Kikki & Grand-Pa & Baby



ジャズ・ピアニストの三上クニさんから招待いただいて、オフオフ・ブロードウェイ・ショーを見に行きました。
公開間もない火曜日、寒いのも手伝ってか客の入りはまばらだったけど、久しぶりに観る演劇はいろいろな刺激を僕に与えてくれた。

特に出演者たち、俳優の熱演が高じればまた、演出家や脚本家の俳優たちに対する責任の重さの様なものを思い起こさせられた。

これをやりなさいと決める人間とやらされる人間、

僕らの仕事、テレビや映画であれば監督やプロデューサーと俳優やカメラマンや照明さんや音声さんやメイクさんや美術さんや・・・
渡された台本にいろいろ思うことはあっても、とくに抵抗を感じることは無い・・・か・・・。

普通の企業であれば上司と部下。

求められるものが何であろうと、ベストを尽くさねばならない。

ベストを求めるのだから、ベストな要求を、また求められるのだとも思う。

そこから信頼が始まって、やっと自由が生まれる。



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2013年

あれから4年余。
あけましておめでとうございます。
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ジェントルメンズ・クラブ


結局ジャッキーはオバマ候補の減税案に強く魅かれているようで、
特に“チェンジ”に関心があると言うわけでも無さそうだった。
ささやかな経営者である彼女にとって最も切実な問題がそのことなのだろう。
そしてそれは誰もがそうなのだろう。
明日食べるメシの心配が苦しいのに、見た事も無い遠い国での戦争にも、
たった今まで続いて来た足下の八年間にもかまっている余裕は無い。

ダウンタウンのひなびたインド料理屋で夕食。

一通りの取材を終えて、あとは風景や街の表情を撮りながら、編集作業中の東京の指示を待つ。収録テープは逐次送ってある。
追加撮影のリクエストがあれば滞在を延ばすし、無ければ撮影終了となる。

「それにしても大統領選挙で人々が気にするのは結局金なんですかねぇ?」
「小さな事ばかり、それが人間さ。」
「相手の悪口ばっかりでねぇ。」
「思うんだけど、選挙資金って上限を決めるべきなんじゃないかな?
なんだかバカバカしいよね、あのキャンペーン。」
「そういう話もあるにはあるけど、言論の自由の妨害だって言うんだよ、それでもって敵がたくさん金を集めると、汚いって言うのさ。」

音声マンのKと街外れの街道沿いに見かけた“ジェントルメンズ・クラブ”に。
入り口で$15払って、ガヤガヤと猥雑な雰囲気を予想していたら妙に空気が澄んでいる。何か変だなと思いながらおねえさんに「ビールは何がありますか?」って訊いたら「お酒は無いのよ〜。」だって!
周りを見るとおっさん達がコカコーラを飲んで、真面目な顔で座っている。
「おいおい、シラフで見るんかい!」

よく見るとかぶりつきの一等席に何だか小柄なやつが座っている。
「おい、あれどう見ても子供じゃないか?」
「いいですね〜あんな年齢からこんな遊び覚えて・・・。」
野球帽をかぶった中坊はいちばん綺麗な踊り子さんを指名して、カーテンの向こうの別室に消えて行った。
「・・・・!」
「・・・・。」



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孫娘


マケインかオバマか、ジャッキーは今だ決めかねていた。

今まで一度も民主党に投票した事は無い。マケインに決められる理由があればホッとするのだけど・・・録画した討論会を見返せば見返す程気持ちがぐらつく。

ジャッキーのお母さんは強固な共和党支持者だという。一計を案じて、お母さんと話し合ってもらうことにした。
ダイニング・ルームでお茶を飲みながら話す。
「あたしだって彼を支持しているって訳じゃあ無いのよ。どちらかと言えば消極的な支持ね。オバマじゃ厭だから・・・。」とお母さん。

