の紫

腐女子向け 男同士の恋愛ですのでご興味のある方、男でも女でも 大人の方のみご覧下さい。ちょっと忙しいので時々お休みします

沁みる 23

2017-07-13 | nasi

その頃、屯所では・・・。

土方がいらいらして、片栗粉の相手をしていた。

応接間でタバコに火を付けようとするが、自分がまだ咥えている事に気が付いて、慌てて火を消す始末だった。見かねた片栗粉が・・・

「おいおい・・・まあ、落ち着いたらどうだ。・・・近藤ももうすぐ帰って来るさ、あいつが出たんなら何事も起きねえよ。」

と、慰めた・・・


「はー・・・。」

と言ったっきり土方は黙る。

土方は近藤がどういう人間か判っていたので、総悟の方が心配だったのだ・・・。

「確かに・・・沖田はちょっと羽目を外し過ぎたが、近藤が切り捨てるなんて事・・・しねえだろうよ。・・・お前たちの師匠から手紙を貰って、あいつがどんな奴だか判ってるし。」

そう言いながら、片栗粉は煙草に火を付ける。

「手紙・・・?田嶋 六助先生から・・・っすか?」

土方が貧乏揺すりしていた足を止め、片栗粉を見る。

「そうさ・・・お前たちは、・・・奴の後釜として呼んだんだんだから・・・どんな奴なのか知りたくってな・・・手紙を書いたら、手紙をよこした・・・。」

旨そうに煙を吐き、上を見る片栗粉。土方はじっと待つ。

「・・・。」

先生は人を見る事に関しては、道場一だ。

その評価が気になる

「・・・気に何だろ・・・。」

片栗粉が両の腕を 長いソファーの上に載せながら にやついた。

「ええ・・・そりゃあ・・・まあ。」

土方が言うと、片栗粉はおかしそうに煙を吐き

「教えねぇよ!・・・これは、人事考課・・企業秘密・・・何てな!。」

と土方をちゃかし笑った。

土方はイラっとしたように

「っち!・・・。」

と舌打ちをし、ふん!と、そっぽを向く



「はは・・・今年の花見どこでやんだ?・・・。」

と片栗粉が聞いて来た、

土方は

そっけなく

「今年は・・・ばらばらでいいんじゃないっすか?・・山崎にも言いましたが、見たい奴が見れば・・・。」

といって、煙草を灰皿の中にねじ込んだ。

土方が新しい煙草を引き抜いて 口までもっていくところを見ながら

「・・・師匠の喪中につき・・・祝い事は無し!か?。・・・・だが桜は 別もんだろうがよ?!」

と 片栗粉が言うと、土方は

「花は花。ここにも 一本か二本植わってます。それ見て今年は・・・。」

と言いかける、

片栗粉は

「・・・そう言うな。・・・今年は俺がセッティングしてやる、其れなら文句ないだろう?・・・ちょっと顔出すぐらいなら。」

と申し出た。

土方は、ため息をついてソファーに背中を預け 

煙を吐き、片栗粉を見る。


土方の切れ長の目が見開かれて、つぶらな瞳が丸く見えた。

年相応の顔になったのだが

片栗粉は、皮肉そうに笑って田嶋の事を思い出した・・・・。

 

