
ダイヤモンドの密輸を巡り、
1990年代後半のアフリカ、シエラレオネでの、
激しい内戦を描いた映画です。
映画の評価 ★★★★★ 人間の価値観を問う映画
●以下ネタバレがあります●
これまでにも、アフリカの内戦を描いた作品は、
いくつか観てきましたが、
2003年10月に劇場で観た
「ティアーズ・オブ・ザ・サン」では、
ナイジェリアでクーデターが起き、
米軍兵士が現地の奥地で働く
外国人女性医師の救助に向うという姿を
描いていました。
この作品で外国人女性医師を演じていたのが、
モニカ・ベルッチ。
アフリカの奥地で勤務する女医役なのに、
彼女の目はマスカラでパッチリ、化粧はバッチリ。
シャツの胸元は大きくはだけて、お色気ムンムン。
現地で働いているイメージとは、
あまりにもかけ離れた女医の姿に、
終始冷めた目で、この映画を観ていた事を覚えています。
そんな彼女とは違い、
今回観た映画で女性ジャーナリストを演じた
ジェニファー・コネリーには、
現地で取材する、その役の雰囲気が十分感じられ、
とても好感が持てました。
政府と反政府組織「RUF」が対立し、
内戦が激化するアフリカ、シエラレオネで
メンデ族の漁師ソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)は、
将来、医師になりたいと勉強に励み、
5キロ先の学校まで通う
自慢の息子ディア(カギソ・クイパーズ)や、
愛する家族たちと一緒に小さな村で生活していました。
ある日、その村は反政府組織「RUF」の襲撃を受け、
ソロモンは「RUF」に捕まり、
ダイヤモンド採掘の労働をさせられます。
ダイヤモンドは「RUF」にとって、
武器を手に入れる為の資金源となっていました。
そんな中、ダイヤモンドの密輸をしている
ダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、
アフリカの地に降り立ち、
「RUF」とのビジネスを行います。
そこで手に入れたダイヤモンドを隠し持ち、
ジャーナリストになりすまして移動をしていた時、
彼は運悪く政府軍に遭遇し、密輸が見付かってしまいます。
アーチャーは、政府軍に連行され
「RUF」の捕まった兵士と同じ場所に投獄されますが、
そこで偶然、大粒のダイヤモンドの話を耳にします。
この映画では、
たったひと粒のダイヤモンドを巡って、
大きくドラマが動いていきます。
その発見者であるソロモンにとって、それは、
ただのキレイな石ころにすぎませんでした。
彼が見つけたダイヤモンドを土に埋めて隠した理由は、
自分の物欲の為ではなく、
こんな物がRUFの手に渡ったら、
更に高価な売買が行われ、RUFは武力を増して、
内戦が激化する事を危惧し、
その資金源となる物をRUFに渡したくない
という、ただそれだけでした。
そのダイヤモンドを手に入れたがったアーチャー、
アーチャーの上官である大尉、RUFたちもまた、
ダイヤモンドそのものが
欲しかったわけではなく、
彼らにとってのダイヤモンドは、
その先にある、
自分の欲望を満たす為の道具に
すぎませんでした。
そんなダイヤモンドを手に入れたがった彼らとは
対照的だったのが、
物欲の無い、ソロモンとマディーで、
父親であるソロモンには、
RUFに誘拐された息子を取り戻し、
離れた家族と再会したいという
ダイヤモンドよりも大切な、家族への愛情があり、
ジャーナリストであるマディーには、
自分の身の危険を冒してまでも、
世界で起こっている悲惨な真実を伝えるという、
ダイヤモンドよりも大切な、強い信念がありました。
どうしてもダイヤモンドを手に入れたかったアーチャーは、
自分たちの行為のせいで、
アフリカの内戦が激化してる事なんて、
どうでもイイ事で、
権力や金品に興味のない、
素朴な生活の現地住民を踏みつけようとも、
自分の利益を得る事しか考えておらず、
そんな彼は、
自分の利益にもならない事に危険を冒す、
ソロモンとマディーの事が、理解できませんでした。
しかし、極限の状態にさらされた危機を
アーチャー、ソロモン、マディーの3人で乗り切った事で、
理解し合えなかった、それぞれの心に
変化が表れ始めます。
自分の幼少時代の過去を封印してきたアーチャーは、
そこで出会ったベンシャミンの
「人間は誰もが皆同じ。」
という言葉と、
彼がRUFから保護した多くの子供たちと接する姿に触れ、
誰にも話さなかったであろう出来事を
マディーに打ち明けます。
マディーもまた、
軽蔑していたはずのアーチャーの貪欲さが、
ただの物欲ではなく、その根底にあるモノを知り、
命を懸けてまでも突き進む彼に惹かれていきます。
アフリカの内戦激化よりも、
