つらつら日暮らし

仏教、禅宗を学ぶ曹洞宗の禅僧によるつらつらなる日暮らし。時事ネタ、野球ネタもあります。

僧侶の食事場所について

2017-05-13 12:27:36 | 仏教・禅宗・曹洞宗
このような記事を拝見した。

薬師寺の食堂が完成、奈良 50メートル大壁画、壮麗に(共同通信)

「御写経勧進」などの結果、財政的基盤を確立した奈良・薬師寺は、近年大々的に伽藍整備に取り組まれ、この度、「食堂」の再建を終えたという。実に喜ばしいことである。日本仏教を信奉する者の一人として、心からお祝い申し上げる。

さて、拙僧つらつら鑑みるに、僧侶の食事場所について、我々禅宗と、この薬師寺などの教宗系諸宗派では、かなり考え方が変わっている。その点を端的に指摘した文脈として、以下の一節を見ておきたい。

忠曰く、斎堂、即ち食堂なり。食堂、即ち僧堂なり。今、日本の黄檗山、僧堂の外に別に斎堂を設く。蓋し大清の禅林、是の如し。古に非ざるなり。
    『禅林象器箋』巻2「第二類 殿堂門」「斎堂」項


これは、江戸時代の古規復古に関連した文脈の中ではよく知られた一文であるし、参照もされる。

忠曰く、禅林の僧堂、本と食堂なり。食堂、即ち斎堂なり。
    同上、「食堂」項


そして、こちらも先の一節と共通しているのだが、要するに修行僧が坐禅や寝る場所である僧堂が、そのまま食堂だったとされているのである。ただし、食堂が斎堂だという説も提示されている。しかし、肝心なのは、食・住が一致した僧堂の方式こそが古規だということであり、食堂を別に設けるのは誤りだということである。

無論、これは我々禅宗で言われることであって、法相宗である薬師寺に当てはまるわけではない。むしろ、その食堂でどのような作法で食事をされるのか、拙僧が気になるのはそれである。何か機会を得て見たいものである。

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