水曜日のシネマ日記

映画が大好き♪
水曜日に劇場で映画を観る機会が多い私の映画・DVD鑑賞記録日記です。

何か物足りない。『雪に願うこと』

2006-06-01 22:11:31 | 映画【や行】
東京で事業に失敗したひとりの男が、
故郷の北海道・帯広で厩舎を営む実家へ帰り、
そこからの人生の再生を描いた物語です。


映画の評価 ★★★☆☆ 普通の映画


●以下ネタバレがあります●


この作品の中では、
いろんな人生の再生を描いています。

事業に失敗した男。
レースに勝てない騎手。
レースに勝てない馬。
12年間音信不通だった兄弟。

これだけの題材が揃っていながら、
私は作品の中に、
どこか物足りなさを感じていました。


東京で事業に失敗した学(伊勢谷友介)は、
現実から逃げるように、故郷の帯広に帰ってきます。
そこには、ばんえい競馬の厩舎を経営する、
兄の威夫(佐藤浩市)がいました。
12年間、音信普通でありながら、
突然帰ってきた学に対して、
威夫の態度は、厳しいものでしたが、
大方の事情を察していた威夫は、
月8万円で学を雇い、
厩舎での仕事を手伝わせるようにします。


この映画を観ていて思ったのですが、
学のダメ人間ぶりが、
私にはイマイチ伝わってきませんでした。

確かに、
兄の威夫や、東京から追いかけてきた元同僚に、
「おまえの尻拭いをいつもさせられるのは、俺だ!」
と、罵声を浴びせられたり、
一緒に働く同級生から借金をしようとしたりしてはいるのですが、
映像の中で観る学は、
周囲が言う程、だらしない人間に感じませんでした。
(馬にも懐かれてたし・・・。)

それまでの背景も、
時折、少しの言葉で語られるだけ
で、
私には、あまりイメージが湧かず、
「ふーん。」と聞き流す程度でしか感じられませんでした。

ばんえい競馬の大変さや、雪深い帯広の風景は、
映像を通して充分伝わってきたのですが、
それとは対照的に、人間ドラマの背景は、
置いてきぼりをくらっている感じ
です。

映画の中での威夫と学の母親(草笛光子)は、
既に痴呆が始まっていて、
以前の学に対する溺愛ぶりも、母親と威夫との関係も、
完全に、ぼやけた感じになっていました。

実家は農業だったのに、なぜ威夫は、騎手を目指したのか。

学が東京へ出て行って、世間を見返したかった理由は何だったのか。

威夫と学にとって、父親と母親はどんな存在だったのか。

この辺りをもっと映像の中で観れたならば、
もっと家族の深い人間ドラマを感じる事が出来たのかもしれません。

あと、残念に思ったのが牧恵(吹石一恵)の存在です。
せっかくのポジションも、
映画の中で生かしきれていなかったように思いました。

ストーリーも、人物設定も悪くないのですが、
全体的に表面をサラリと撫でているだけで、
私には描かれているドラマの深みを感じる事が出来ず、
物足りなさだけが残ったような気がします。


【2006年5月31日(水)シネプレックス幕張にて鑑賞】
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6 コメント

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Unknown (betty)
2006-06-06 00:19:32
はじめまして。

「ドリーマーズ」でTBしてくださりありがとうございました。

同じく馬の映画で私も観ていた「雪に願うこと」の記事がありましたのでこちらにもTBさせていただきました。

北海道在住なのもですから、この映画を話題にしてくださってるだけでとっても嬉しくなりました。
>コメント返信 (テクテク)
2006-06-06 12:28:47
>bettyさま

こんにちは

そうでしたか

この映画は、北海道在住の方が観たら、

また違った感じ方の出来る映画なのでしょうね

私は、ばんえい競馬というモノがあるという事を、

この映画を通して初めて知りました

悪い作品ではないのですが、

私としては、もう少し人間ドラマの深さが欲しかったように思いました

でも、雪深い北海道の映像は、とても美しかったです
Unknown (betty)
2006-06-06 18:40:53
深みのほうはたしかにそうかもしれませんね~。

私は観てる最中、主役がちょっと力量不足だったかなと思ったのですが。。伊勢谷くんのせいだけでもないか。

北海道のばんえい競馬が広まって観光客がふえてくれれば、それだけでもいいかと(笑)
>コメント返信 (テクテク)
2006-06-06 21:01:37
>bettyさま

うーん…

実は、私も弟役の演技に、

あれれれれと思いながら観ていました

兄役が上手い役者だけあって、

余計にアラが目立っちゃったかもしれませんね

ばんえい競馬の認知度は、この映画によって、

間違いなくUPしていると思いますよ
鳴海章氏の原作小説が僕は好きです (たろ)
2006-06-10 00:34:31
こんばんは。

こちらの記事の方にもコメント&トラックバックを失礼致します。



この作品は、見応えのある北海道の自然を舞台に、登場する人々の繋がりを描いて行く点に魅力を感じさせる映画であったと思いますが、鳴海章氏の原作小説の方は、人々と輓馬の関係をより丁寧に描いた読み応えのある小説であり、映画よりも僕は好きです。



また遊びに来させて頂きます。

ではまた。



>コメント返信 (テクテク)
2006-06-14 12:59:39
>たろさま

こんにちは

この作品は、原作の方が、

より丁寧に人間ドラマが描かれているのですね

人物設定や物語の背景は悪くないと思うのですが、

それらが映画の中では生かしきれていなかったように感じました

機会があったら、原作を読んでみたいと思います

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