そこに大学生のジャッキーの娘がやって来た。
まるで子供に向かって言うようにおばあちゃんが微笑む。
「あなたはどう思うの?」
孫娘は背筋を伸ばしてまっすぐにおばあちゃんを見据える。

「しかたなく投票するだなんて、そんなの間違ってるわ。本当に支持できないのなら誰にも投票すべきじゃないと思う。」

大人達はみんな黙ってしまって、僕らは感動した。

やっと本当のシーンが撮れたと喜んだけど、
残念な事に全体の流れに合わなかったのか、放送はされなかった。


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What's goin' on


ハリスバーグの街は、中央を流れる川を堺に見事に山の手と下町に別れている。
西側は、おもに白人の住む敷地の広い閑静な住宅街。カメラを持って車を降りるとすぐに何をやってるんだと問いつめられる。東側は、川沿いの官庁街を外れたとたんにごみごみした手入れの悪い貧民街が奥深く広がっていて、こちらの住民の殆どは黒人と白人の中でもファンキーな連中。あまり車から降りたくない。

州会議事堂のドーム屋根に沈む夕日を撮ろうと、東側の高台にある独立戦争公園からダウンタウンを望む。地図と日没のデータで大体の見当はつけてある。
議事堂の位置を測りながら落ちて行く夕日を追って、公園の芝生を横切り、路地裏に迷い込む。ロケ車とははぐれてしまった。
カメラを持って走るうちに、どんどん日は落ちて行き、僕は貧民街の奥へ奥へと入り込んで行く。
「ちょっとマズいかもしれない。」胸騒ぎを覚えながら周りを見回すと、目の前のアパートの最上階に暮れ残った夕日が赤く当たっている。外壁には鉄の階段、ニューヨークではありえないことだが、入り口が開いている。
最上階まで駆け上がり、振り向くと川の表に最後のきらめきが消えて行くところだった。
肩で息をしていると、窓の中から「何してるの?」ととがめる声。
「ああ、夕日を撮ろうとして上がって来ちゃったんだけど、遅かったみたい。驚かしてごめん。」
と、逃げるように行こうとすると後ろから
「・・また、いつでも来ていいよ。」と言ってくれた言葉に思わず振り向いた。

薄暗くなってきた歩道で割れたビール瓶を眺めながら車が来るのを待つ。
ゆったりと通りかかった男がカメラを見つけて話しかけてくる。
「Hey、 what's goin' on?」
「ああ、夕日を撮ろうとしたんだけどね。間に合わなかったよ。」
「ニュースか何か?」「そう、日本のね。」
「ふーん、あの公園に昇ればまだ間に合うさ、良い眺めだよ。」

夜、ジャッキー夫妻とその友達がストレッチ・リムジンを借りて来て、夕食に行こうと誘ってくれた。
「あの辺りはうんと悪い地域だから気をつけなよ、絶対一人で歩いたりしちゃいけない。」

窓の外にガソリンスタンドのネオンが飛び去って行く。

きっとそうなんだろうな。
ただ運が良かっただけに違いない。
でも・・あの人たちの笑顔がフラッシュ・バックする。
きっと一緒に働けば解るんだろうさ・・・。

ディレクターのHさんが携帯電話を掲げて走って来た。
「今、かみさんから大ニュースって電話があったんだ。
僕の赤ん坊に歯が生えたんだって!」

赤ん坊の歯に乾杯!



