てんちゃんのビックリ箱

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海北友松 展

2017-07-28 21:41:49 | 美術館・博物館 等


正式名称:開館120周年記念特別展覧会 海北友松(かいほうゆうしょう) 
開催場所:京都国立博物館 平成知新館
訪問日(開催期間):5月4日(2017(平成29)年4月11日(火)~ 5月21日(日))

 暫く前に建仁寺に行って、有名な風神・雷神とともに、海北友松の襖絵の精密複写を見てきたので、本物を見ようということになった。なお京都へは昼前後に到着したが、すぐ行くと混んでいそうだったので東福寺を訪問。青紅葉の中を散策した。本当にここは別世界。(別途記載するかも)

 午後3時ごろ、国立博物館入場。さっそく公式キャラクター「トラりん」のぬいぐるみの歓迎を受けた。やれやれ。「虎形琳ノ丞」様といって、尾形光琳のデフォルメされた虎の絵から来たもの。うーむと思ったが、子供たちがキャッキャッと騒いでいる。確かに博物館に来る人の平均年齢を下げる意味では有効な手段かもしれない。でも海外の美術館は、若年層対策として読みやすい説明資料とボランティアガイドを充実させている。方向性はたぶん間違っている。

 展覧会会場はまあまあの込み具合。障壁画が多いのである程度の距離をとって全体を見る必要があるが、展示スペースが広いのと私自身の背が高いので、人がそれほど邪魔にならない。(配偶者はちょっとかわいそうだったかも)。国立新美術館の造りの広さに驚いたが、こちらの造りもなかなかよく、自由度の高い展示ができる。

 展示は、時代と作風を追ってきれいに整理されていた。最初の部分は武家の出の友松が、狩野派の絵師になるまでを諄いほど説明。これは学芸員の趣味か? でもその後狩野派を離れ建仁寺の絵画の展示から生き生きとしてくる。安土・桃山時代真っ盛りで、友松が60歳過ぎ。そして69歳 1599年に兵火で燃えた建仁寺再建にあたっての内装ほとんどを水墨画で描いた。

 建仁寺では精密デジタル処理の複写画が襖絵を飾っていたが、本物は掛け軸に仕立てなおされている。本物のほうが、汚れが目につき、むしろそれゆえに迫力を感じる。友松の建仁寺の襖絵のうち風景画については、白い空間、筆の濃淡や幅の変化を自在に操っている。そして有名な竜の絵(添付1参照)、これはやはり素晴らしい。雲の渦や髭の流れなど、とてもモダンな線。そしてどこに立っても、自分を見つめる4つの眼を意識する。
 建仁寺のコピーは非常にいい出来ということがわかった。建物の中に納まっている本来の状況がわかることと近づくことができ写真も勝手に撮っていいので、またいつか訪問したい。



 その後は宮廷に近づき、軽やかな絵画(体力の問題?)を描くとともに、金箔を作った豪華絢爛たる絵画を描いている。軽やかなほうとしては添付2の馬の図があり、自由な心が描く線としてとてもあこがれる。なぜこれが重要文化財になっていないのだろう。




 金箔を使った絵は、皇居とともに妙心寺にある。
添付3は妙心寺のボタンを書いた絵。本当に豪華絢爛とした中に、年齢からくる落ち着きを感じさせます。妙心寺を訪問したいと思いました。それと皇居三の丸尚蔵館。あそこは小さすぎる。それこそあそこに大博物館を作って、御物をどんどん展示すべきとおもう。




 最後に、海外に流失し現在はネルソンアトキンス美術館(アメリカ・カンサスシティ)の所有となっている「月花渓流図屏風」が展示されている。ある人の死の時を思い出したけれども、本当に静かで絵の背後からにじんでくるようないぶし銀の輝きがある。戦国から徳川の世という大きなうねりの中で、家族そして自分の過ごしてきた時の流れの終着点を感じる。本当に素晴らしい絵である。あまりに残念なので、ここには載せない。米国から武器を買う前にこういった日本の本来の寶を買い戻してほしい。悔しいから、ここには載せない。

ともかく、82年の生涯のうち、高名な絵師としての活躍は60歳からで、その中で絵の形をどんどん変えそして大作に挑んでいる。高齢者を非常に勇気づけるような活躍を示す展示会であった。


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