物欲に駆られ、ダイヤモンドに目が眩むような
外国人を信用できなかったソロモンも、
難民となった家族を探し出す事に協力してくれた
アーチャーとマディーを信用し始め、
アーチャーと関わりたくなかったはずが、
彼の家族や、これからについて知ろうとし、
信用できなかったはずの外国人である
彼の考え方を理解しようとします。
その後、ダイヤモンドを手に入れたアーチャーは、
その先の自分には、
守るべき大切な事が何も無い事に気付き、
ソロモンの家族を取り戻す為に、
彼にダイヤモンドを託し、
マディーの正しい信念の為に、
彼女の求めていた全てを与えます。
ラストシーンで、
マディーの書いた記事にアーチャーの写真が掲載され、
それをソロモンが手にして見た時、
そこには、
バラバラだったはずの、
3人の価値観がひとつになり、
ダイヤモンドの輝きに隠された闇の世界を
変えなければならないという、
同じ意思が感じられ、
「人間は誰もが皆同じ。」
と言った、ベンシャミンの言葉の意味が、
証明されたように思いました。
この映画で、ダニー・アーチャーを演じた、
レオナルド・ディカプリオは、
「アビエーター」や「ディパーテッド」よりも、
断然素晴らしかったと思います。
【2007年4月7日(土)TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて鑑賞】
1990年代後半のアフリカ、シエラレオネでの、
激しい内戦を描いた映画です。
映画の評価 ★★★★★ 人間の価値観を問う映画
●以下ネタバレがあります●
これまでにも、アフリカの内戦を描いた作品は、
いくつか観てきましたが、
2003年10月に劇場で観た
「ティアーズ・オブ・ザ・サン」では、
ナイジェリアでクーデターが起き、
米軍兵士が現地の奥地で働く
外国人女性医師の救助に向うという姿を
描いていました。
この作品で外国人女性医師を演じていたのが、
モニカ・ベルッチ。
アフリカの奥地で勤務する女医役なのに、
彼女の目はマスカラでパッチリ、化粧はバッチリ。
シャツの胸元は大きくはだけて、お色気ムンムン。
現地で働いているイメージとは、
あまりにもかけ離れた女医の姿に、
終始冷めた目で、この映画を観ていた事を覚えています。
そんな彼女とは違い、
今回観た映画で女性ジャーナリストを演じた
ジェニファー・コネリーには、
現地で取材する、その役の雰囲気が十分感じられ、
とても好感が持てました。
政府と反政府組織「RUF」が対立し、
内戦が激化するアフリカ、シエラレオネで
メンデ族の漁師ソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)は、
将来、医師になりたいと勉強に励み、
5キロ先の学校まで通う
自慢の息子ディア(カギソ・クイパーズ)や、
愛する家族たちと一緒に小さな村で生活していました。
ある日、その村は反政府組織「RUF」の襲撃を受け、
ソロモンは「RUF」に捕まり、
ダイヤモンド採掘の労働をさせられます。
ダイヤモンドは「RUF」にとって、
武器を手に入れる為の資金源となっていました。
そんな中、ダイヤモンドの密輸をしている
ダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、
アフリカの地に降り立ち、
「RUF」とのビジネスを行います。
そこで手に入れたダイヤモンドを隠し持ち、
ジャーナリストになりすまして移動をしていた時、
彼は運悪く政府軍に遭遇し、密輸が見付かってしまいます。
アーチャーは、政府軍に連行され
「RUF」の捕まった兵士と同じ場所に投獄されますが、
そこで偶然、大粒のダイヤモンドの話を耳にします。
この映画では、
たったひと粒のダイヤモンドを巡って、
大きくドラマが動いていきます。
その発見者であるソロモンにとって、それは、
ただのキレイな石ころにすぎませんでした。
彼が見つけたダイヤモンドを土に埋めて隠した理由は、
自分の物欲の為ではなく、
こんな物がRUFの手に渡ったら、
更に高価な売買が行われ、RUFは武力を増して、
内戦が激化する事を危惧し、
その資金源となる物をRUFに渡したくない
という、ただそれだけでした。
そのダイヤモンドを手に入れたがったアーチャー、
アーチャーの上官である大尉、RUFたちもまた、
ダイヤモンドそのものが
欲しかったわけではなく、
彼らにとってのダイヤモンドは、
その先にある、
自分の欲望を満たす為の道具に
すぎませんでした。
そんなダイヤモンドを手に入れたがった彼らとは
対照的だったのが、
物欲の無い、ソロモンとマディーで、
父親であるソロモンには、
RUFに誘拐された息子を取り戻し、