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キャロラインちゃん


大統領選挙当日に放送予定のドキュメンタリーの撮影で、ペンシルベニア州の州都ハリスバーグに約三週間の滞在。

アーミッシュの村に行く途中に何度か通る事はあったけど、こんなに綺麗な街だとは知らなかった。
街を横切るサスケハナ川(ペリーの乗っていた黒船の名前はこの川が由来との事)にはパリのシテ島によく似たシティ・アイランドがあって、いくつもの古くて美しい橋が架かっている。
その向こうにスリーマイル島の原発が白い蒸気を吐いているのも見えるけど・・。

共和党が新しく開いた選挙事務所でキャンペーンを指揮するデイヴさんの奮闘を撮りつつ、元々共和党支持だったけど今回はオバマに投票すると言うキャンプヒル町長ルーさんの草の根運動と、どっちに投票するか迷っている工務店経営のジャッキーさんの揺れる心、それぞれカタキ同士の間を我々はコウモリの様に揉み手で飛び回る。いやー、どーもどーも。

おそらくは負け試合を見せることになるであろうデイヴは、解っている筈なのにとても協力的で、我々のリクエストを全て実現させようとしてくれる。
これは“アメリカ人の誇り”とでも言うものなのか。
まったく頭が下がる思いだ。

デイヴにはキャロラインちゃんという娘さんがいて、これが天才的、初めて僕を見た時に発した言葉が「ね〜え、あたしのダンス見たい〜?」だった。

全然関係無いけど、今月の“新藤修一の月例展”のテーマが“化粧品”だった事を思い出して「ヘンなおじさん。」と思われないかとひやひやしながら、ちょっと写真を撮らせて貰った。


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Dear friends,

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招待状


アーミッシュのデイビッドから招待状が届いた。
末娘のメリーが、隣のラップ家の三男、メルビンと結婚する。

結婚式は十一月十三日、農作業が終わった十一月頃がアーミッシュのウェディング・シーズンで、この頃になると毎週のように結婚式がある。

初めて会った時に九歳だったメルビン、働くのが嫌いなハンサムボーイは少し吃るくせがあっていつもしょんぼりしていた。

いやいや働いていたのが、時が経つにつれて仕事の指図をするようになり、いつしか父親の相談相手になるほどの青年になる。

来る日も来る日も同じ、退屈な働く毎日を通して生きる意味を知る。

はるかな山々に抱かれて賛美歌の響きの中で人が働き育って行く眺めは、ちょっと他に比べ物が無いと思わせるような美しさだった。

アーミッシュは結婚を機に、正式な教会のメンバーになる。
一人前のアーミッシュとして、ヒゲを生やし始め、それまでは生活の便宜上なんとなく黙認されてきた車の運転も写真に写る事も一切許されなくなる。

去年会った時に「車は運転しないのかい?」って訊いたら、笑って「オレには彼女がいるからね、車より彼女の方がいいさ。」ってぬかしやがった。
何て事を言うんだろうねあのガキゃあ!


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CONNY ISLAND


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CYCLONE


コニーアイランドの世界一怖いローラーコースター“サイクロン”。
古くてガタガタなので、いつ崩れるか怖いのだ。時々死人が出るらしい。

どう撮ったら面白いか考えていた。
う〜ん、やっぱり外からとってもつまらん、乗って撮るべし。
いやがるカミさんとその友達のコロンビア人画家、ハイメ氏を座らせて出発。
カメラなんぞ禁止なので、小さいコンタックスをポケットに隠して、カタンカタンと登る時に取り出し、後ろを振り向く。先ずは一枚、「ぎゃ〜あ、おちる〜!」と叫ぶカミさんの声を聞きながら後ろ向きに体が宙に浮いた瞬間にもう一枚、「ぐへ〜!なんのこっちゃ〜!」
古いマシンは安全バーも簡素な物で、カーブで吹っ飛びそうになるのを必死でしがみつきながらシャッターを押す。「わっ、わっ、わっ!!」

このカメラ、オートフォーカスが合わないとシャッターが降りない様になっているらしくて、結局最初の2枚しかちゃんと押せてなかった。

「あんた、ブログなんかに載せるんじゃないわよ。」と脅されているので、ほどなく削除するかもしれませんが、せっかく命がけで撮ったので載せます。
ちなみに私は高所恐怖症です。

彼女らをご存知の方は話題にしないように。

あ、それからこういう事はやめておいた方が良いです。
本当に危ないです。死ぬかと思った。




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