水曜日のシネマ日記

映画が大好き♪
水曜日に劇場で映画を観る機会が多い私の映画・DVD鑑賞記録日記です。

どこの世界にも共通する事。『孤高のメス』

2010-06-10 23:00:00 | 映画【か行】
地方の市民病院を舞台に
外科医療に携わる人たちの姿を描いた作品です。


映画の評価 ★★★★☆ 人間の有り方を考える映画


●以下ネタバレがあります●


これまでにも医療を通して
命と向きあう現場を題材にした作品は
いくつか観てきましたが、
今回の映画を観ながら
私は去年の10月に劇場で観た
『私の中のあなた』の感想に書いた
臓器提供意思カードの事を思い出していました。

実は今年の3月に実家へ帰った時、
たまたま両親と一緒に観ていたテレビ番組の
NHKスペシャルで取り上げられた題材が
「閉じ込め症候群」だったので
生きる意味について話し合い、
その時に初めて
私が書いた臓器提供意思カードの表記について
胸の内を伝えたのです。


私の意思を聞いた両親は絶句・・・。


脳死状態になったのなら
自分の身体を切り刻んで
臓器を他人に提供しても構わないという私の考えに
親としては複雑な気持ちだった事でしょう。

もしかしたら、
今回の映画で言われていたように
脳死状態の人間から臓器を取り出す事は
生きている人を殺してしまうかのように
思えたのかもしれません。

しかし、1997年に施行された臓器移植法により
臓器移植に対する考え方や認識は
大きく変わりました。

20年前の日本では認められていなかった
脳死者からの生体移植でしたが、
みすみす治療を怠っておきながら
患者を死なせてしまう医療の方が
脳死者からの臓器提供よりも
よっぽど殺人に近いように思えてしまうのは
私だけではないはずです。


この映画の劇中に登場する
生瀬勝久演じる野本医師の医療行為は合法
事実さえ口外しなければ
何事も無かったかのように許されて、
堤真一演じる当麻医師の医療行為は違法
世間に曝されながら
処罰されるべき事なのだろうか・・・。


このような疑問を私が抱えたように
表面的な部分だけを見れば
サラリと許されてしまう
明らかに理不尽な出来事
医療の世界であっても、
政治の世界であっても、
一般の社会であっても、
学校の中であっても・・・
どこの世界にも共通して
存在する事
なのかもしれません。

そしてリーダーの資質が違うだけで
周囲の人間のモチベーションは変わり、
自分もそうありたいと願う気持ちが
自分を成長させてくれるのも同じく
どこの世界にも共通する事なのかもしれません。

お金では決して買えない大切な事は
目には見えない曖昧なモノなのかもしれませんが
目には見えないモノこそ
人の気持ちを奮い立たせを強くするのだと
改めて感じさせてくれた今回の作品は
道徳心を失いかけた世の中に
心正しくある事の意味
私たちに投げかけているかのような映画でした。


【2010年6月9日(水)TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて鑑賞】
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法の支配と法治主義 (sakurai)
2010-06-12 09:22:01
かつて「ジョンQ」という映画で、臓器提供のぎりぎりの選択のむずかしさが描かれましたが、そういやあれもカサヴェテスではなかったかなあ・・と。
人間の資質を問う映画でもありましたが、、ナマセ医師の俗物加減がちょっと安っぽかったなあと感じられました。
20年前とはいえ、あんなステレオタイプに色分けされるもんなのでしょうかね。

とはいえ、どの世界で言えることというのは、その通りですね。
法のあり方を考えるとき、「法の支配」と「法治主義」の違いを思い浮かべました。
問題は、その根本たる法なんですよね。
あの唯一の立法機関んの国会で生みだされている法ですが、是非あの作ってらっしゃる方たちには、心して法を作っていただきたい。
テクテクさんの文を読ませてもらってそんなことを思わせていただきました。
コメント返信 (テクテク)
2010-06-12 10:51:08
>sakuraiさま
こんにちは
残念ながら私は「ジョンQ」を観ていないのですが、
確かデンゼル・ワシントンが主演していた映画ですよね

病院に立てこもる予告編は観た記憶が残っているので
これも機会を見つけて是非観てみたいと思います

ところで…
この映画に登場していたナマセ医師は強烈なキャラで
確かに安っぽさは否めませんでした

作品的には善悪のメリハリを付ける為に
あれくらい極端なのが
観客には分かりやすくて良かったって事なのかもしれませんが…

「目には見えないモノこそ…」という部分では
法律も同じですよね

その法律を作り上げるのは人間の意思であり、
それも目には見えないモノであって…

目には見えないからこそ曖昧な部分に付け込むのではなく、
大切に考えなければならないのだと
この映画から改めて教えられた気がします

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