離れた家族と再会したいという
ダイヤモンドよりも大切な、家族への愛情があり、
ジャーナリストであるマディーには、
自分の身の危険を冒してまでも、
世界で起こっている悲惨な真実を伝えるという、
ダイヤモンドよりも大切な、強い信念がありました。
どうしてもダイヤモンドを手に入れたかったアーチャーは、
自分たちの行為のせいで、
アフリカの内戦が激化してる事なんて、
どうでもイイ事で、
権力や金品に興味のない、
素朴な生活の現地住民を踏みつけようとも、
自分の利益を得る事しか考えておらず、
そんな彼は、
自分の利益にもならない事に危険を冒す、
ソロモンとマディーの事が、理解できませんでした。
しかし、極限の状態にさらされた危機を
アーチャー、ソロモン、マディーの3人で乗り切った事で、
理解し合えなかった、それぞれの心に
変化が表れ始めます。
自分の幼少時代の過去を封印してきたアーチャーは、
そこで出会ったベンシャミンの
「人間は誰もが皆同じ。」
という言葉と、
彼がRUFから保護した多くの子供たちと接する姿に触れ、
誰にも話さなかったであろう出来事を
マディーに打ち明けます。
マディーもまた、
軽蔑していたはずのアーチャーの貪欲さが、
ただの物欲ではなく、その根底にあるモノを知り、
命を懸けてまでも突き進む彼に惹かれていきます。
アフリカの内戦激化よりも、
物欲に駆られ、ダイヤモンドに目が眩むような
外国人を信用できなかったソロモンも、
難民となった家族を探し出す事に協力してくれた
アーチャーとマディーを信用し始め、
アーチャーと関わりたくなかったはずが、
彼の家族や、これからについて知ろうとし、
信用できなかったはずの外国人である
彼の考え方を理解しようとします。
その後、ダイヤモンドを手に入れたアーチャーは、
その先の自分には、
守るべき大切な事が何も無い事に気付き、
ソロモンの家族を取り戻す為に、
彼にダイヤモンドを託し、
マディーの正しい信念の為に、
彼女の求めていた全てを与えます。
ラストシーンで、
マディーの書いた記事にアーチャーの写真が掲載され、
それをソロモンが手にして見た時、
そこには、
バラバラだったはずの、
3人の価値観がひとつになり、
ダイヤモンドの輝きに隠された闇の世界を
変えなければならないという、
同じ意思が感じられ、
「人間は誰もが皆同じ。」
と言った、ベンシャミンの言葉の意味が、
証明されたように思いました。
この映画で、ダニー・アーチャーを演じた、
レオナルド・ディカプリオは、
「アビエーター」や「ディパーテッド」よりも、
断然素晴らしかったと思います。
【2007年4月7日(土)TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて鑑賞】










ほんと、このディカプーさんはよかったですよね〜
うさぎはタイタニック以来かも。。。評価できるプーさんは。。。♪
思った以上に良い作品でした。
登場人物を最小限にして、しかも当初バラバラだった彼らの目的がひとつになっていく所も良かったです。
力量のある役者さんがキチンと仕事をすると見応えがありますね。
アフリカについてまたひとつ勉強させてもらいました。
こんにちは
私は、ディカプリオのファンではないのですが、
今回の彼の演技は、素直に褒めてあげたいと思いました
アカデミー賞、取らせてあげても良かったかも
>ミチさま
こんにちは
私も想像以上に良い映画だったので驚きました
アフリカの内戦事情を題材にした映画は少なくありませんが、
この映画は、人それぞれの価値観の違いを明確にしながら、
映画を観る側にに対しても、
ハッキリと問題提議をしている秀作だったと思います
それに加え、俳優陣の演技力も光る映画でした
「北の零年」の主演女優が大地で働いているわりには顔色がきれいすぎるとの話もありましたが、この映画のジェニファー・コネリーはアフリカにいそうな顔色で納得の演技でしたね。もちろん、デカプリオも。
こんにちは
この映画の中で、
アーチャーと別れるシーンのマディーの束ねた髪が、
私はとても印象的でした
やはり、その映画の雰囲気に合った、
俳優の容姿と演技は重要だと思います
そういった点でも、この映画は、
とても良く表現できていた作品でした
>現地で取材する、その役の雰囲気が十分感じられ、
>とても好感が持てました。
ジェニファー・コネリー、よかったなあ。
とってもリアルな演技でしたね。
それにしても、誰もがあこがれるダイヤモンドは実は血で汚れていて、それが消費者の手に渡っているとは・・・
価値観がちがう3人がまとまるあたりがドラマでしたねえ。
辛いお話でしたが、見応えがあった。
レオさまの演技に堪能!!!
