水曜日のシネマ日記

映画が大好き♪
水曜日に劇場で映画を観る機会が多い私の映画・DVD鑑賞記録日記です。

当事者同士は納得済でも・・・。『終の信託』

2012-11-05 07:30:00 | 映画【た行】
患者の希望で延命治療を止めた女医と
彼女を取り巻く環境を描いた作品です。



映画の評価 ★★★★☆ 考えさせられる映画


●以下ネタバレがあります●


2007年1月に劇場で観た
『それでもボクはやってない』に続き
周防正行監督はまたまた考えさせられるテーマを
私に投げかけてきました。


今回のテーマは尊厳死。


尊厳死を扱った映画の中で
私にとって一番心に残っている作品といえば
2005年に劇場で観た『ミリオンダラー・ベイビー』ですが
今回の映画は少し様子が違いました。


今回の映画の中で興味深かったのは
当事者と第三者からの目線の違い。


劇中では
女医の恋愛エピソード
オペラの歌詞にまつわるエピソード
当事者と第三者からの目線の違いとして
具体的な台詞で表現されています。

女医にとっては結婚出来ると信じた純愛でも
周囲から見れば先の見えたただの不倫関係。

オペラの歌詞も
歌だけを聞く異国人にしてみれば情熱的な愛の歌でも
実は娘が脅迫まがいに父親へ金をせびる歌。


劇中に描かれた尊厳死もそれらと同じで
当事者である女医の目線と
第三者である検事の目線とでは
同じ事実を見つめているはずでも
どこか内容が異なってしまうのです。

女医にとってみれば
患者の望みを叶えてあげただけでも
検事にとってみれば
明らかな医療殺人行為。

感情的になっている渦中の人間には
それが正当に思える事でも
客観的に見ている第三者からすれば
それは明らかに異常な行動だったりもするわけで・・・


人間は感情を持つ生き物です。


時には理性とはかけ離れた行動をしてしまいがちですが
だからと言ってその感情が全て間違っているとは限りません。

この映画に描かれていた題材も
結果だけを見てしまえば完全にアウトな事ですが
そこに辿り着くまでの過程を見る限りでは
私にとって完全にアウトとは言い切れない問題です。


例えば
私が医者の立場に立たされた時、
苦痛に耐え続ける患者から安楽死を懇願されてしまえば
やっぱり望みを叶えてあげたいと思うでしょうし、
自分が患者だった場合でも
劇中と同様に延命治療だけは断固として拒否したい・・・


当事者同士は納得済でも
第三者や世間が許してくれない事って
世の中には結構沢山存在するのです。


【2012年11月3日(土)TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて鑑賞】
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