土方と片栗粉はお互いを眺めながら 煙草を吸った。







古いお堂は、彼らが倒した燈明から移った火で 燃えはしたが、

彼ら 

が灰になるほどの木材の量ではなかった。

と言うより・・・

片栗粉自信が、彼らの損壊を願わなかった。

四隅の柱を引き倒し、火の点いた柱を四方に広げると火は弱まり 3人の姿が現れた。

壮絶に切りあった末に炎に捲かれたせいで、誰が誰だか判らない。

苦悶に顔が歪み四肢が引きつったままの遺体を 片栗粉はじっと眺め、

部下たちは指示を待った。



隅の木に縛りあげられた田嶋は

血を流したまま呻く・・・ 

3体の遺体から、首が切り落とされるのを

見てしまったからだ。

自分は・・・彼の呻きを聴き背を向けたまま その作業を見守ったのだ。




こんな風に 煙草の味の分からない日だったと思う。


朝が来て、血の匂いと生肉の焼けた匂いが

強烈に記憶に残り、怒りと悲しみが渦巻いた。

3人と引き換えにした命と、一人残った男を何としてでも守り抜こうと・・・

決意したのだ



「・・・じゃあ・・な・・・。」

片栗粉も火を灰皿にねじ伏せて、立ち上がる。

「はい・・・花見は・・・任せます。」

と、土方も立ち上がって頭を下げる。

じっと・・・

片栗粉は土方を眺めた。



いつだったか・・・最後近く・・・春の夜だった

3人が桜の花の下散る花びらを 盃に受けながら酒を交わしていた。

田嶋は嫌そうにいつもの姿で 

背を丸めて剣を立てて抱えながら、3人の供をしている。

大事な主人を守る、番犬のようだと思った。


自分は城から帰る処で、歩きながらじっと 

彼らを眺めていた。

うまそうな酒だと思ったが、彼らの酒をまずくする事も無いし、

声も描けなかった。

彼らの末路を知っていたから 関わりたくなかったのだ。



だが・・・今は、

もう一度あのお堂に上がったら 出ずに酒を酌み交わそうと思う・・・。




「・・・親父・・・?どうしたんっすか・・・?。」

土方が、自分を覗き込んで聞いて来た。


「・・・いや・・・。」


と、片栗粉は片手を上げて挨拶して 帰る。



それを見送って

「・・・なんだ・・・?」

と、土方は呟いた。






「・・・・総悟!・・・。」

近藤は、銀時が去った後神社の藪の中をかき分けて探していた。

血のにおいがきつくなったので、がさっと笹やぶの中に飛び込むと、

そこに沖田総悟が、血の付いた手拭いをわき腹に当てていた。

怯えたように少しだけ自分を見たが、総悟は余所を向いた。

「・・・傷を見せて見ろ・・・。」

近藤にそう言われて、彼は一瞬躊躇したが、

彼が総悟の上着を 脱がせ始めると素直に従った。

新方傷を見終わると、近藤は総悟の前に座り、胸のポケットから裁縫道具を出した

「・・・まさか・・。」

総悟が言うと、

「まさかじゃねえよ・・・港先生に 言われてるだろ?ちゃんと絹糸持ってろって。」

近藤が尻のポケットからペットボトルを出した。

「それ口付けて飲んだんじゃ・・・。」

と、総悟は言いかけたが、

近藤が膝で立って近づいて来るので、仕方なく首を下げ頭の傷を見せる。

「早く縫えば 早く付く。」

少し頭が濡らされて、針が刺さったのが分かる。白い糸が引きあがっていった。


「・・・・先生・・が・・・・。」

総悟が痛さも訴えずに呟いた。

近藤は月明かりの中

「・・・。」

無言で縫った。


「次・・・見せて見ろ・・・。」

総悟はシャツの前を開けた。

血は止まっていた、胸の傷は思ったほど切れてはいないようだった。

「うまく避けたんだな。・・・・だが、深いから筋肉組織もちゃんと縫い付けた方がいい、医者に見せんといかんな。」

そう近藤は言った。

総悟は反省したように頷いた・・・。


「・・・総悟、お前に言わなきゃならん事が有る。・・・俺は・・お前が先生とあの晩・・・・・・契った事を知っていた・・。」

近藤が座りなおして 総悟に唐突に言う。

「・・・・。」

総悟は・・・動きはなかったが、首から上が一瞬で赤くなったので、衝撃を受けた事は見て取れた。

「以外か・・・?・・・俺もそんなに馬鹿じゃない。江戸に向かう汽車の中で・・・・・・。だが、俺たちは先生の作った刀だ。切れ味が良いな、常にそうであれば、俺はお前が先生と何の約束をしようが、乳繰り合おうが 同じ弟子として構わん。」

近藤が言う。

総悟は顔も上げず黙って聞いて居た。

「だが、・・お前が 幸せな所帯持ちに?・・・・・・今そんな資格がある訳ない・・・。お前のせいで何人死んだと思ってる?自分の師匠の師匠まで 死んだんだ。・・・・忘れたか!」

と、近藤が言う。

総悟は奥歯を噛みしめて震え出した。

「先生が、お前や俺たちに介錯させなかったのは・・・俺たちが先生の弟子だからだ。先生の研がれた刀として・・・江戸に残された仕事をしなきゃならん。・・・道場は港先生が 新しく道を切り開けばいい・・。」