こんにちは
私も、この映画を見終えた時、
テレビで高価な宝石を身にまとって出ている人たちを
思い出してしまいました…
その宝石が、どんなルートを辿っているかなんて、
その人たちには、あまり関係ない事だとは思うんですけどね
全ての宝石が、紛争の火種だとは思いませんが、
ダイヤモンドに無縁な私であっても、
やはり考えさせられるモノはありました
いろんな意味で、見応えのある作品でしたね
ダイヤに人間が勝手に価値を付けているだけであって、無縁ならば無縁でソロモンのように生きていけるんですよね。
本当は、ダイヤが無くても困らない。
でもそれが莫大な富を産む。
遠い未来、ダイヤには何も価値がないかも知れませんね。
こんにちは
これは、ダイヤモンドを買う人、売る人にとって、
ある意味「環境問題」と少し似ているような気がしました
心に留めて気にする人は、自分で心がける事がありますが、
そんな事、どうでもイイと思っている人には、
関係ない事なのかもしれませんね
人の価値観は、自分の生きている環境によって、
大きく違って当然なのかもしれませんが、
人間として大切な事は最低限守られるべきなのだと、
この映画を通して感じました
僕は 月1回ペースで映画を観るんですが、、、
必ず映画館の前で悩んでます。。。
なに観ようかなぁ〜、、、
って1時間ぐらい…。
そんな僕にとって『 テクテクさん 』のブログは神様みたいです !!
ごめんなさい…、うそつきました…。
でも、今度から悩まなくてよくなりそうです。
また遊びにきまーす。。。
こんばんは
私の映画の感想を参考にして頂けるとは光栄です
同じ映画を観ても、私と違った感想を持つ人もいますし、
映画の好みの違いもあると思いますので、
何か映画を観た時は、感想を教えて下さいね
これからも、気軽に遊びに来てください
マディーという人の存在がなければ成り立たない話ですし、ラストのソロモンに向けたマディーの笑顔がすごく良かったと思いました。
アフリカの話というだけでなく、三人の環境の違う人間の様子というのもとても面白かったですね。
またお邪魔しますね。ではでは。
こんにちは
ジェニファー・コネリー演じるマディーは、
ただジャーナリストとしての理想論や性議論を
振りかざしているのではなく、
自分の無力さや、
目の前にある惨状を伝えたくとも、
こんな記事しか書けないと苦悩する部分も
リアルに表現できていたと思います
重いテーマでしたが、物語に深みのある、
素晴らしい作品でした
ダイヤがあるから、武器を買い戦闘が起こる。しかし欲のために、ダイヤを闇市場に流す死の商人がいるから、RUFに武器が流れる。そして平和で裕福な国の金持ちが、ダイヤをありがたがるからダイヤが高価になる。嫌な循環ですよね。J・コネリーファンとして観た映画でしたが、期待以上に優れた作品でした。それにデカプリオはいつの間にか逞しい体つきになっていたので驚きました。
おっしゃる通り、バラバラだったはずの、3人の価値観がひとつになったのは、素晴らしい結末でした。
こんにちは
この映画や「ナイロビの蜂」では、
アフリカを食い物にする外国人が描かれ、
「ホテル・ルワンダ」では、
荒れるアフリカを見捨てる外国人が描かれ…
これらのようなアフリカを題材にした映画を観ると、
ホントに、いたたまれない気持ちになります
「ブラッド・ダイヤモンド」は、
人間が最も大切にしなければならないモノが何なのか、
私たちの価値観をも考え直す機会を与えてくれた
素晴らしい作品だったと思います