つらつら日暮らし

仏教、禅宗を学ぶ曹洞宗の禅僧によるつらつらなる日暮らし。時事ネタ、野球ネタもあります。

第34回『正法眼蔵』勉強会は昨日終了

2008-06-21 14:58:22 | 『正法眼蔵』勉強会について
昨日の、「くりのみ会」の『正法眼蔵』勉強会には8人(男性5名・女性3名)、本当にお疲れ様でございます

すでに、告知記事でも申し上げていましたが、昨日は『正法眼蔵』「大悟」巻を読み進めました。

なお、この講義に入る前に、受講者の方から、「秋葉原の事件とか、今回の岩手・宮城内陸地震のような不合理にあったとき、仏教ではどのようにしてその人の悲しみを取り除くのですか?」という趣旨のご質問をいただきました。拙僧は「仏教では、すでに悲嘆に暮れる人から、その悲嘆だけを鮮やかに取り除く方法は無い」と答えました。拙僧は以前から、悲嘆に暮れる前に、《この世の生活には執着すべき物はないものの、しかし生きなくてはならない》との思いを抱いて生きるべきだと考えています。

ですから、仏教というのは、不合理が来る前に、それへの予防をしておくものだともいえます。逆に不合理が到来してから、「世は無常だ」とか「因果応報だ」とかいう教えを振りかざせば、それは不合理に対し、強引に納得するよう仕向けることになり、場合によっては、いじめや差別に対し、それを自分にのみ原因があるかのように理解させることになることで、いじめや差別を助長することになります。そして、このように明確に原因を示すことから、様々な霊感商法や、霊感詐欺などが横行するとも考えています。

と、色々とお答えしたのですが、とりあえずこれはまた別の機会に、単独の記事で考えてみましょう。

さて「大悟」巻ですが、今回は一番最後ということで、中国禅宗の馬祖道一禅師の弟子である京兆米胡禅師の言葉を見ていきました。

京兆米胡和尚、僧をして仰山に問わしむ「今時の人、還た悟を仮るや否や」と。仰山云く「悟りは即ち無きに不ず、第二頭に落つるを奈何がせん」と。僧、廻って米胡に挙似す。胡、深ふ之を肯う。

道元禅師はまず、この「今時の人」について考えていきます。そして、人は「今時」以外にはあり得ないとしていきますが、しかし、この「今」とは、「令我念過去未来現在いく千万」であるとしており、いわば今という「場所=大悟」の内の現象として、過去・現在・未来があるという解釈をされます。この辺は、「有時」巻でも詳しく提唱されていくところですので、合わせてご参究下さい。

また、その後は、我々自身「大悟」について、どう関わるのかを道元禅師は明らかにされます。まず、待悟禅を明確に否定されます。それは、悟りを開くことについて、必ずそれが決まっていて、熱心な修行をせずに、何となくその時節を待っているだけだからだということになります。また、悟りを得たり、悟りになったり、悟りが来たりすることはないとされます。しかし、その大悟が無限定なる事実を把握したならば、得たり、なったり、来たりするそれらもまた、悟りに他ならないとされるのです。

道元禅師が、悟りを表現する言葉として、もっとも評価をするのが、「さとりをかるや」というものです。悟りとは、有るのでも、無いのでもなく、「かりる」・・・良いですよね。借りるということは、当然に「所有」は出来ず、あくまでも、その時の暫定的な事実になりますから。そして、自ら悟りの事実を現成させ続けるために、修行せざるを得なくなるという修行継続の論理を主張されるわけです。

などなど、今回の最終回、ちょっと色々とお話ししてしまいました

来月からは、別の巻に入ります。

●次回(7月)の日程

日時:平成20年7月18日(金)
     午後6時半~8時半
場所:東京都江戸川区タワーホール船堀4F(和室・入り口の掲示板でご確認下さい)
     都営新宿線「船堀駅」の隣
テキスト:『正法眼蔵』「示庫院文」巻(1回目)

参加費(会場費・準備費)
  一般1,000円
  学生500円

準備物:テキストは当方で準備しますので、筆記用具をお持ち下さい。
服 装:坐禅をしますので、ゆったりとした服装でお越し下さい。


●一回毎の流れですが以下の通りです(若干変更しています)。

『正法眼蔵』「大悟」巻素読(10分)
  ※前に解説した巻を読むようになりました。
   ↓
坐禅(座禅)(20分)
   ↓
拙僧による解説(85分)
   ↓
質疑応答・雑談(5分)


●問い合わせ先

メールでお問い合わせいただく場合、この勉強会を主宰されている「くりのみ会」の鈴木先生に
kurinomi@aa.cyberhome.ne.jp
お問い合わせ下さい。

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