「判ってる・・・。」

と、総悟が地面に手を付いた。

「お前は・・・愛されたが、 江戸に送られた・・。だから ここで切れ続けなければ ならん。」

「・・・判ってる!・・。」

震える声で答える総悟に

近藤は言い続ける。

「先生がお前に会わずに死んだから、怒る?!・・・・・・阿保か!!会えば お前が何も切れなくなるどころか、剣も捨て先生の傍に行っただろうが!。」

「・・・く・・。」

総悟がわなわなと笹の葉を握りしめた。


かさかさと

総悟の顔の下の笹に 水滴がいくつも落ちた。

幾筋もの刀傷が総悟の背中に付いていて、肩甲骨が浮き上がっていた。

「・・・なまくらになる事を 死よりも恐れなきゃならん。・・・先生の恩に報いるまで・・・。」

近藤は、暗い決意を秘めて唇を噛んだ。

これからする事が 許せそうにない。


総悟の肩をぐいっとおすと、総悟の体は笹やぶの上に倒れた。

泣き顔の涙を拭う事もせず、総悟は起き上がろうとしたが、

近藤が近寄って体の上にまたがる様に乗る。


「・・・きょ・・・局長・・。」

びっくりした総悟が 声を上げた。

近藤がベルトを引っ張て見せると、総悟のベルトも引っ張った。

「なにを・・・。」

総悟は動こうとしたが、切られた傷が痛くて動けず、血が再び流れ出した。

「暴れるな・・・。」

そう言いながら近藤が総悟の肩を押さえる。

「離せ!!・・・俺は・・・。」

腕を上げると 傷が開く。

「俺は 先生に捧げた・・・か?。・・・・そんなもんただの、一回の行為。俺たちには意味何か無い。」

近藤が 総悟の脇に手を付き覆いかぶさる そしてズボンの前を開いて行く。

「離せ!!。」

総悟はじたばと、抵抗した

子供のころから知られてる近藤と どうにかなるなんて考えたくも無い。

殺された方がましだ。

近藤が総悟の胸に唇を付けるが、血が流れてきたので舌で舐めとった。

「・・・う・・。」

嫌悪感に顔を背け 近藤の体を押そうとしたが、彼が動かない事は柔道の鍛錬の時に思い知っていた。

「やめろ・・・。」

総悟が言うが、近藤は動きを止めず


「先生が 銀時に乗り移ったって?・・・それはお前の願望だろうが・・・。先生に 似てる訳がない。・・・こんな風に 扱われたかっただけだろう?。」

血の付いた手で総悟の頬を撫でる。

「違う!・・。」

近藤を睨みながら言った。

「じゃあ聞くが今・・・先生の体が恋しいか・・・見えない心が恋しいのか・・・どっちが恋しい・・・?。」

総悟はそう言われて、銀時に抱きしめられたことを思い出した。

体を満たした幸福感を・・・。


考えて居る総悟に近藤が口を付けた。抵抗することなくされるがまま・・・

近藤の唇の・・血の味がするが、それは自分の血だ。


「先生に愛されたと思うなら・・・心の奥底にしまっとけ。・・・田嶋六助と 契り交わしたのなら・・・今ここで 身を俺に明け渡し、身体は刀に過ぎないと・・・証明しろ!。」


ぐいっと近藤の手がベルト毎着ている物を下に引っ張った。


「・・・局長!!・・。ああ!」

近藤の下から這い出そうともがいたが、傷をぎゅっと掴まれてじわじわと体が赤く染まっていく。

近藤の体重がのしかかり潰されると、自分のズボンのベルトが引き抜かれ始めた。

「・・・やめろ・・。」

総悟は近藤の喉仏を掴んで押し上げた。近藤は挑発するように体で押し返した。

「うぉぉ・・。」

総悟はもう片方の手も添えて 近藤の体を真上に押し上げる。

それを待っていたかのように、近藤が総悟の手首を掴み

総悟は慌てて身を翻して 近藤の下から這い出る。

だが、手は捕まれたままで

どかっ!と自分の背中に近藤が落ちてきた。

「がはっ!!・・。」

総悟の体から息が押しだされた

肘と肩が決められて、もう片方も背に向かって折り曲げられる。

・・・逮捕術と言われる奴だ。

そのまま落ちていた総悟のタイで 手首をがっちり縛り、

がさっとひっくり返された。


総悟の白い身体、贄の様に胸を反らせて横たわっている。

恐怖を感じて呼吸が大きくなり、柔らかく広がる肋骨が、精緻で繊細な生き物だと示していた。

近藤は、道を外れると言う興奮で

血が沸き上がる。

・・・これが・・・・

先生や幾多の鬼殺の剣士といわれた先輩たちが、通った道なのかと暫し固まった。


「・・・近藤さん・・・それが・・・あんたの本性何ですかィ・・?。」

総悟は絶え絶えだがしっかりと言う。 

憎しみの籠った目が蒼く光を放ち自分を見据えている。

「・・・。」

促されるように、近藤が膝を付いてベルトを引き抜いた。総悟の顔に近づくと

「舌を噛み切ると困るんでな。」

と言って ベルトを真横に広げて見せる。

すると総悟は、皮肉そうな顔をして

「死ぬわけねぇじゃないっすか・・・あんたを、殺さなきゃなんないし・・。」

と言う。

近藤は笑って

「そうだな・・。」

そう言うと、総悟の口に革のベルトをねじ込んで止める。

『小説』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 沁みる 22 | トップ |   

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

nasi」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。