水曜日のシネマ日記

映画が大好き♪
水曜日に劇場で映画を観る機会が多い私の映画・DVD鑑賞記録日記です。

隣の芝生は青い。『永い言い訳』

2016-10-15 23:45:00 | 映画【な行】
交通事故で妻が他界した小説家のその後を描いた物語です。


映画の評価 ★★★★☆ 人間臭さを感じる映画


●以下ネタバレがあります●


2006年9月に劇場で観た『ゆれる』

2012年9月に劇場で観た『夢売るふたり』


そして今回の西川美和監督の最新作品には
またまた毒々しくも愛しい人間の内面が
露骨に描かれていました。


決して共感は出来ないけれども
その人の気持ちは理解できるのです。


この映画の主人公は幸夫クン。


自分は若いおネエちゃんと浮気しているのに
妻が自分に対して愛情がないという本心を知ってキレる男。


自分の子供は欲しくなかったけれども
他人の子供と接して仲良くなって癒される男。


自分と楽しく遊んでいる最中の他人の子供が
本当の父親の所へ駆け寄っていく後姿に淋しさを感じる男。


自分という存在の必要性が無くなったと感じた時に
酔った勢いで不満と本音をブチまける男。



要するに幸夫クンは
自分が愛されたいだけの男なのです。


平たく言えば幼稚なオッサン。


冒頭の映像がそれを象徴しています。


妻が亡くなる前でも後でも
自分のご都合主義な幸夫クンでしたが
ある出来事が切っ掛けで
自分の愚かさに気づかされる事となり・・・


大学を出て小説家になって知名度もある幸夫クン。

それとは対照的なトラック運転手の男。


お互いに相手の事を羨ましいと思う気持ちが
なんだかとてもリアルに感じました。


幸夫クンにもトラック運転手にも
他人には見えない苦労があって
誰もがイイ事ばかりではありませんが
自分が持っていないモノは良く見えちゃうのです。


隣の芝生は青いとは正にこの事。


それでも同じ事故で妻を亡くした
対照的なタイプの男たち
愛する人が自分の心の中にいる事で
自分の人生は支えられているのだと
ジワジワと心に突き刺さりながら
時間を掛けて受け止めてゆくこの映画。


愛されたがりの幼稚な幸夫クンでしたが
人を愛する意味を知って精神的に成長しました。


毒々しい内容でも主人公が男性だからこそ
後味が悪くなく成立した作品のような気がします。


【2016年10月14日(金)TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて鑑賞】
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